災い 2017年スウェーデン
災い 2017年スウェーデン
一週間のキャンプへとやって来た十二歳のエルビラ。そこで同い年のルームメイト、メヤとベアと出会う。当初割り振られた部屋は水道の故障で使えず、三人は 213 号室へ。キャンプを楽しむ彼女たちに不可解な出来事が起こり始める。
スウェーデン制作の映画。邦題からホラー映画のように感じるが、実際はホラー風味のジュブナイル映画。何故ホラー風味にしたのかは最後まで分からなかった。
ジュブナイル映画としては王道の構成。何かの行事らしきキャンプで訪れた寄宿舎が舞台。初対面の少女達の出会いから友情、仲違いからの仲直り。そこに恋が絡んできて、万人が考える青春の一ページ。奇をてらうこと無く丁寧に作られていて、素直に楽しめる。
楽しめるのだが、何故か怪異が。エルビラの指輪が失くなる、メヤのカメラが失くなる、ベアのペンが失くなる。いや、やってることがショボいな、幽霊。後は偶にチラ見せしてくる程度で、幽霊騒ぎは三人の中で完結してしまっている。そのため本編にはほとんど関係なく、三人の関係に刺激を与えるに留まっている。幽霊、もっと頑張れよ。
邦題からホラー映画だと思って観始めたので最初は少し面食らったが、ジュブナイル映画としては丁寧な作りで、最後まで安心して鑑賞できる。幽霊の必然性は疑問だが、そこが本作のオリジナリティかな、という程度。諸悪の根源は邦題をつけた配給会社だろう。