祟り蛇ナーク 2019年タイ
祟り蛇ナーク 2019年タイ
二十五歳になるノーンは厄年を迎える。仕事はクビになり、乗ったバスは事故に合う。たまたま乗り合わせた友人三人の内の一人は、その事故で死亡してしまう。あまりの運の悪さを心配した父親に出家を勧められる。最初は拒否していたノーンだが、通りがかった僧侶に諭されて出家を決意。友人と連れ立って寺へ出家に向かうのだが……。
タイのホラーコメディ。王道の、お手本のようなホラーシーンから映画が始まるが、すぐにコメディパートに突入。ハイテンションな掛け合いになる。友人のキャラクターがなかなか強烈だ。二人共がゲイという設定はお国柄だろうか。幽霊を見てはキャーキャー騒ぎ、イケメンを見てはキャーキャー騒ぐ。一歩引いたような主人公の代わりに、パワフルに話を引っ掻き回していく。
タイの幽霊は自重しないのも面白い。コメディ主体の映画だからかもしれないが、遠慮なしにがんがん怪異が起こっていく。日本のホラーのように違和感を積み重ねていく様なことはしない。
この映画を観ていると、タイと日本の宗教観の違いがよく分かる。日本では仏教が身近にあるという人は少ないのではなかろうか。出家する、と言うとかなり奇異にうつる。しかし、タイでは仏教が生活に根ざしている。出家が立派に選択肢の一つとなっているようだ。
中盤だれてくるところもあるが、総じて楽しく鑑賞できた。登場人物たちの家族との関わりも、思わずホロリとさせられる。そして最後はお約束。よくツボを押さえている。