白うさぎとの出会い
ロビンとの出会いです、冷徹なアリスは何故ロビンと仲間になったのか書きました。
私は今、誰もいない小さな村の物置小屋の中でコートに身を包み壁に寄りかかって寝ていた。
「アリス...アリス...」
私の頭の中に、若い女の人の声がよぎってくる。
「うっ、いだっ」
頭にひどい激痛が走り、額に手をあてた。
この声が聞こえてくると、7年前、ハートの宮殿の死刑室、おおねぇの前でハートの王を殺し、王がつかっていた死刑用の大剣を奪って外におねぇを見捨てて逃げた時の記憶が蘇ってくる。
「はぁ、起きるか」
私は立って、横に立て掛けていた大剣を腰に括りつけ、ランプを持ち、出発の準備をした。
私は、ハートの女王に命を狙われながらも、ヤツを殺し女王の座を奪わなければならない、そしてハートの王を殺した私は『手配No.3女王アリス』その威名を付けられ、全ての人が私のことを怖がってしまう。
まっ、それでもいいんだけどな。
「よし、準備できた、行くか」
私はフードを被ってその小屋を後にし、広い荒地を歩いて他の村を目指した。
数時間経ち、まだ夜のはずなのにほとんどの家に明かりがついている村を見つけた。
「変だな、物音が一切してない」
私は仕方なくその村に入ると、前から腰を曲げてボロボロの服を着ていて杖をついている老人が近ずいてきたので足を止めた。
「お嬢さん、旅の方かな?」
「そうだ、すまないが少し食料と出来れば車や馬車を貸して欲しいのだが」
もちろん返す気はない。
「...」
老人は少し黙り、ついていた杖を地面から離して睨んできた。
私は状況を理解して、後ろに下がり腰の剣に手をかけた。老人は今、杖に剣を仕込んでいて私を殺そうしている。
「やめとけ、私は一般人でも攻撃してくるのなら殺す」
「手配No.3女王アリス、こんな有名人を殺したら女王はどんな報酬をくれるか楽しみだ」
老人はポケットから鈴を取り出し、揺らして不気味な音を出した。
「人を呼んでいるのか、家の明かりは襲わせる準備をされていたな」
家からゾロゾロと人が出てきて集まってきた。全員、斧や鎌などを持っている。
「馬車どころか食べ物ですら無い村、こうして、旅人を襲うしかないのだ」
「そうか、仕方ない、死んでろ」
私は大剣を抜き、老人を真っ二つに切り下ろすと周りにいる村人が怒りを表し、武器を力ずよく握った。
「長老を殺したぞ、この女、許せん」
私は周りのヤツを睨みつけて、大剣に付いた血を振りとって担いだ。
「おい、一人も逃げるなよ、ちゃんと全員ここで殺す、私は...アリスだ」
「死ねやァァ!」
一斉に村人が襲いかかってくる。
それから、ここに死体の山が出来るまでは時間がかからなかった。
「さすがに、ここまでするといい気分はしないな」
私はその場所から離れ、家などを探って少量の食べ物を探った。
すると馬小屋を見つけたので、馬を使いたく中を覗くと馬じゃない、傷だらけの使い魔白うさぎが鉄格子にロープで縛られていた。
「どちら様かな?黒コートのお方、こんな老うさぎになんと用ですか?」
うさぎは片目で私を見ると赤い目を向けて、耳を立てた。
私は馬小屋に入り、うさぎの目の前には立ち、フードをとって、傷をよく見た。
「お前、手配No.9老獣ロビンだろ、片目はどうした?」
ロビンは驚い顔をして、目を細め、耳を垂らす。
「まさか、ア、アリス、手配No.3女王アリスか、何故ここにいる?!」
「私の質問に答えろ、さもなけばここで殺す、他の村人のようにな」
私は大剣に手をかけて、睨んだ。
「聞いてた以上に、残酷な少女だ、村人を全員殺したのか、ハートの女王とも似たようなものだな...この目はここの人々に潰された、いた痛みつけたあとにハートの宮殿に差し出す予定だったらしいの、まぁ、ハートの女王に殺されるぐらいなら自分で死ぬけどな」
ロビンはフッと笑い、うつむいた。
「お前を差し出すための移動手段がこの村にはあるのか?どこにある?」
ロビンは顔を上げて、ニヤリと笑い、耳を立てる。
「殺した、殺したのだ、わたくしがこの村にあった馬車の馬を、わたくしを見た途端大きな声で鳴くからな、そのせいで村人に見つかったのだがな」
私はロビンに腹が立って、落ちていた包丁を拾い上げて目元に近づけた。
「余計なことをしたな、もう一つの目も潰して欲しいか!」
ロビンは同様をせず、赤い目を光らせて力ずよく、睨みつけてきた。
私はそれに驚き、手を震わせた。
「なんだ?所詮はまだまだ若いの、強くても覚悟を背負っている者を見るのは初めてのようだな」
「チッ、動くな、ロープを切ってやる」
私はロビンのロープを切り、包丁をロビンの足元の地面に刺し、手を差し出した。
「何のつもりかな?私は包丁を抜いて、アンタに攻撃をするかもしれぬぞ」
私は膝たちにになり、ロビンと目線を合わせて、袖を破いて、潰れた方の目に抑えた。
「お前は、今、私が殺した、そして生かした、お前の覚悟は圧倒された、これからは私の隣で命を使え」
私は初めて、本当の覚悟を見せられロビンを仲間にしたくなった。
ロビンは驚いた顔をして、フッと笑うと地面に跪いた。
「死ぬまで、使い魔としての役割を果たさないと思っていたが、長生きをするものだな、こんな主人に会えるなんて...この、ロビンあなた様の横で死ぬまでお供させていただきます」
私は、立ち上がり手を差し出した。
「よろしく頼む、ロビン、二人でハートの女王を殺し、私を女王にさせてくれよ」
「はい、アリス殿」
私はその村で手配No.9老獣ロビンを仲間にして、その村を出た。
これからもどんどん投稿して行きます、宜しくお願いします!