第5話 アクシス近衛兵に連行される
アリアス王国に衝撃的なニュースが広まった。
「エレク=ド=アリアス王流行り病に罹患す。」
先帝が昨年突如倒れ急遽15歳で即位したエレク=ド=アリアスは若いながらも和を重視した政治を行い高い評価を得ていた。見た目もまさしく貴公子という美丈夫で求婚が相次いでおりまさに華のある若き王であった。そんな王が流行り病に冒されたのである。王国中に動揺が広がっていったのである。
一方その頃アクシスは・・・母方のいとこのクリスとエロ草紙を堪能していた。
「ぐへへへ。たまりませんな兄貴。」
「うへへへ。そちも好きものだの。」
このクリスは母エリーナの姉マリアの長男でアクシスとは生まれた時からの仲である。アクシスの記憶では悪さをするときの良き相棒である。
「アクシス=フォン=エイリアス、5歳!ごんっ」
「いてっ。」
「クリス=フォン=カリカ、5歳!ごんっ」
「いてっ。」
「なにがいてっよ?拳骨くらいで痛がりすぎよ。5歳児ども、おじさんのエロ草紙見て喜ぶのは10年早いわ!」
と10歳のエリスが5歳児どもに鉄拳制裁をおこなった。
「おばさん~また、アクシス達がおじさんのエロ草紙みてたわよ~。」
しかもしっかり密告された。鬼である。マリア=フォン=カリカはそれを聞いて
「あらあらあら。おませさんね。あませさんにはそんな汚らわしいものを見るよりも素振り頑張ってもらおうかしら。うふふ。」
アクシスとクリスはきっちり2千回素振りをさせられた。鬼である。この夜。クリスは土下座をしている父の姿を見た。ルイージ=フォン=カリカ伯爵である。
「あなた。今度、こんなもの見つけたら・・・しめるわよ。」
「へへ~。二度とないようにします。」
クリスはそっとドアを閉めたのである。
このカリカ伯爵家は王国の中で軍事を仕切るばりばりの武道派の貴族であり王国の中ではかなりの発言権を有している。ルイージとジョナサンは幼き頃よりの親友で同じく幼馴染であったアリストフ侯爵家の二人の姉妹エリーナとマリアをそれぞれ射止めたのであった。この2家は王国の中で唯一エイリアス男爵家の味方である。
次の日、焦った様子のルイージ伯爵がエイリアス家へ訪れた。
「アクシス!王城から近衛兵団がおまえの身柄を確保する為に派遣された!急いで逃げるんだ!お前のことだからなにかやらかしたのだろう?。」
アクシス、叔父からの信用ゼロである。
「おじさん!僕はなにもしてないよ!その目の周りのあざはおばさんから?ぷっ。」
「お前・・・。今度からは隠れて見なさい・・わかったな?エロ男爵。ぐへへ。」
「ぐへへ。わかりました。エロ伯爵様。ぐへへ。」
この二人、ダメである。
せっかく、ルイージが馬を飛ばしてきたのだがすでに遅かったようである。近衛兵が到着した。
「アクシス=フォン=エイリアス男爵。王城へ連行いたします。ご準備を。」
アクシスは王城へドナドナされていった。