表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生姫  作者: 有栖川 すず
11/18

温室見学2

 

「ここは植物を育てている温室でございます。手前の花壇には花が、奥の花壇には薬草が植えられております」


 2つ目の温室の中は、横に長く広い花壇が並んで2つ前後に並んでいる。

 通路は食物の時とは違い、花壇の両端とその前後にしかなく、入口から最短距離で真っ直ぐに奥の花壇に行くことは出来ない作りになっていた。


「ではまずは、花の花壇から見て行きましょうか。こちらの温室で育てられている花は、12種類となっており、主にお城の装飾に使われることが多いです」


 …12種類。

 その種類の多さに驚いて花壇を見れば、赤や白、黄色など色とりどりの花が咲いているのが目に入る。


「口で説明するよりも看板を見ていただいた方が分かりやすいと思いますので。…もし、疑問にお思いになったことがございましたら、何なりとお申し付けください」


「わ、分かりました」



 ジェシカさんの言葉に頷いた私は、一番左端から看板を見ていくことにした。



【アマリリス】

 花言葉は『輝くほどの美しさ』、『おしゃべり』、『内気』、『臆病な心』、『誇り』、『虚栄心』。

 白色、赤色、ピンク色がある。


 その看板が立てられていた奥には、大きな花が咲いていた。

 しかも1色だけではなく、看板に書かれていた3色の花がそれぞれ何本ずつも植えられているのが分かる。


 …綺麗。

 まだ一つ目なのに、既に心が奪われてしまう。

 それに、花言葉まで書いてあるなんて……。

 花言葉を知ろうと思った事の無かった私にとっては、凄く新鮮なことだった。


 ワクワクした気持ちをそのままに、私はどんどんと花を見ていく。



【ガーベラ】

 赤いガーベラの花言葉は『神秘』、『チャレンジ』、『常に前進』

 ピンクのガーベラの花言葉は『感謝』、『神秘』、『熱愛』、『崇高美』

 白いガーベラの花言葉は『希望』、『律儀』、『純潔』

 黄色のガーベラの花言葉は『究極美』、『究極の愛』、『親しみやすさ』、『優しさ』

 緑、青、紫のガーベラの花言葉は『神秘』、『若き貴婦人』、『究極美』



【アネモネ】

 全般的な色の花言葉は『はかない恋』、『恋の苦しみ』、『見捨てられた』、『見放された』

 しかしそれぞれの色の詳しい花言葉は以下の通りとなっている。

 赤いアネモネの花言葉は『君を愛す』

 白いアネモネの花言葉は『真実』、『希望』、『期待』

 青いアネモネの花言葉は『固い誓い』

 ピンク色のアネモネの花言葉は『待ち望む』

 紫のアネモネの花言葉は『あなたを信じて待つ』



【カキツバキ】

 花言葉は『高貴』、『思慕』、『色香』

 紫、青紫、白色がある。



【ポーチュラカ】

 赤色、ピンク色のポーチュラカの花言葉は『いつも元気』

 紫色のポーチュラカの花言葉は『無邪気』

 オレンジ、黄色のポーチュラカの花言葉は『自然を愛する』

 白色のポーチュラカの花言葉は『可憐』



【ダリア】

 ダリアの主な花言葉は『優雅』、『気品』、『栄華』、『気まぐれ』、『裏切り』

 しかし色別にも花言葉が付けられている。

 赤いダリアの花言葉は『華麗』、『栄華』

 黄色のダリアの花言葉は『優美』、『栄華』

 白いダリアの花言葉は『感謝』、『豊かな愛情』



 ちょうど半分見終わった私は、そこで顔を上げた。

 …楽しい。

 今まで花に目を向ける余裕すら無かったけど、花ってこんなに綺麗なものなんだ。

 こんなに綺麗だと、その瞬間だけは嫌なことを忘れられそうな気がする。


 私も日本に生きていた時に、花の綺麗さに気付けておけば……。

 少しは何か変わっていたのだろうかと、今更ながらに思ってしまう。



「ソラ様?どうかされましたか?」


 その場に佇んでいた私を不思議に思ったらしく、ジェシカさんが心配そうに顔を覗き込んでくる。


 ヤバい、心配させてしまったと申し訳なくなり、すぐに首を横に振った。


「いえ、本当に綺麗な花たちだなと感じて…」


「そうですね。食物の方もそうなのですが、このように育てられているのは、この温室を管理してくれている栽培師たちのお陰なんです」


「…栽培師?」


「土を耕して種をまいたり、雑草を抜いたり、水をあげたりなど…。温室で育てられている食物と植物のお世話をしてくれている人たちのことです。このお城には3人の栽培師が雇われており、交代で温室を管理しているんです」


