第6回、聖杯は無い
FXに聖杯は存在しません。これがFXトレードの常識です。
その手法ならば相場の状況に関係なく、確実に勝つことができる。そのような方法は存在しないのです。
俺は必勝法を見つけて勝ち続けているぜと言う人がいても、それは一時的なもので、いつかは破綻する。今は相場の波に乗っているだけで、波が変われば全く勝てなくなるでしょう。勝っている期間が長いか短いかの違いで、最終的には一つの手法に頼っていると損失が拡大することになると思います。
では、本当に必勝法は存在しないのでしょうか?
そうとも言えないこともあります。
ルーレットの必勝法にマーチンゲール法というものがあります。
これは5割の確率のゲームで、負けたら倍のチップベットし勝つまで連続して挑戦するというものです。
5回も連続して負けることは考えられないので、最後に勝てばそれまで損失を取り戻し、最初にベットした金額分を儲けることができる。ルーレットの赤や黒に賭けることや丁半博打などで有効になるかもしれません。
しかし、FXでは価格変動というものがあります。ルーレットのようにデジタル的にどちらかということではなく、アナログ的に利益が変わってきます。
だから最初の取引で、ストップとリミットを設定したら、その数値を勝つまで変えることができない。そういった縛りがあるので、相場の波を読んでストップを変えていくということが難しい。
また、連続して負けていけば損失が倍々と増えていく。10回も連続して負けることがあるかもしれない。そうなったら損失は最初の金額の500倍にもなってしまうでしょう。よほどのお金持ちでなければ無理な手法です。
また、別の手法としてノーガード戦法というものがあります。
為替レートは株式などと違って、極端に下がったり上がったりすることはない。例えば米ドルが10円になるようなことはないのです。もし、そうなったら世界は大恐慌になって破滅する。
それで、適当にエントリーしてストップは入れずに、そのポジションを利益が出るまで放置する。為替レートは年のスパンで上がったり下がったりしていますので、いつかは利益が出るはず。その状態で含み益が出るまで何年でも待つことができれば、いつかは勝つことができるでしょう。
まあ、どちらにしても資金が豊富でなければ不可能な手法です。
聖杯は存在しないと言いましたが、一時的な聖杯はあると思います。
期間限定で、その時だけ不思議と勝つことができる手法。FXトレーダーは、その期間限定の聖杯を相場から撤退するまで探していく運命なのかもしれません。