14話
芦屋 奏太:子役をきっかけに芸能界に入った人気若手俳優。お菓子とインスタント食品が大好きで、今一番ハマっている趣味はポーカー。
スライム:スピードと魔力操作に優れているが直接攻撃には弱い。
黄金ディストピア:別の次元に奏太だけの王国をつくることが出来る。ポイントを使用することにより、魔物や魔道具の創造、怪我の回復などが出来る特殊魔法。
パニックアロー:魔力で作った矢が命中すると相手の「視覚、聴覚、嗅覚」に異常を引き起こす特殊魔法。
さざ波が静かな音を奏でる朝の孤島。僕は大好物のカップ焼きそばを食べて心が満たされるのを感じた。
心配そうな表情で宙に浮かぶ可愛い綿菓子チョコラティエがいる。僕達は少しだけ会話を交わした。
この黄金ディストピアの門をくぐって外に出た瞬間から31日以内に100体の赤い魔物を倒す。
僕はこの目標を達成するために考えた。まず必要なのは僕の配下であるブルーヴィシュラット達を使って敵を発見すること。
そうしたら遠距離から特殊魔法「パニックアロー」を使う。魔力で作った矢が命中すると相手の「視覚、聴覚、嗅覚」に異常を引き起こす特殊効果が付いている。
一番最初に戦ったレッドオークはくらっても倒れることすらなかったけど、今はあの時よりも強くなっているから効果はあるはずだ。
だけど完璧ではない。
パニックアローは優れた魔法ではあるけど、矢を3本射ったら30分間のクールタイムが発生する。これは僕が設定したデメリットで、その代わりに少ない魔力で大きな威力が出るようにした。
これで相手を仕留めきれなかったとき、その時が大きな問題。キャラメイクをした時には逃げればいいと思っていたけれど、今の状況では敵を倒さなくてはいけない。
なので僕が考えているのは特殊魔法「雷波」。
これは相手の体内で魔力を爆発させることによってダメージを与える魔法。食らった相手が雷に打たれたように感じる、と説明文には書かれていた。
ただ問題があって、相手に近づいて攻撃しなくてはいけない。つまりスライムが苦手とする直接攻撃を食らう可能性があるという事。
そしてもうひとつの問題。
僕がこの魔法を習得していないという事。欲しかったけどポイントが足りなくて諦めた。僕が知っているのはモニターに表示された説明文だけ。
要するに僕はこの魔法を実践の中で習得しようとしている。かなり危険な賭けであることは分かっている。そうならない為には状況判断が重要だ。
「行ってくるよ、チョコラティエは危ないからここで待っててね」
可愛い綿菓子に声を掛けた。外に出たくないような気がするけど、やると決めている。
「チョコラティエも一緒に行きます」
嬉しかった。
僕達は一緒に外の世界へ出た、カウントダウンが始まった。
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