【虐げられた令嬢は死に場所を見つけた】無能故に家族と使用人達に[あれ]と呼ばれた令嬢のお話
「フフフフ~~~ン♪遅い。遅いよー」
「化け物が来たぞ。殺せ、殺せ!」
「隊列を組め、我らは、ウワー、腕がよじれる」
「ファイヤーボール!!き、効かねえ、軌道が、熱い、跳ね返ってきやがった、誰か水――」
「弓を射ろ。号令に合わせて一斉射撃だ。1・2・3、それ」
「弓矢が空中で止まっているぞ。落ちた」
「ねえ、だから遅いって言ってるよね。皆、死んじゃえ!そりゃーフフフフ~~ン」
「ウワー城壁が崩れた、登っていた弓矢兵は全滅しました」
「領主様、兵の2/3が戦死、部隊として機能しません。避難して下さい!」
・・何故だ。何故こうなった。あ、あいつは
「あいつ、無能では無かったのかよ!」
☆☆☆10年前
「無能・・・そんな我の娘が無能なんて・・」
「妻よ。まだ、お前を離縁しないぞ。今いるお腹の子の結果次第だ。司祭殿、本当に無能か?」
「ええ、ご領主様、3回行いました。残念ながら、どの精霊様からも加護を受けつけませんでした」
「父様、母様、ねえ、私はどの精霊様のご加護を受けたの?」
「「黙れ、今日からお前は我々の娘ではない」」
「え、ドナ、私のお部屋・・お人形と絵本は・・」
「今日からそんなものはないよ!階段の下で寝な。それと呼び捨てはやめろ。今日からドナ様だ」
パチンと少女を叩くのは、今日の朝まで、「お嬢様、今日はおめかししていきましょうね」と優しかった彼女の専属メイドだ。
この領で行われる5歳の時に行われる精霊おろしの儀、領主の娘は、「無能」の鑑定の結果を受けた。
今まで住んでいた部屋を追われ、オモチャを取り上げられ、学習する機会を奪われた。
今まで、お嬢様と呼んでいた者までもが無能と蔑む。
「そら、エサだ。テーブル、イス?無能にそんなものはない。床で食べな」
「ウワ~~~ン、ウェーーーン」
「泣いたから今日のエサは無し!」
☆5年前
「妻よ。でかした。双子で長女には上級精霊様の火の加護が付くとは、長男は上級精霊様の水の加護、離縁しないで正解であったぞ」
「ええ、旦那様、やはり、[あれ]は何かの間違いでしたのね」
半年前
「ねえ、何です?お庭で草を食べている人がいますわ」
「ああ、[あれ]ですわ。口に出すのもはばかれる[あれ]ですわ。1日中、ご飯、ご飯とうるさいのよ。おい、これやるから、あっちにお行き、それよりも皆様、ドレスのお話をしましょう」
庭の芝生の上に無作法に投げ捨てられたマフィンを、浮浪者のような少女が拾おうとした。
「ご・・はん。ごはん。キャー、いたい、いたい!」
「姉上、あれに食べ物をあげてはいけません。ウォーターカッターで軽く懲らしめてあげました」
「ふふふふ、私の魔法だと火事になっちゃうでしょ?」
「「キャー可愛い弟様ね。立派ね」」
「いたい、いたい、いたい、血が止まらない、お薬になる草、草」
☆森の中
「おくすり、おくすり、おくすり!」
ガサ、少女の前に、20代前半の女冒険者が現れた。
「ちょっと、貴方、血が出ているじゃない。こっちにおいで」
「うーーー、うーーーー」
「え、もしかして、怖がっている?う~ん。かなり痩せているようだし・・逃げてきた贄の子かな。ほら、パンあるよ。それにお水もあるから、お姉さんに治療させて、私の為だよ。治療の腕を上げたいのよ。ねっ」
「ほら、食べながらで良いから、腕を出して」
「わたしに優しくすると、無能うつるよ」
「そんな事、言ったらダメよ。ほら、治療終わった。少し、お話しない?干し肉もあるよ」
少女は拙いながらも、今までの事を話した。
