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神託鈴の天統記  作者: 古狸 変幻
1/4

1神、人は堕落しー神は衰退す

神⋯⋯それは宗教信仰の対象で21世紀において、絶対的、超越的存在とされた。

広辞苑にも人類に禍福を降すと考えられる威霊と記されている。


神は不可知な悪戯という災難、不幸を人に試練として与え、乗り越えたものには新たな力を手に入れるだろう‼

ゲームやアニメのストーリーでよくある話だ⋯⋯超上から目線の神の試練をクリアした主人公は強力な武器、スキル、アイテムを手に入れる。


「じゃあ乗り越えてやろうじゃないか‼」

腕を上げ拳を力いっぱい握りしめ

「神の試練を乗り越え神討ちし現人神になってやろう‼ふふふははははは‼」……自宅のトイレに籠っている神居優木かみいゆうき、17歳は神よりもたらされた試練(腹痛)に耐え、神(便器)に生贄(汚物)を捧げんとしていた。


ノロウイルス?食中毒?原因としてそんな現実的なことは考えない。何故なら⋯⋯辛いからだ‼それなら神の悪戯、男なのに妊娠しちゃった「産まれるぅぅぅ」の方が気持ち痛みが軽減されるだろう?⋯⋯と。


ーー10分後ーー


「ふふふ、神の試練も大したことないな‼」

トイレから出ようとドアに手をかける

「神の試練(腹痛)をクリアした報酬は、体内の老廃物をすべて出し切った爽快感と、痔になる危険性が1UPしたことか⋯⋯つらいな⋯⋯」

ドアを開けると見慣れた自宅の廊下⋯⋯じゃない⁉

そこは木々が生い茂る森、大自然の匂い、鳥のさえずりや草が風に揺れる音が聞こえる⋯⋯


「あなたが神居 優木ですねっ?」

驚き、混乱で停止しした思考が女の子の声で正気に戻った。

そこには腰まである長さの紫髪をなびかせ、厚手のタオル地でできたバスローブを着ている、自分と同じ歳くらいの女の子が居た⋯⋯


「私はっ平和の神エイレーネー、さぁ共にこの世界の破滅を止めまs(バタン⋯⋯」

「ちょっ、何でトビラ閉めちゃうのですかっ⁉」

「いや、鍵も閉めたぞ」

不審者がいきなり目の前に現れれば誰でも同じ行動をするだろう。

「開けてくださいよっ‼一緒に世界の破滅を止めるのですよっ‼」

強引にこじ開けようとしているのか、ドアがガタガタ音を立てていた。

「神様なら施錠されたドアくらい開けれるだろ‼」

「私はあなたを召喚した時にっ、力のほとんどを使ってしまったのですよっ⋯⋯」


なぜ、こんな事になったんだ、試練(腹痛)の報酬に文句を言ったからなのか⋯⋯

「あなたは神託の神によって導き出されたっ、この世界を救える知識を持つ人間なのですっ‼」

だいたい、なんでこう自己中心的なんだ?俺はこの世界に連れてこられて1時間も経ってないんだぞ、こっちの気持ちも少し考えてほしいね。

「それは命令か?」

「そうじゃないのですっ⋯⋯あくまでお願いしているのですよっ」

お願いって、ドア開けてくれしかまだ聞いてないんだが、気のせいだろうか。


「人に何かを頼むときは、それなりの礼儀や誠意を見せてもらわないとなー、んー?」

それこそ、私を好きにしていいとか、あなたのペットになりますとか、それくらいの事はしてもらわないと今の現状に晒され、しかも世界を救う?なんて割に合わない。さて誠意を見せてもらおうか誠意を。

「私に協力するかっ、トイレで餓死もしくは森で迷い死ぬのっ、あなたはどちらがお好きですっ?」

「平和の神エイレーネー様に、ぜひ協力させて下さい‼」

とりあえず誠意を見せるためドアを開けて土下座をしてみる。うん、誠意って大切よねー‼


「頭を上げてほしいのですっ、とりあえずっ今この世界がどんな状態になっているか説明しますねっ」

少しあたふたして早口になるエイレーネー、もしかして土下座されるのに慣れてない?

「その前に、なんでバスローブ姿なのか説明してくれませんかね神様⋯⋯」

吸水性抜群、超高級で手触り最高そうなフワっとしたタオル地のバスローブを、どういう経緯で着ているのか気になって仕方なかった。

「呼び方はエイレーネーでいいのですっ、これはバスローブじゃないのですよっ?立派な神の聖衣なのですっ‼」

ドヤ顔で言うエイレーネーを見て、恐らく神様がこれは聖衣って言えば聖衣になるんだな、と察した。


「この世界はっ、ある神によって争いという概念がなくなった世界っ、人々は堕落し神を崇拝しなくなったのですっ、力が衰えていった神々は地上に恩恵を与えることができなくてっ、この世界は今にも滅びようとしているのですよっ‼」

「なるほど、とりあえず神々の力を戻すため人に崇拝をさせて、神託の神に殴り込みに行けばいいのか」

「どーしてそこで殴り込みに行くお話になるのですかっ⁉」

「え?だってそいつの予言で巻き込まれたんだ、殴りに行かなくてどーする」

平和の神だからか殴り込みという言葉に凄く反応するのな。


「あとっ、神託の鈴を集めるのですっ」

「なんだそれ」

どこかのゲームアイテムで出てきそう。

「神託の鈴はっ、その神が信頼を託してっ主神として認めた神に渡す鈴なのですっ」

「力を取り戻した神の信頼を得て、主神になれと?」

「すんなり渡してくれないと思うのでっ、必要であれば戦って勝ち取ってくださいっ」

ごめん、平和の神様が戦えって言ったように聞こえたんだけど。それより神様に勝てるのか……人間が。

「大丈夫っ‼あなたには勝てる知恵があるからっ」

不安そうにしてる俺に自信を持ってもらおうと、神託で言っていた世界を救える知恵があるから大丈夫だよ?と⋯⋯これは本格的に神託の神に殴り込みに行かなきゃな。


とりあえずやってみるか。

「行くか?」

「さーっ、世界を救いに行きますよーっ‼」

エイレーネーと俺は世界を救いに歩き出した。


初めて投稿します。至らないところが多々あると思いますが、慈愛の心で読んでいただけると幸いです。

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