最高の誕生日プレゼント
腕に抱きつく神倉さんを放置して、俺は、諸々のステータス等を確認していた。
・ステータスの限界を越えし者・・・成長率10倍
・折り紙・折り紙の神の加護・・・ステータス+1.5倍
・折り紙・万物変化・・・物理法則を無視して折り紙をあらゆる物に変化させる。強度も変更可能
・折り紙・空中作成・・・物理法則を無視して空中で折り紙をあらゆる物に変化させる。強度も変更可能
・神眼・・・相手に気付かれずに鑑定ができる。また、能力の詳細も鑑定できる。
「気になるのは、これくらいかな。ちょっと外にでよう。"アレ„を作っておかないと。明日はアイツの誕生日だし。」
俺はそこで、神倉さんがいるのを思い出す。
(ちょっとこの人邪魔だなぁ。しかも寝ている。・・・幸せそうに寝ている神倉さんを起こすか。)
「おーい。起きてくれ~。・・・起きろ~。・・・おい。さっさと・・・」
俺は口を、神倉さんの耳元に近付けて怒声でこう叫ぶ。
「起きろおおおおぉぉぉぉ!!!!」
「わわわわわ起きます、起きますから~」
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神倉side
白霧君が出ていって部屋に居るのは私だけ。
「はぁ、怒られちゃった。嫌われてないかな?」
私は白霧君が好きだ。中学3年生で初めて出会った時に心を奪われた。初めて出会った時は、それが恋だとは知らなかったけど、前に1度白霧君が大怪我を負って学校を休んだ時、私は心配で心配でいてもたっても居られなくなった。
私は、白霧君と話したかった。ずっと一緒に居たかった。他の女の子が「白霧君の病室に行く」と言ったとき、私は嫌と思った。初めて感じた嫉妬の心でやっと理解した。
ーそっか、私は白霧君に恋してたんだ、と。
その後、2週間経って白霧君の怪我が治ったけど、その日は会わなかった。理由は、白霧君が好きだと理解した途端急に人前で会って話をするのが恥ずかしくなったから。
「もしかしたら他の女の子に会いに行くの!?」
私は、過去に耽るのをやめた。そして急いで【魔力感知】を使って白霧君を探した。さっきまで一緒に居たから魔力の波長は覚えている。すると、庭に居たから急いで向かう。でも1人だった。私の思い違いだったのかな?
「おーい、神倉さん。そこに居るんだろ。」
「よくわかったね。」
「神倉さん、誕生日って明日だよね?」
「?うん。」
うなずいた。白霧君は「オーケー」と言って、小さな箱を渡してきた。
「これは?」
なかには、氷の薔薇の髪飾りだった。
「え?」
「一日早い誕生日プレゼント。それは、千年氷の髪飾り。溶けなくて、冷たくない氷を使ってある。でもあともうひとつある。」
「なに?」
「俺1人で出来ることなら何でもする権利を1回分」
「え?」
そう言われて涙が出てきた。何に使うかは決まっている。大好きな白霧君と付き合うこと。
「今すぐ使う。内容は私と、付き合うこと。」
「・・・分かった。良いよ。」
「え?・・・あっ・・・・・・うん!分かった。素敵で最高な誕生日プレゼントをありがとう!」
「どういたしまして。柑奈」
その瞬間、白霧君は私を抱きしめてくれた。しかも名前で呼んでくれた。私は、自分の感情が高ぶるのを感じた。好きな人の肌の温かさを肌で感じられる。そして、こっちも名前で呼ぶ。
「・・・ありがとう。達斗」
「さっきも同じ事言ってたじゃん。・・・まあ、悪い気分ではないが」
その後、手を繋いで一緒に戻った。大好きな達斗と単に一緒にいたかったから。でも、『私がこんなに幸せで良かったのだろうか』と考えると、涙が溢れてきた。そんな私を見て、達斗はもう一度抱きしめてくれた。私は直接聞いてみた。
「私が・・・こんなに幸せで・・・良いのかな?」
「・・・今幸せなら、後で不幸になる。そしてまた幸せになる。人生とはそういうものだ。だから、今幸せで十分に良いと俺は思う。」
「うん、ありがと。」
私を慰めてくれた。私を本当の私にしてくれる。そんな達斗が大好きだ。
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