「え、15歳、10歳くらいだと思ったよ。ねえ、私はこの領地の外から来た冒険者なの。一緒に来ない?見張りでもしてくれれば充分助かるから」
ブンブン「いい、あなたに迷惑が掛かる」
「ふ~ん。いきなりじゃ難しいか。なら、時々、ここでお話しない。一緒にお食事しようよ。毎日は来られない。私が来た時は、目印にここの木にスカーフを巻くからね。良いでしょう」
コクコク「それなら・・」
「ダメよ。手づかみじゃだめ。出来ないのは貴方のせいじゃないけど、スプーンとフォーク使いなよ。教えてあげるから、ゆっくりでいいよ。
あれ、スプーンが曲がった。何故?」
「ごめんなさい」
「いいのよ。いっぱいあるから、理由を知りたいの」
「うん?分らない。ときどき、ものを空中に浮かばせたり、金属を曲げたり出来る・・精霊様の魔法ではないから、隠している」
「じゃ、今度は木のスプーンとフォークを持って来るわ。その力、もったいないよー練習しよう」
「うん。お姉さんが言うのなら」
☆
「何だ、[あれ]最近肉付きいいじゃないか?」
「旦那様、後を付けますか?」
「ああ、そうしろ」
(フフフフ~~~ン、あ、スカーフある。お姉さんが来てる。あの力、大分使えるようになった。今日は、どんなお話をしよう。何を教えてもらおう。計算も出来るようになった。褒めてくれるかな)
「!!!!」
「おい、無能、褒めてやる。中々良い味だったぞ。お前に冒険者のメス犬を引き寄せる才能があったなんてな」
「旦那様には、追い払ったと口裏合わせろ」
「ほら、褒美だ。パンをやるぞ、女見つけたら、今度は、俺たちに直接報告しろ」
少女の足下には、今、投げ捨てられたパンと、女冒険者の無残な遺体があった。
「装備を山分けするぞ、お前はもう良いから、あっちいけ、おい、無能のくせに泣いやがるぞ」
「「ハハハハハハハ」」
(こいつら人間じゃ無い。お姉さん、お姉さん、お姉さん。お姉さん
優しかったお姉さん
叱ってくれたお姉さん
一緒に泣いてくれたお姉さん
勉強を教えてくれたお姉さん
お話をしてくれたお姉さん
私、迷惑掛けた。何が悪かった。お姉さん。お姉さん。お姉さん。お姉さん・・・・・・)
【・・・・・プツン・・・・】
「な、なんだ。死体が浮いてやがる」
「土が掘り起こされてるぞ!」
「お姉さんに汚い手で触るなーーー」
「無能、お前がやったのか?お、ぐわ、腕が、腕が、ギャーーー体がちぎれる」
「無能のくせに、旦那様に報告だ。ウワー宙に浮いたぞ、やめろ、高い、ゆっくり降ろせ、うわー、更に上げるな。降ろせ、屋敷まで見える。降せ、降ろして下さいー」
無能と呼ばれた少女は、力で、ゆっくりとお姉さんの遺体を、掘り起こした穴に入れた。
まるで、普通の少女が花を摘むように、力を使わずに、丁寧に花を摘み。お姉さんの墓穴に手向け埋葬した。
そして、目印のスカーフを首に巻き、心の中で
(フフフフ~~~ン、お姉さん。天国に行ってね。天国で、敵討ちを見てね)
と呟いた。
☆回想
「リスちゃんの死体がある・・埋めてあげる。えい」
「あ、ダメよ。力を使ってもいいけど、土を被せる前に、こうして、お花で埋めてあげれば天国に行けるのよ。一緒にお花を摘もう」「はい、お姉さん」
__________________________
「なあ、降ろして下さい。降ろして下さい。もう無能と呼ばないから、旦那様の前で披露すれば令嬢に復帰できるぞ、俺が証人になるぞ。旦那様から、褒めてもらえるぞーーーーーお聞こえになってますか?」
「うん。薄汚い声が聞こえているよ。後で耳を洗わなくちゃいけない。フフフフフ~~~ン。
