2神、神は蔑みー人は豚になる
信仰⋯⋯証拠がなくても確信を持つこと、またそれらを信じることを正当化する要因で、比喩的な用法として何らかの対象を絶対のものと信じて疑わないことを指す。
信仰の概念は神に対する人間の態度であって、神に対する従順と信頼がテーマとされ一般に畏怖より何らかの親和の気持ちが根源にあるとされる。
神に対する人間の信頼がテーマとされる?
じゃあ、今の俺の現状はなんだ?
神に信頼され鈴を集めろ?あまつさえ戦って勝ち取れ?
ゆえに思うのだ、バカなのか⁉⋯⋯と。
「神の事なら人にさせるより、同じ神にさせたらいいんじゃないのか?」
当然の疑問だと思う、人が神に信頼され戦えというのだ、それこそ人より同じ神のほうが神を従えることができたりしそうだが。
「神々は信仰を失って力が衰えたって言いましたよねっ?それにっ、信仰するのは人ですっ神に人の信仰を導くことはできないのですっ⋯⋯」
人の事は人しか解決できないと?だいたい理解できたけど⋯⋯気になったことが1つ。
「神々は力が((衰えた))んだろ?じゃあなんでお前は俺を召喚できるほどの力があったんだ?」
もしかしたらエイレーネーは何かを隠しているかもしれない、この世界をこんな事態にした張本人だったり、そうだとしたら策士だなこいつ。
「謎なのですっ‼」
本日2度目のドヤ顔⋯⋯うん、疑った俺がバカだった。
純粋無垢なドヤ顔を、そうお目にかかれるものじゃないだろう。
しばらく森を歩いていると。
「お腹すいたーっ、喉かわいたーっ、疲れたーっ‼」
何言ってんだよ⋯⋯と。神様なのにこの程度で音を上げるのか?そんなことより。
「俺のほうが疲れたわ‼トイレのスリッパで歩いてるんだぞ‼足痛いわ‼ジャージで少し寒いわ‼それ以上文句言うと、トイレ後で洗えてない手を顔面に押し付けてやるからな‼」
当然道は舗装などされていない、地面には大小さまざまな石が転がっており、空に分厚い雲が覆っているからなのか、少し肌寒い。
「ジャージとバスr⋯⋯この聖衣っ、どっちが寒いとっ⁉」
あ、今バスローブって⋯⋯心の中ではバスローブってわかってるんじゃ。
「もしかして、そのバスローブの中は下着だったり⋯⋯」
そうだよな、バスローブって下はパンツ一丁だぜ‼なんて当たり前だよな。
「下着なんて着用していないのですよっ?」
全裸だったぁぁぁ‼じゃあ、あのタオル地をめくれば⋯⋯。
そしてバスローブを否定しなくなった。認めた?
「目的地が見えてきましたよっ‼」
森を抜け平地へと出た。そこから複数の建物が見えた。
「なにあれ町?」
「村なのですっ」
人を信仰させたいなら人がいっぱい居る、もっと大きい都市に行きたいよなぁ。民家が10軒ほどしかない小さい集落で信仰しても広まるわけがない。
「なぁ、もっと大きい都市とか人がいっぱい集まるところに行こうぜ?」
「ここが一番大きい都市ですけどっ⋯⋯」
は?ちょっと何言ってるかわかんない。
「この村以外に、人はほとんどいないのですっ」
種族、人間よ何があった⋯⋯
「この世界はっ、大規模な争いで多くの人が死に絶えっ、争いという概念を無くされ食糧難などで死者が続出っ⋯⋯でわかりますっ?」
あーなるほど、争いという概念で価格競争、生産競争まで無くされ、当然争いは政治にもあるわけで、国家はつぶれ人類は衰退していったと⋯⋯。
話しているうちに世界一番の大都市(村)に到着した。
「野宿は絶対に嫌なのでっ、泊めてもらえるお家を探しましょうっ‼」
わがままだな⋯⋯だいたい、そう簡単に泊めてくれるわけが⋯⋯。
「おーそれは大変じゃったのお、わしの家に泊まっていきなされ」
泊めてくれるのか⋯⋯1件目のホームステイ訪問でOKされた⋯⋯。
一般的な二階建ての家のリビングで、お爺さんと机をはさみ対面する形で座った俺たち、
「俺は優木っていいます。こっちはー⋯⋯」
自己紹介しろ。とエイレーネに目配せする。
「私はっ、平和の神エイレーネーっ」
え?普通に神って知らせていいの?
「わしはこの村の村長をしておる、ジェスという」
ほう、優しそうなどこにでも居る普通のお爺ちゃんだ。
「わしの呼び方は、豚野郎でかまわんよ」
よし訂正、特殊なお爺さんだ。
「豚野郎は、ここに一人で住んでいるのですっ?」
「おい、つっこめよ‼おかしいだろ⁉」
なにが?と言いたそうに首をかしげるエイレーネーに呆れそうになる。
「わしの孫も住んでおる」
豚野郎と言われたからか、お爺さんは少し嬉しそうに答えた。
エイレーネーは俺の呆れた顔を見て何かを察したのか、あー⋯⋯と。
「私の許可なく勝手に喋ってるんじゃないよっ‼この豚野郎っ‼」
これでどう?と言いたいのか、ドヤ顔をするエイレーネーを見て
「ダメだこいつら、早くなんとかしないと‼」
「なぜっ、私も含まれているのですっ⁉」
「これからジェス爺と呼ばせてもらうぞ?」
強引に呼び方をこちらで決めさせてもらおう⋯⋯と、お爺さんを見ると罵られたからか興奮して身もだえしていた。
⋯⋯ホントにダメかもしれない。
2話書かせていただきました。前書き、割り込み投稿、予約掲載設定、を未だ把握しておらず。次話投稿もうまくいくか不安です。