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第7話 アリアス王

アリアス王国王城は7層からなり地上5階地下2階建てである。重厚な石造りのこの城は過去数度戦乱に巻き込まれ現在でも機能的な部分が多く見られ正面玄関から1階以外は攻めてくる敵を屠る為の城である。そんな4層に王の寝室がある。最後の抵抗をする為、その扉は重厚な造りであり上部には矢通しの空洞まである。金の縁取りがしてあり、その2枚扉には王家の紋章が刻まれている。そんな扉を潜り、アクシス達は王の元へたどり着いたのであった。

天涯付きのベッドに15歳になるエレク=ド=アリアス王が横たわっていた。苦しい呼吸音が聞こえる。前王妃様に手で合図されアクシスは近くまで寄った。

エレク王は面長の整った顔の口から首にかけて発疹がみられる。末期の状態である。

アクシスはエレク王の枕の横に乱れた文字で書かれたメモと羽ペンを見つけた。

---母上、申し訳ございません。先に逝きます。ありがと・・・・う・・・・・ござい・・・ました---

後半は文字が乱れすぎて途切れ途切れであった。エレク王が一瞬意識が戻り書いたようだった。アントワネット前王妃はそのメモを読むとその場に倒れこみ声を上げて泣いた。


「失礼します。エイリアス家からご依頼頂いた品をお持ちしまいました。」


息が上がりながら近衛兵がそう駆けこんできた。相当急いだようだ。アクシスがお願いしたのであった。


「ありがとうございます。アントワネット様、陛下の腕にこのような針をさしても良いですか?治療です。」


「陛下が助かるならなんでもしてちょうだい。早く!早く!」


アクシスはエレク王の両腕に点滴をし、足りないと感じたので足にも点滴をつなげた。


「城に氷はありますか?もしくは氷を出せる方は?」


「私は水系魔法に適正があります。」


「宰相、お願いします。この布で氷を巻いて陛下の首下、脇、股においてください。」


そこまでアクシスはアレク王に治療したがアレク王の呼吸数は減り脈は弱くなってきたのである。


「アレク!アレク・・・アレク!」



「陛下!へいーーか!陛下!」



いよいよその時が訪れようとしたときアクシスは奇行に走った!

アクシスは意識が無くて飲ませることができなかった天然痘完治薬を己の口に入れごりごりと噛み砕き水差しの水を口に含み陛下に口づけした。そして、エレク王の口を強引に舌でこじ開け己の含んでいる薬いりの水を吐き出したのである。口を離したと思ったら再度水を含み更に口へ水を送り込んだのである。

その奇行を3度ほど繰り返した時、


「ごふぉ、ごふぉ、ごふぉ」


とエレク王はむせた。そして・・・


「私は男色ではない・・・・ぐふぉ、ぐふぉ」


「・・・・・・・・」


アクシス以外、きょとんとした。


「だいぶ、眠ってしまったようだ・・・母上・・・そんなに泣かれてどうされたのですか?」


「エレク!エレク!エレク!あああああああ!神よ。ありがとうございます。」


アントワネットは心の底からの声を吐き出し、エレク王を抱きしめた。

エレク=ド=アリアスは危機を脱したのであった。


「・・・アクシス・・・お前が男色でもかまわない・・・しかし・・・このようなときにお前の性癖をださなくても・・・。」


「性癖言うな。僕は男色じゃないから!セクシーなお姉さんが好きなのだ!」


「そうか!同志よ!ぐへへ」


「ぐへへ。」


やっぱりこの二人ダメである。

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