お前は花火になるの。小さいころ見た花火はこうだったかな?えい」
バンと男の体が空中で弾けた。
☆
「まあ、何ですの?空で赤い。キャーーー、肉片?」
「姉上、僕が見て来ます。姉上は、ご友人達をお守り下さい」
「さすが、次期当主ね。ドナ、父上に報告して、兵を弟の後に急行させるのよ」
「皆様は、私と共に屋敷で弟の武勲の報告を一緒に待ちましょう」
「「はい」」
「畏まりました。お嬢様」
☆
「遅いわね。私、見てくるわ」
「見て、お嬢様、弟様がご帰還になりましたわ!」
「「キャー、さすが、次期当主様ねー」」
「お帰り、賊だったの?それとも冒険者という悪者?・・貴方、顔色悪いわよ。まあ、口から血を流して」
弟の体はカクカク動いて、後ろから、少女の声色で、
「お姉ちゃん。僕は無能に負けた無能以下ですぅ。だから兵と一緒に死んでしまいましたとさ。お姉さんの魔法はノロイです。だから死にます。一緒に地獄にいきましょう♪フフフフ~~~~ン」
と聞こえた。
「死霊使い!何と悪趣味な。くらえ、ファイヤー・・ギャー腕がねじれた」
弟の死体が、急に力が抜けたように、地に落ちた後ろにはこの屋敷の者から[あれ]と呼ばれていた少女が現れた。
「フフフフ~~~ン、兵隊達で試したけど、何でかな~?魔法使いは利き腕をもぐと、魔法使えなくなるね~♪」
「ハア、ハア、お前、散々屋敷の者に世話になっておいて、恩知らずの無能、ギャアア、左腕が」
「フフフフフ~~~ン、そう、だから恩返しするよ。無能に殺されるお前は存在価値ないね~~恥ずかしくて生きて行けないのよね。恩返しで殺してあげるね♪」
「ハア、ハア、ねえ、知っている?私はお前の、いや、貴方の妹ですのよ。お姉様、お茶会に参加したかったでしょう。今度、仲間に入れてあげる」
「え~と、体温を上げると燃えるかな?」
「ギャーーーーーー」
「お嬢様、おめでとう御座います。精霊様のご加護が付いて、使用人一同嬉しいです、お嬢様にお仕えします」
「このドナ、信じておりました!私の愛のムチのおかげでここまで成長なさるとは感涙に耐えません。どうか、この私をお嬢様の側使えに復帰させて下さいませ!」
「お前達、私の名は?」
「「「・・・・・[あれ]何でしたっけ。我ら一同に教えて下さい」」」
「最初で最後の命令よ。死になさい♪」
パチンと指ならすと、使用人の体がねじれた。
「「「ギャアアアアアアアアアア」」」
「「「私たちは貴方の味方よ。あの姉弟、嫌いだったの。ひどいって何回も注意したのよ。今度一緒にお茶会しましょう!いっぱいお菓子を食べましょう」」」
「そう、お菓子沢山食べられるように、お口を大きくしてあげる♪」
トンと軽く床を踏むと、妹の友人達の口が裂けた
「「「ギャアアアアアアアア口が裂ける!」」」
(何だ、何だ。全く会話が成り立たない。懐柔も出来ない)
「妻よ、逃げるぞ。騎士団の砦で対策とるぞ」
「ええ、旦那様」
少女の両親は、裏口からこっそり逃げた。
もう、この屋敷には少女しかいない。
☆☆☆騎士団駐屯地
「フフフフ~~~ン♪遅い。遅いよー」
「化け物が来たぞ。殺せ、殺せ!」
「隊列を組め、我らは、ウワー、腕がよじれる」
「ファイヤーボール!!き、効かねえ、軌道が、熱い、跳ね返ってきやがった、誰か水――」
「あいつ、無能では無かったのかよ!」
騎士団駐屯地を襲う少女を、双眼鏡で覗いている別の少女がいた。
この世界では珍しい黒目黒髪の特徴を持つ。
(領外に出たら、多数の被害が出るわね。止めなくてはいけない・・攻撃射程は・・150メートル?安全を・・考えて・・200メートルってとこね
