元勇者たち/脱出後の再会
元勇者たち↓
「聖華さん、そして他の皆さんも。優羽達の要請で、助けにきました。白霧です。」
「白霧さん?私たちはもう勇者じゃないのに・・・どうしてですか?」
「え?・・・どういうことですか。」
そうして、残酷な話が始まった。
「まず、ここに居るのは勇者じゃないからです。そして、女神リリスは私たちを殺す予定です。そのために私たちの―」
「は?リリスは、あのクソ野郎リリスは俺の友達の兄妹を殺すってのか!?・・・すまん。カッとなった。続けてくれ。」
「う、うん。―で、そのために私たちの職業を勇者から冒険者に強制的に変更して、ここに放り込みました。
不幸中の幸いなのは、勇者の時の装備が扱えてステータスやスキルがそのままだったことです。その力で、私たちはここまでこれましたが、五人の犠牲も出ました。」
「その五人はどこだ?ここに集めて欲しい。」
「?は、はい。分かりました。『みんな、例の・・五人を私の元に集めて。』・・・これで大丈夫です。」
「分かった。」
そして五分後、死んだ五人を四人が持ってきた。行うのは、死者蘇生だ。
「じゃあ、今からとあること・・・・・を行う。これは、クラスメイトには言って良いけど他の人には絶対に言うなよ。」
「「「「「分かった。」」」」」
全員が注意事項に頷く。じゃあ始めようか。
「行くぞ。職業変更ジョブチェンジ・・・完了。」
「な、何これ?」「美しくて、神々しい。」「て言うか職業って二つ貰えるのか?」「格好いい。」「・・・」
それぞれが俺を見て、驚きと興味と羨望せんぼうの呟きを漏らす。そして一人が恋に落ちた。
「そして、『蘇生開始』・・・終わった。蘇生は成功だ。」
全員の表情が明るくなる。そして、死んだはずの一人の手がピクッと動き、目を開ける。
「あれ?どうして動けるんだ?死んだはずじゃ・・・」
「俺が蘇らせた。蘇生魔法で。」
「へぇ・・・達斗さんが・・・えぇ!?そ、蘇生魔法って!?」
「「失われた・・・魔法!?」」
いつの間にか起きていた二人が話を聞いて驚く。
「ま、まぁ落ち着いて。」
そして俺は、蘇生した全員を落ち着かせて、脱出を目指す。
脱出後の再会↓
「ルートは、転移か徒歩。どっちがいい?」
「「「「「「「「「「・・・転移で。」」」」」」」」」」
「りょ、了解。『交換勇者の基地の折り紙』」
そして俺たち十一人は、転移(交換)で外に出た。そして優羽達カンナ達を呼んだ。
「優羽!いるか?」
「達斗?もう帰って来たのか?随分早いな。・・・あれ?折り紙がない・・・ってまさか!?」
「多分そのまさか。折り紙の位置と俺たちの位置を交換して戻ってきた。」
「・・・はぁ。もうお前はなんでもできる感じ・・だな。」
俺は優羽に呆れられた。なんで?またなんかやらかしたの、俺。
―そう考えていると俺の好きな三人がやってきた。不機嫌そうになって。そしてカンナが口を開く。
「いきなりだけどタツト君。なんで聖華ちゃんがくっ付いてるの?まさか!?また増やすつもり!?」
「え!?んな訳ねーだろ。」
そう言うと、聖華が膝から崩れ落ちる音が聞こえた。正直、聞きたくなかった呟きと共に。
「そう、ですよね。たかが私如きが出しゃばっちゃダメですよね・・・。当然ですよね〜。達斗さんが私に振り向くはず、ないですよね。・・・今すっごく虚しいんですが、どうすれば良いですか?ねぇ誰か教えてください!どうすれば良いですか?教えてください!!」
「ヤバいな。これじゃあ交渉は無理だな。」
「言い過ぎだよタツト君。心が根っこから折れちゃってるじゃない。全部タツト君のせいだからね!」
んな理不尽な・・・。俺はカンナを落ち着かせようとしただけだぞ?なんで聖華が膝から崩れ落ちる?。
「お前もだろカンナ。勝手に一人で妄想を加速させたじゃないか。」
「うぐっ・・・。そ、それは・・・」
そう言ってカンナは、俺を引き寄せて耳元で囁いた。
「・・・一緒に寝れる日が減っちゃうからよ。バカ。」
赤い顔で、美しい純白のドレスを着こなすカンナが囁くのは破壊力がすごい。思わず俺は見入っていた。
「・・・美しい。そしてとても魅力的で優雅だ。」
「ふぇ!?た、タツト君!?」
「お前ら、人目を気にしろ!」
「すまん。でもカンナが綺麗過ぎるのが悪い。」「ごめんなさい、でもタツト君が格好良過ぎるのが悪い。」
「お前らは・・・歯止めを効かせろよ。」
「善処する・・・。」「分かったわ。気を付ける。」
こうして全員が揃ったのである(特に深い意味はない)。
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