表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
51/67

51

「レティシア様……!」


 レティシアはシルヴィアの目の前まで来ると、その身体に抱きついた。シルヴィアもレティシアの華奢な身体を抱きしめ返す。


「シルヴィア様……お会いしたかった……」

「私もですわ、レティシア様」


 レティシアは涙ぐみながら、縋るように腕に力を込める。二人の美しき少女の再会と抱擁は、まるで一枚の芸術的な絵画のようにすら見えてしまう。


 セティスが後ろで、眼福とでも言いたげな表情を浮かべながら、生暖かく見守りつつ「いいなぁ、羨ましい。でも、ありがとうございます」と呟いていたが、シルヴィアは気にしない事にした。


 この二人が仲良くなったきっかけは、以前レティシアがお茶会に向かう道中、グランヴェールの王城内にある階段を上っていた時だった。誰かの悪意の仕業か、はたまた事故かは不明のままだが、階段の上に差し掛かった際に、強い力が身体にぶつかる感覚があった。

 その瞬間、レティシアの身体が宙に投げ出されてしまった。

 お付きの侍女の悲鳴が上がる中、仕事中たまたま通りかかったシルヴィアが咄嗟に浮遊魔法で飛んでいき、レティシアを受け止め助ける事に成功した。


 姫のピンチに駆けつけ、助け出したシルヴィア。

 その事件がきっかけで、レティシアはシルヴィアに心酔に近い好意を持つようになった。


「まるで騎士様のようでしたわ」


 とシルヴィアに助けられた事を思い出しては、うっとりと羨望の眼差しになるレティシアを見て、流石のギルバートも「まるでシルヴィアに、恋しているみたいな眼差しだね」と苦笑いすることも。


 レティシアは単に、シルヴィアに助けられたから憧れているだけではない。同じ貴族令嬢でありながら、守られるだけではない、シルヴィアの強さや生き方を尊敬しているのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