私の攻撃手段は・・300メートル、いえ・・400メートルはいける。勝った。だけど・・だけど・・あれは・・敵じゃない・・私だ)
☆☆☆今日の午前中、隣の領地、冒険者ギルド、依頼人応接室
「良く来て頂きました。もう、貴方に頼る他はありません。領軍が相手なのですからS級の貴女しか頼れません。ええ、私は精霊教徒ですが、穏健派です。[女神の使徒]の二つ名を持つ貴方様にも敬意を払えます」
「問題の領ですが、奴らは、精霊教徒を名乗っていますが、間違いです。心外です。これをご覧下さい。勇者の母国では・・何と言いますか?」
司祭が、あの領地で信仰されている精霊像を見せる。
「・・悪魔・・ね」
転生者が持ち込む知識は善いものだけではない。この世界では、概念が実像化する魔法があるから厄介なのね・・
「既に、冒険者を斥候で出しています。報告書はこれを、屋敷付近で、被害者と思われる少女を発見。保護しようと申し出たところ、断られ、不思議な力を持っている事が判明したそうです・・・・しかし、今日の定時連絡がありません。もしかして・・」
「急行した方が・・いいわね・・それ・・超能力・・ね」
「奴らにさらわれた生け贄の子供は、彼女の働きにより、騎士団駐屯地に監禁されている事が判明しました。どうか、被害者の救出と、奴らが精霊教を隠れ蓑にしている事に対して、精霊罰をお与え下さい」
「分ったわ。精霊教の司祭様・・」
☆☆☆
「フフフフ~~~ン。まだ、生きている人はいるかな?出てきなさい。んう?」
黒目黒髪の少女が一人、少女の前に姿を現した。
「フフフ~~ン。貴方は、誰?いいや、死んじゃえ」
(やっぱり、射程は150メートル・・)
無能と呼ばれた少女は冒険者を超能力で細切れにしようとしたが・・・
「あ、あれ、あれれ、効かない。死んじゃえ!死んじゃえ!」
「ねえ・・貴方の力は・・超能力というの、制御しないと・・とても危険」
「私はもう無能じゃない。ちゃんと殺せるよ!お姉さんの仇だ。死ね!死ね!死ね!」
距離が縮まる。
少女は力で、細切れにしよう。体温を上げて燃やす。空に浮かべて落とす。岩をぶつける、右手をねじろうとあらゆる方法を試したが、効果無く。
目の前まで、来た。
沈黙が支配した。
「ああ、これ・・身体強化魔法・・・貴方、スゴイわ・・騎士団長クラスでないと耐えられない強さね・・自信を持ちなさい。ねえ、・・魔法を解くから、私・・とお話しない?」
黒髪黒目の少女の体から、青い光が消えた。
「ウワ~~~~ン、グスン、グスン」
少女は初めて、お姉さん以外の人に体を預けて、泣いた。
・・・・こんなに小さいのに、とてもつらい目にあったのね。
「ねえ、私と・・一緒に・・冒険者やらない。貴方と私・・とっても似て・・る」
「いい、私は、もう心がちぎれている。お姉さんのところに行きたい。殺して!」
「そ、その気持ち分るわ・・だけど、もう少しだけ、生きて・・みない・死に場所を・・教えてあげる・それでも・・駄目なら・・私が・・責任を持って殺してあげる・・よ」
「うん、グスン、グスン」
「少しだけ・・お眠り。スリープ」
さてと、さっきから視線を感じる。地下ね。
近くの地面から、扉が開いた。
「遅かったな。しかし、でかしたー化け物を眠らせてくれて礼を言う。今すぐ、その化け物を殺すのだ!」
「旦那様、私は年齢的にもう子供を産めません。この化け物よりも強い女を側室にして、その子を私の養子にさせて下さい!」
「そうだ。良いことを言う。精霊王ルシファー様のご加護を受ける子供を産んでもらおう」
