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第1章 思い出すこと



「スターダスト」


スターダスト


それを


僕が星屑と訳して喜んでいたあの頃



僕がこの曲を聴くといつも思い出すのは


あの頃の僕の部屋から眺めていた夜の景色


よく隣の家から流れていたこの曲


星も今よりずっと多く数えることが出来た


それは中学三年の夏


父が三度目の結婚をして


僕より13歳年上の女性を母と呼ぶようになったあの頃



高台にあった僕の家から見えるのは家々の明かり


まるで模型のような山に玩具のような家々が貼りついていた


あの頃の僕は無力だった


今の私も無力になった



でももう一度あの頃の僕に戻ることが出来るなら


あの頃のように星を数えながら


夜道を散歩してみたい




「過ぎ去りし若き日」


われの若さがありたる頃には


疼けり情欲に悩みたり


思いて


書を読み


怒りて 


そを投げ捨て


ひとり日差しの部屋に寝ころびしが


なにものの哀傷ぞ


はるかに青き空を望み


天日


直射して我が涙乾しぬ




「失いし初恋」


我 十四の時にお前に恋して


心まずしきものは


我でありしが


夢がゆめになりて


苦しみ 喜びと変わりぬ


しかれどもお前はこの世を去りて


我の手に残りしお前の黒髪


そも今は白く変わりて


お前の死を語れり


ああ、そのゆえに我は


お前以外の女を知らない


このことは果たして苦しみなりや喜びなりや


お前よ せめて 夢で教えたまえ



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