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「片付いたな」


 戦いが終わり、一息つくテオドールの前にシーマが現れた。


「ふ~、久々に暴れたな。お疲れ」


 テオドールが袖で額の汗を拭いながら、返答すると、シーマはドヤ顔で語り始める。


「勝負の結果だが、お前の方が六人多く倒している。知っての通り、私はこの奪った武器を背負いながら戦ってはいたが、負けは負けだ。素直に敗北を認めてやろう。お前の勝ちだ」


「いや、だから競ってねぇって!!」


 奪った剣やら斧やらの重そうな武器を、ずっと背負いながら戦っていたらしい。

 そして倒した賊の武器を奪うとか、もはやどちらが賊なのか分からなくなっていた。

「むしろ追い剥ぎか……?」とテオドールは頭の中で呟いた。



「助かったよテオ、相変わらず剣の腕も衰えてなさそうだな」


「まぁな」


 テオドールに気さくに話し掛けてきたのは近衛騎士の一人。

 貴族の生まれであるテオドールは、近衛騎士の中にも仲の良い知り合いが何人もいる。


「そちらの女性も魔術師なのに、身体能力凄いな……宮廷魔術師って皆んなそうなのか?」

「いや、アイツは規格外だから気にしないでくれ」


 テオドール達は会話で時間を潰しながら、森に入り込んでいる仲間の帰りを待った。



 **


「出てきたぞ」

「アルベルト小隊長!」


 程なくして、アルベルトとクリスティーナを先頭に、騎士達が森から出て来る。後ろにブルゴー侯爵の息がかかった騎士が抱えられているのを見るに、作戦は上手くいったようだ。


 そした最後に森から出て来たのは、手を繋いだルクセイア公爵夫妻。そんなシルヴィアの顔を見るなり、テオドールは目を瞬いた。


「何でアイツ、死んだ目してるんだ?」


 シルヴィアは未だ、自責の念に苛まれている最中だった。

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