・・・会話が成り立ちそうにない人種ね。
「被害者はその扉の中・・ね。ねえ、貴方たち、死ぬよりもきつい目に遭わせてあげる」
「「え、何を言っている!?」」
「子供達の代わりに・・・貴方達が・・牢に入りなさい・・・でないと四肢を切断する・・魔物の森に・・放置する」
一月後、牢の中で、ネズミを生のまま食べ。泥水を啜って何とか生き延びた旧領主夫妻は、隣の領軍に捕らえられた。
隣の領主は、被害者の遺族限定で、希望者を臨時拷問執行人として雇い、一週間の期間をかけて、取り調べの拷問を行い、死の直前で、低級ポーションを掛け、また、拷問を続けた。
尚、領主夫妻を助ける精霊は顕現しなかった。
領主夫妻は、最期まで、[あれ]のせいだと叫び続けたと記録にある。
そして、貴族であるが、縛り首をされ、旧領地に晒された。
領地には精霊教司祭が赴任し、村人に布教を続けたが、女神教、ドワーフの酒神教、エルフの森神教等には敬意を払い。唯一、悪魔教を保持する者に対しては、厳しく誤りを指摘続けた。
☆☆☆聖王国
私は、フラン。森で会った親切な女冒険者の名前とスカーフをもらった。
私は沢山人を殺した。もう、天国には行けない。
だから、お姉さんに会う事もない。同じ名前でも困ることはない。
今日も祈る。しかし、女神様の声は聞こえない。
あの後、私は女神教の修道院に入った。砦で出会ったとても強い冒険者さんの提案だ。
彼女は、騎士様と転移者の間に出来た子で、勇者級と評されるS級冒険者、教会での通り名が女神の使徒だったと後に知った。
私の生物学上の親が付けた名はリリム。
女神の使徒様の母の母国、勇者の国ではあまり良くない名だと彼女から聞き。改名した。
超能力ははとても危険だ。感情の起伏で、人を簡単に殺してしまうかもしれないからだ。
だから私はここで一人、一生祈って過ごすしかないと思っている。
死に場所は、まだ見つからない。女神の使徒様は、どうしても駄目なら、責任を持って私を殺してくれると言ってくれた、それもいいだろう。
お祈りが終わると、後ろに人がいた。
「シスター、スカーフのフラン。貴方の力が必要よ。来なさい」
「ロザリー副行政官様、私は・・・殺しだったら嫌・・私が死ぬ」
ロザリー様は、何かと私に構う。怖くないのだろうか?
「私は、[来なさい]と言ったわよね」
「はい」
「!!!ここは?」
「あの事件で、地下に監禁されていた子供達よ。どのシスターが接しても、心を閉ざしたままなのよ。どう?貴方、面倒を見て・・あら」
フランはロザリーの言葉が終わる前に、体育座りをしている子供の側に座った。
話しかけない。
「フフフ。やっぱり、女神の使徒様が、見込んだお方ね」
数日後・・・
「ねえ、お姉ちゃん。僕達が汚くないの?汚いのがうつるよ。悪魔って悪い精霊の祭壇に捧げられる予定だった。村に帰ったら、汚いと石を投げられた」
「そんな事、言ったらダメよ。一緒にいよう」
「う・・うん。グスン、あのね。僕達は・・」
フランはじっくり話を聞いて、最後、子供達を一人一人抱きしめた。
この子達は私だ。今、やっと分った。女神の使徒様が何故、私をここに連れてきたか。
それに・・お姉さんの言葉は、私の体の中で生きている。
私の死に場所はここだ!
また、その後、彼女は力を、イリュージョンに使う事を思いつき。子供達だけではなく、大人達も大いに楽しませた。
スカーフのフランと呼ばれ慕われた女神教のシスターは。心の傷を負った子供達を生涯に渡って面倒を見続けていたと伝えられている。
最後までお読み頂き有難うございました。
もし、お気に召したのなら、評価をお願いします。