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バカな男

作者: はらみ

その日、男はいつものように眠りについていた

着信に気付き一瞬迷ったが電話に出た

電話の先は学生時代のツレだ

「なにしてんだ?今から飲もうや」

男は面倒なことが始まる予感がしたが、特にやることもないので応じた

集合場所はいつもの雑多な居酒屋だ

当たり前のように生ビールを頼み、ナッツをつまみながら今日の後悔と一緒に流し込む

特に話すことはない、近況を聞き合う関係でもないいつもの世間話だ

ただいつもと違うのは友人の薬指だ

「おれ、結婚したんだ」

まめな男だ人生の節目にはきちんと報告してくるのだろうが

この唐突な発表、彼なりに悩んだ結果であろう

なぜならわたしに離婚歴があったからだ

ただバツがつくくらいなんてことないという意見があるだろうがわたしの場合都合が違う

以前の妻に浮気されありもしない理由をつけられ慰謝料の支払い義務もある

更には養育権まで奪われていたのである

ただ、純粋に私は友の幸せを喜んだ

友人の結婚相手を知るまでは


バカな男だ、私の話を散々聞いたあとにあんな女と結婚するとは

思慮深い男と認識していたが撤回させていただく

付き合いも今日限りであろう


数年後、元妻が死んだ

特に興味もなかった


そういえば妻は自分に何度も体の不調を訴えていた、子どもの心配ばかりしていた

入園場所はどこにしよう、成人するまでにこんなにお金がかかるのよ

仕事の忙しなさを理由に無視していた

そんな時に友人と出会い自分がそうであったように彼の明るさに救われていたのだろう


バカな男だ


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