21話
芦屋 奏太:子役をきっかけに芸能界に入った人気若手俳優。お菓子とインスタント食品が大好きで、今一番ハマっている趣味はポーカー。
スライム:スピードと魔力操作に優れているが直接攻撃には弱い。
黄金ディストピア:別の次元に奏太だけの王国をつくることが出来る。ポイントを使用することにより、魔物や魔道具の創造、怪我の回復などが出来る特殊魔法。
パニックアロー:魔力で作った矢が命中すると相手の「視覚、聴覚、嗅覚」に異常を引き起こす特殊魔法。
弾け飛んだレッドヘイトワーム。
「やったー!やったやったやったー!やりましたね奏太さん!レッドヘイトワームを倒しました」
可愛い綿菓子チョコラティエが駆け寄ってきてくれた。
「本当に奏太さんには驚かされっぱなしです」
嬉しい。
強力な魔物と殴りあって倒した。かなりの充足感がある。
あいつがいきなり目の前に現れて、ぶん殴られた時には絶望感を感じたけど、怒りが力を貸してくれた。
スライムは直接の戦闘は苦手、自分でもそう思っていたけど全然大丈夫だった。やりあえばやりあうだけ、どんどん魔力の扱い方が分かってきて楽しささえ感じていた。
しかも雷波。
ポイントが足りなくて説明文しか読んだことのない魔法を自力で習得することが出来た。いままでは遠距離攻撃を自分の武器とするべきだと思っていたけど、これのおかげで近距離攻撃だっていける。
「ありがとうチョコラティエ」
それだけじゃない。僕には一緒に喜んでくれる仲間がいる。
「すごい殴り合いでしたけど痛くなかったですか?」
「めちゃくちゃ痛かったよ。体が張り裂けるかと思った!」
「かわいそうです!」
可愛い手で摩ってくれる。
「だけど途中からは大丈夫だったよ。魔力をうまく使ったら全然痛くないんだ」
「すごいですよ奏太さん!」
「ありがとうチョコラティエ!」
僕達は手を取り合って勝利を喜ぶ。チョコラティエは宙に浮かんでいるから、その手を持つことで僕も浮くことが出来る。
こんな喜び方はチョコラティエとしかできない。
「すごいですすごいですすごいですー!」
「ありがとうありがとうありがとうー!」
暫く喜び合った僕たちにあの時が再び訪れた。
「おめでとうございまーす!」
風と森の揺れる音がする断崖絶壁の森に突如、明るい女性の声が爆音で響いた。
楽器を持った派手な服装の人達が30人ほどあらわれた。
「芦屋 奏太さん、レッドヘイトワームを見事倒してレベル20になりました。おめでとうございます!」
軽快な演奏と共に一糸乱れぬ行進が始まる。これは前にレッドオークを倒した時と同じ。つまり………。
「いまの戦いを神様がご覧になられていて、スパチャを送って頂きました」
「おお!」
「本当はレベル18になるはずだったのが、スパチャのおかげでレベル20になりました。これは相当大きいですよ!」
「神様ありがとうございます」
僕は空へ向かって手を合わせ頭を下げた。
「それともうひとつ素晴らしいお知らせがあります」
「なんだろう」
笑顔のチョコラティエを見ていると心がワクワクしてくる。
「レベルが20になったという事で進化が出来るようになりました。奏太さんは違う種族のスライムに変わります」
「おお!進化すれば強くなるんだよね?」
「はい!」
進化………それが自分の身に起こるわけだ。
「大丈夫なんだよね?」
「もちろんです!」
チョコラティエは自信満々だ。
「ちょっと不安かも」
「え!?」
「だって進化なんかしたこと無いんだよ」
チョコラティエが急に笑いだした。
「どうしたの?」
「だっておかしいですよ!」
お腹を抱えてさらに大笑いする。
「人間からスライムに生まれ変わった奏太さんが進化することを不安がるなんて。そんなのおかしいじゃないですか!」
「そう言われてみれば確かにそうかも………」
「奏太さんって面白いですね」
チョコラティエはまだ笑っている。
たしかにそうだ。人間からスライムになることに比べたら、スライムからスライムになることは大したことじゃない。
ただそんなに面白がられるとは思っていなかったから、嫌では無いけどなんか恥ずかしい。
「僕がこれから進化するスライムってどんな感じなの?」
体が熱い。
スライムでもやっぱり恥ずかしい時には体が熱くなるんだな。とにかく急いで話題を変えたかった。
「はい。それではこれから説明しますね」
チョコラティエは涙をぬぐいながら言う。
「頼むよ」
「奏太さんの進化先は3種類あって、それぞれに違う特徴を持っていますので、その中から好きなものを選んでください」
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