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羅生門を現代風に描いてミタ

作者: ぷうぺ

文才がほしいです。


誰かくれませんか。泣いて喜びます。


ほんの最初の部分です。続きを書くかは検討中…


 ある日の夕暮のことだった。一人の女子高生が、校舎の玄関口で雨が上がるのを待っていた。


 この広い空間には、彼女以外誰もいなかった。ただ、ところどころペンキの剥げた大きな円柱に、蜘蛛が一匹垂れている。玄関口が、ここ一つである以上は、彼女以外にも、雨宿りをする生徒が二、三人は居てもおかしくはない。それが、彼女のほかには誰も居ない。



 なぜかというと、この二、三週間、ここらでは、誘拐とか暴行とか窃盗とか恐喝とかいう事件が続いて起こった。最早地域の治安の悪さは半端ではない。新聞によると、加害者の半数近くは、いい歳した大人や、教師という立場の大人であったという。

地域がその状態であるから、彼女の通うような、お世辞にも“良い”とは言えないような学校などは、もとより誰も捨てて顧みる者がなかった。するとその無法地帯をいいことにして、馬鹿が集まる。不良が集まる。とうとうしまいには、少年院出の輩をこの学校へ連れてきては、放置するという事が習慣になりつつある。

そこで、日の目が見えなくなると、誰でも気味を悪がって、この近所へは近寄らなくなってしまった。



 そのかわりまた馬鹿な輩がどこからか、たくさん集まってきた。昼間見ると、彼らは、何人となく輪を作り、笑いあっている。空が夕焼けで赤くなるときには、それが泡のようにどんどんと増えていく。

彼、彼女等はもちろん、この最悪な現状さえ楽しみに来るのである。―もっとも今日は、いきなりの夕立のせいか、一人も見えない。

ただ、所々、汚れた、そうして何度となくスプレーで重ね書きされた壁の足元に、踏み消された煙草の吸殻が、点々と落ちているのが見える。

彼女は七メートル続く壁の手前に、短くした紺のブレザーのスカートを据えて、右の耳の、塞がりそうなピアスの穴を気にしながら、ぼんやり、雨の降るのを眺めていた。

 


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