女神様との会話
『ソラちゃん』
目を開いた私の視界に飛び込んできたのは、真っ白な空間だった。
あれ?
この場所知っている気がする……。
それに答えるように目の前に、空間同様に真っ白な服を着た女の人が音もなく現れた。
「……っ!め、女神さま…」
驚いたのはほんの数秒で、見知った顔にホッと息を吐いた。
「ごめんね、遅くなちゃって…。いろいろな手続きとかしてたら、いつの間にかこんなに時間が経っていたの」
…手続き?
何の……?
というか何で私ここにいるんだろう?
だってここは……。
1つの可能性に気付き、ハッとして女神さまの方へ駆け寄った。
「も、もしかして私、また死んじゃいましたか…?」
何時間も飲まず食わずだったし、ありえない訳じゃない。
私あのまま死んじゃったのかも……。
女神さまが哀れな私に与えてくれた、第二の人生だったのに……。
「ふふ、違うわよ。確かに弱ってはいるけど死んではいないわよ」
申し訳なく思っていた私の耳に女神さまの声が聞こえてくる。
……そうなんだ。
死んではいないのか……。
ホッとしたのも束の間、再び疑問が浮かび上がる。
じゃあどうして私はここにいるんだろう?
「ほら転生させる前にここで言ったじゃない?あっちの世界でも私と話せるようにしておくって」
確かにそんなこと言っていたような……。
でも、何時間も女神さまの声なんて聞こえてこなかったような……。
やっと聞こえて来て安心したのは覚えているけど……。
「その関係で他の神様たちに事情を話したり…。ほら、これは私の独断で、普通ではありえないことだから。そこら辺のことが大変で、時間がかかっちゃったの。でもやっと話せるようになったし、あなたの魂をこちらの世界へ呼び込むこともできるようになった。あ、でも安心して。危険なことじゃないし、現実世界に影響は全くないから。…これで、あなたの手助けができるから、安心して」
詳しいことは分からないけど、凄く大変だったのは伝わってきた。
日本でも連絡事項とかいろいろ大変なこともあったから、きっとそれとよく似たことなんだろうな。
それにしても、他に神様っているんだ……。
どんな人たちなんだろうな……。
「あ、それから1個謝っておかないといけないことが。他の神様たちにあなたの話をしたら、興味を示しちゃって…。もしかしたら声をかけられたり、呼び出されたりするかも……」
申し訳そうな表情をした女神さまが、「ごめんなさい」と顔の前で両手を合わせた。
他の神様のことを気になっていたからそれはいいんだけど……。
「他の神様たちもこんなことでできるんですか?」
てっきり私の事を転生させた女神さまの特権かと思っていた。
「私たち神は、全員で1人なの。例えどんなに離れていても意思疎通が取れるし、能力も同じだけ扱うことが出来る。だから私と契約した時点で、あなたは他の神とも契約したことになっているの。もっと早くに話すべきだったわね、ごめんなさい」
「い、いえ……そんな謝らないでください」
「でも安心して!みんないい神だから。あなたに危害を加えるような神はいないから」
慌てて付け加えた女神さまに私は頷いた。
それならなおさら安心だ。
「お詫びとして私の加護を付けておくわ。魔法を跳ね返すことができるから、少しはあなたの安全を守れるわ」
女神さまが優しい笑みを浮かべながらそう言った瞬間、光が私の体を覆いつくした。
「そろそろ時間みたいね」
「え?もうですか?」
反射的にそう返してしまえば、光の奥で女神さまが微笑んでいるのが微かに見えた。
「安心して。何か困ったことがあれば心の中で私に話しかけて。いつも近くにいるから…」
女神さまの声がどんどんと小さくなり、すぐに消えた。
のと同時に意識が浮上し始める。




