ギルドのテンプレ
今回も短めです。すいません。
冒険者の街・フェルーンに入って最初にしたいことは、ギルド登録だった。二人に伝えて許可が降りたのでとりあえず、『ナビゲーション』を使って向かった。そして、ギルド登録をお願いする。
「こんにちは。当ギルドの利用は初めてですか?」
「はい。」
「では、冒険者登録をしますので、少々お待ちください。」
「わかりました。」
受付嬢らしき人物に少し待つよう言われたので、近くの席に座ることにした。すると、異世界作品でよくある冒険者ギルドの先輩冒険者に絡まれる事態が発生した。
「おいテメェ。そこの女共を貸せよ。」
突然現れた男性に、大切な人を貸せと言われた。それは人を物扱いしたことになる。そしてそれが俺の〈大切〉だったから、俺の怒りが爆発的に高まった。だが怒りを外に出さないように、気を付けた。
「なんですか?いきなり現れていきなり俺の大切な人を貸せって・・・。そんなん許す訳ねぇ。」
チラッと隣を見ると、カンナとハナが感極まった表情を浮かべている。余程〈大切〉だと言われたことが嬉しかったのだろう。そんな二人に微笑みかけて、視線を前に戻す。
「んだと!ちょっと表出ろや!!」
「あ?」
そう言って、殺意をほんの少し纏わせる。それだけで、話しかけて来た奴以外のパーティメンバー(?)全員が倒れた。
そんな時に、カンナが空気を読まずに話しかけて来た。
「ねぇ、タツト。抱きしめて?」
「・・・え?まぁ・・・いいよ。」
そう言って、カンナを抱きしめる。いつもの温かさが、俺を落ち着かせる。俺は、カンナの頭を撫でて離れる。
「ありがとう。おかげで、落ち着いたよ。」
俺は、カンナにお礼を伝えて正面に向き合った。そして、例の男に話しかける。
「で、どうする?」
「もう戦意喪失している。済まなかった。」
「いえ、大丈夫です。こちらこそすいませんでした。」
そう言うと、向こうが手を出してくる。
「俺は、ガスだ。よろしく。」
「俺はタツトです。こちらこそ、よろしくお願いします。」
そう言って握手をする。こうして二重人格のガスが、冒険者仲間になった。
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