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転生姫  作者: 有栖川 すず
9/18

お城散策

 

 魔力測定を行った翌日。

 

 私は目覚めた時と同じ部屋で、そっとため息をついた。

 この部屋を3か月間は使うようにと言われて、感謝の気持ちで一杯だけど……。



 ため息の理由は、昨晩の食事の時。

 体調も戻って部屋で食べる理由もなくなったことだし、どこで食べるのかと思いながらジェシカさんの後をついていけば、長方形の長い机に、10人以上は座れそうな椅子が並べられている部屋へされた。その部屋の大きさにももちろん驚いたけど、それ以上に驚いたことがある。

 それは……王族の皆さんが既に席に座っていたこと。

 まさかとは思ったが、王妃様の

『これからは一緒に食事を取りましょう。ソラちゃんがいてくれた方が楽しいだろうし』

 という言葉で断ることが出来なくなってしまって、私が王族の皆さんと毎日の食事をすることが決定してしまった。

 皆さんは喜んで受け入れてくれたけど、私のような一般市民が一国をまとめる方たちと食事を共にしているなんて、恐れ多くて美味しいはずの料理の味が全く分からなかった。

 ジェシカんさんによると、それぞれの都合で誰かがいなかったり、バラバラに食べることもあるらしいが、基本的には一緒に食べていると聞いた時に、家族の仲の良さを伺えたと同時に、その中に自分が入ると考えたら恐れ多くなった……。


 そして、部屋の外に出て廊下を歩いていれば、すれ違うメイドさんや執事さんらしき人たちに頭を下げられ、敬語で挨拶をされる。

 他の人たちが私について何と聞かされているかは分からないけど、そうされるたびに心が痛くなる。

 私は誰かに頭を下げられるような人間なんかじゃないのに、と……。



 そんなこんなで、決して居心地のいいとは言えない時を送っている今日は、ジェシカがお城を案内してくれることになっている。

 …もちろん護衛付きで。


「ではまずは2階から参りましょうか」


 2階に続く階段は、ワンルームほどの広さをしている大理石で出来ている玄関の正面あり、私はこのお城に来てから1階も行ったことが無い。


 2階には……

 住み込みで働いているメイドさんや執事さんの部屋。ジェシカさんの話では、通いで働いているメイドさんたちもいるらしい。

 物置や王様の書斎、応接室に客間が5部屋。

 そして、騎士団長と魔法師団長の部屋がそれぞれ確保されていた。

 何でも何かあった時のためにお城に常駐させているらしい。でも、時々それぞれの団にいることもあるということだった。

 そして最後の部屋は、壁一面に本棚があり、その本棚を埋め尽くす大量の本がある書庫だった。

 ありがたいことに机とソファーまで置いてあり、心の中でこの場に入り浸りそうだと確信した。


 そして1階は、玄関を正面に左右に通路が分かれていて、その通路も右に曲がったり左に曲がったりと、わりと簡単な作りをしていた2階とは違い迷いそうな構図をしていた。

 肝心な内容は、広いキッチンにいつもご飯を食べている部屋、私がいる部屋を含め客間が3部屋。

 そして王族の皆さんの部屋がそれぞれ5部屋。また。王様と王妃様の主寝室。

 最後に案内されたのが、王子様の家族に初めて会った大きな部屋だった。


 地下にもあるらしいが、わざわざ見せるような内容ではないと、食料やワインを保管している場所だと教えてくれた。


「続いては外ですね」


 このお城に来て初めての外。

 裏庭へ続くドアもあるらしいが、今回は正面の玄関から外に出た。

 このお城に来た時の記憶がなかったので、玄関の外の光景に驚いた。


 外に出て一番初めに目に入ったのは、真正面の大きな噴水。

 その周りを囲むように道があり、噴水で見えないけれどもその奥にも道が続いていて、恐らく門が見えてくるのだろうと想像ができた。

 その左右には、赤やピンクなど様々な種類の花や大きな木が植えられている。


 正面の玄関からグルッと回ると、こじんまりとした小さな庭があった。

 ここにも花が植えられていたり、小さめな池があったり、ベンチが置いてあり一息つくにはいい場所だと感じた。

 この庭に来るには、1階の奥ばったドアから来ないといけないと教えてもらった。


 そこからまた少し言ったところ、恐らくちょうどお城の反対側。

 そこには、中の様子が見える大きめの建物が2つ。


「ここは温室です。こちらが食料を育てている温室で、あちらが花など植物を育てている温室になります」


 最初に入った食料を育てている温室には、大きな木になっている食料や、地面に植えられている食料など様々なものが育てられていた。

 一つ一つ見ていくと時間がかかるということで、温室については後日また案内すると言ってくれた。

 チラッと見た感じでは、何種類もの食料があり、その近くに木の看板が立てられているのが見えた。

 …あれは、なんだろう……。


 そして2つ目の温室は、食料を育てている温室よりも一回り広く、さらにいろいろな種類を育てていることが一目で分かった。


「ここには観賞用の花の他にも、薬などに用いられている薬草を作っているんです」


 …薬草。

 そんなものまであるんだ。

 その事実にここは本当にお城なのかと疑ってしまう。

 だけど、いろいろな種類があって、ここも後で来るのが楽しみになった。

 入り浸りそうな場所の第二候補が現れ、心の中でニコニコとした。


 温室からまたグルッと回り、正面玄関に帰る途中には、大きい厩舎があり、馬が何頭もいるのが見えた。


 こんだけお城の周りにはたくさんあったけど、それでもスペースが余っていそうな敷地面積を考えるだけで、頭がパンクしそうになった。



 …これが一国を治める王様が住むお城なんだと、王様って凄いんだと改めて感じた。

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