純粋
『純粋』
あなたの純粋な笑顔に殺された
それはギラギラと輝き闇をも呑む影をつくる
吸血鬼に隷属していた私は
影に潜むがその影はあまりにも深すぎて
もがき もつれ 沈みゆく
しかし気づいた なんてこった
純粋な笑顔は輝いてなどいなかった
ギラギラと輝いたのは私を殺そうとする刃だった
あなたの不純な笑顔が私を傷つけた
『やまちゃんのお願い』
晴れの日には珍しい黒雲が漂っていた
黒雲は自分のことをやまちゃんと呼んでいた
「やまちゃんは貴方とハグをしたいの」
黒雲は私の体を冷たい体で包み込む
「やまちゃんはお洒落をしたいの」
黒雲はお日様をヘアピンに変えた
「やまちゃんは何かになりたいの」
黒雲は重たい雨粒に変わり私に降り注ぐ
黒雲の心が私に侵入してきた
黒雲が放った言葉が体に張り付く
黒雲は私になったのだ
『雨宿り』
ああ! あしたは傘をもっていこう
別にきみの話をきいてたわけじゃないけれど
ああ! あしたは傘をもっていこう
別にきみと相合い傘をしたいわけじゃないけれど
ああ! あしたは傘をもっていこう
明日はれているって 知ってるわけじゃないけれど
ああ! あしたは傘をもっていこう
ゆめのなかで見た物語なんて とっくに忘れているけれど
ああ! あしたは傘をもっていこう
カッパじゃなくて 長ぐつじゃなくて 傘をもっていこう!