「そんな人たちが…」


 意味合い的には、農家さんみたいなものなんだろうな。

 どんな人たちか想像はつかないけど、いつか会ってみたいな……。



 そんなことを思いながら、次の花に目を移した。



【カンナ】

 全般的な花言葉は『情熱』、『快活』、『永遠』、『妄想』

 しかし色によって花言葉が変わる。

 赤いカンナの花言葉は『堅実な末路』、『堅実な最期』

 黄色のカンナの花言葉は『永続き』、『永遠』



【バーベナ】

 赤いバーベナの花言葉は『団結』

 白いバーベナの花言葉は『私のために祈ってください』

 ピンクのバーベナの花言葉は『家族の和合』

 紫のバーベナの花言葉は『私はあなたに同情します』



【ナスタチウム】

 赤いナスタチウムの花言葉は『愛国心』、『勝利』、『困難に打ち克つ』

 黄色のナスタチウムの花言葉は『光の導き』

 オレンジ色のナスタチウムの花言葉は『有能な人』



【ストケシア】

 花言葉は『追想』、『追憶』、『清楚な娘』、『清らかな乙女』

 白、黄、ピンク、赤、青、紫色がある。



【ユリ】

 白色のユリの花言葉は『純潔』、『威厳』

 赤、ピンク色のユリの花言葉は『虚栄心』

 黄色のユリの花言葉は『偽り』、『陽気』

 オレンジ色のユリの花言葉は『華麗』、『愉快』、『軽率』



【バラ】

 赤いバラの花言葉は『愛情』、『あなたを愛しています』

 ピンクのバラの花言葉は『上品』、『かわいい人』

 白いバラの花言葉は『純潔』、『心からの尊敬』、「私はあなたにふさわしい』

 青いバラの花言葉は『奇跡』、『夢かなう』

 黄色いバラの花言葉は『友情』、『誇り』、『尊敬』

 オレンジ色のバラの花言葉は『絆』、『信頼』

 また、バラは本数ごとにも花言葉が存在している。



 最後のバラを見終わった私は、ジェシカさんの方を振り向いた。


「楽しんでいただけているようで良かったです」


 私の顔を見たジェシカさんは嬉しそうに表情を緩ませた。

 凄く楽しいけど、まだ何も言っていないのに……。

 そんなに楽しそうな顔をしていたんだろうか?



「では続いて薬草の花壇に行きましょう。薬草は花よりも種類が多く、20種類あります。食物と同じでこちらにある花や薬草がすべてではないので、ご了承ください」


「いえ、こんな数だけ見せていただいているだけで、ありがたいです」


 そんな会話をしながら、私とジェシカさんは奥にある花壇に来た。



「主に薬草はポーションの材料として用いられるものが多いですが、料理のなどに使われる薬草もあります。薬草については大まかに口でご説明してもよろしいでしょうか?」


「あ、はい。お願います」


 中腰になっている時間が長かったため、腰が痛くなってきていたので正直助かった…。


「ではまずはこちらのオリーブとワコウボク。オリーブは、料理用の油として使われることが多いです。ワコウボクの葉は良い香りがするため、こちらも料理に多く使用されておりますが、樹皮は腹痛、消化不良などに効果があります」


 オリーブは聞いたことがあったけど、背の高いワコウボクという名前は初めて聞いたな。

 ジェシカさんもさっき言っていたけど、料理に使用される薬草なんてあるんだ…。

 薬草なんて、名前からして薬にしか使えないものだと思っていたな……。


「残りの18種類は全てポーションの材料として使われます。止血作用のあるオトギリソウ、ガマ。またガマは火傷にも効果があり、その時はそのまま塗布することが多いです。吐血、鎮痛、解毒、解熱に効果があるマンリョウ、ホソバタイセイ、ヤブコウジ。頭痛、咳などに効果のあるチチコグサ。腫れなどに効果のあるキリ。しかし、葉や花にはそのまま触っても大丈夫なのですが、体内にいれると有毒になるため、ポーションとして入れなければ危険なものになっております。そして腹痛に効果があるオオミラ。喘息に効果があるヒヨス。殺菌作用があるドクダミ。吐き気止めの効果があるハス。そして、傷に効果のあすインドジャボク、エノキグサ、キハダ、サンショウ、ヒメフクロウ、セキショウ、ヒメハギとなっております」


 何も見ずに、スラスラと話し終えたジェシカさんに驚いた。

 20種類もある薬草の名前と効能を覚えているんだ……。

 長年お城に勤めているからと言っても、凄いとしか言いようがない。


 花同様、薬草になんてさらに触れ合う機会なんて無かった私にとっては、ほぼ全てが初めて聞く名前だった。

 それに、この世界にはここにある以上の薬草があるんだよね……。


「一気に喋ってしまい申し訳ありません。何かご不明な点などはございましたか?」


「いえ、分かりやすい説明でした。ありがとうございました」


「そうですか…。では、もう夕暮れなのでお部屋へ戻りましょうか」


 ジェシカさんの言葉に、温室の中から外を見れば、空がオレンジ色に染まっていた。

 え?もうそんな時間!?

 確かここには、お昼を食べてから来たから、およそ半日は温室で過ごしてしまったことになる。

 異世界に来てから初めて、流れる時間の早さを感じた瞬間だった

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