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第27話:ゴーレムの進化

◆前回までのあらすじ◆

ロックが進化するための準備は完了した。ALXSの力を借りて、ゴーレムであるロックの進化を実行することとなった。

 ロックをさらに進化させるための準備が完了した。どんな姿になるのかワクワクしながら、(アレクス)の指示通り言葉を掛ける。


「ロック、もう一度情報共有させてもらえるかな?」


「勿論です」


 ロックに確認をとってから、僕は彼の身体に触れる。


――思考連結、成功。情報共有開始――


 先ほどアニメの情報を共有したときと同じく機械的な言葉で(アレクス)が情報共有を始める。


――これより進化型(アドバンスド)鉱石(マテリアル)人形(ゴーレム)が進化可能な身体情報を送信します――


 そして(アレクス)が演算して導き出した『進化の情報』を送信する。


「おっ、おお! こ、これはっ、すごい。まさか我がこんな姿になれる可能性があるとは」


 その情報を読み取ったのかロックが感嘆の言葉を漏らす。進化の情報については僕にも共有されたが、その内容はとんでもないものであった。


 これって、もしかしてガンヴォルバーの後継機の――


 僕がその姿を思い浮かべるが、(アレクス)はロックと情報共有中であるためか答えてくれなかった。

 だが、なんとなくの雰囲気で僕の予想はあっているのだろうと直感する。


「どうかな、その情報で進化することはできるかな?」


 僕はロックに問いかけてみる。


「自らの身体を作り変える。試したことはないのですが、ここまで詳細な身体構成情報があれば、可能かと――

 しかし、失敗すれば我の身体は崩壊する危険性も。我にそれが制御できるか……」


 自身は無さげだが肯定的な答えが返ってくる。


――進化について、このまま情報共有したままであればサポートが可能です。この状態で進化を試みることを推奨します――


 戸惑うロックへ(アレクス)が助け舟を出し、決断を後押しする。


「分かりました。

 主も進化を望み、そして助力も頂けるとなれば、我が迷うことはありません。

 進化に挑戦したいと思います」


 そして、ロックは決断する。


――種族名「進化型(アドバンスド)鉱石(マテリアル)人形(ゴーレム)」が、スキル【身体変形】を利用し、進化を実行……


 これは世界の言葉かな。どうやらロックが進化を実行した様だ。


 周囲の魔素を取り込みロックの身体全体が燐光する。そして、静かにかつ速やかに進化が実行される。


 ゴーレムとしては細身であった身体がさらに洗練され鋭敏(シャープ)な形状に。そして背にはアニメで登場する機神兵の特徴であるバックパックが形成される。


 そして外見だけでは進化は終わらない。ロックの内部構造がさらに変化していく。


 (アレクス)の能力にて意識が共有化されてるため、内部構造の変化も読み取れた。

 魔物の中で一番大切な魔核を壊さないように繊細に体内構造が組み替えられていく。


「う…… あぐっ……」


――情報修正……成功!


 ミシッ…… パキキ……


――情報修正……成功!


 内部構造の作り変えは難易度が高く、ロックは苦悶の声を漏らし体内から軋む様な音がするが、その度に(アレクス)が修正を行う。


 そしてついに進化が完了する。


――スキルによる身体構成の変更を感知しました。種族名「進化型(アドバンスド)鉱石(マテリアル)人形(ゴーレム)」は、新たな種族「進化型(アドバンスド)可変型(バリアブル)人形(ゴーレム)」へと進化しました。


 世界の言葉がロックが新たな種族となった事を告げる。


 それと同時に(アレクス)は思考共有を終了し、僕もロックに触れていた手を離して一歩下がる。


「これが我の新たなる姿……」


 新たな姿になった自らの手を覗き込みながらロックが言葉を漏らす。


 その姿はさらに洗練された()()()()格好良い姿へと変貌していた。


 情報だけで予感はしていたけど、これって――


――そうだよ。リュウジの好きな『機神戦記ガンヴォルバー』の二期シリーズで主人公が搭乗する『ガンヴォルバー・ゼノ』を元に彼の身体を作り変えた姿だよ。


 僕の心を読んで(アレクス)が告げる。


 やっぱり!


 ロックの進化後の姿を目にした時に真っ先に思ったのは僕の好きなアニメに出てくるロボットの『ガンヴォルバー・ゼノ』に似てるというものであった。


 一期シリーズを戦い抜いた主人公機の『ガンヴォルバー』は激戦の末に大きく損傷して廃棄となったと思われたが、二期シリーズの中盤にて改修され新たな機体として登場するのだ。

 そして、二期シリーズの後期主人公機の特徴は、人型形態だけではなく飛行形態に変形が可能というものなのだ。


 ってことは、もしかして――


――さすがリュウジ、察した様だね。単純に見た目を変えるだけならば私がそこまで演算する必要がなかったよ。今回の進化で彼は『変形』が可能になったよ。


「お、おおー」


 思わず声が漏れてしまった。

 それが本当ならば胸熱だ。


「ねぇ、ロック。今回の進化で変形できるようになったと思うんだけど、ここで変形してもらう事ってできるかな?」


 胸の高まりを抑えきれずに僕はロックへと要望する。


「勿論です。我も是非とも新たな能力を試したく思っていました」


 ロックも変形を試したいと思っていたようで、僕の要望に応える。


 こうしてかっこいいゴーレムから、可変式の超かっこいいゴーレムへと進化したロックは、新たなる能力の『変形』を試すのであった。

【作者からのひとこと】

いつも応援ありがとうございます。

やっぱり変形するロボットは男の浪漫ですよね! やっと初期メンバーが揃いました。


・無自覚最強の少年

・毒舌毒使いヒロイン

・中二病の可変型ロボット風のゴーレム


この三人の活躍をご期待ください。


まだ評価されていない方がおられましたら、是非とも【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にして、応援していただけると嬉しいです。

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