お出かけと邂逅 2
「……ちょぉぉぉぉっとまてぇぇぇぇえ!!!!」
そのお姉さん(笑)の叫びに周りのお客さんや店員さんが一斉にこっちを振り向いてきたので、慌ててお姉さんの手を取りボクは走り出した。
「っはぁ、はぁっ……お姉さん?公共の場であんな叫び声上げるのはよくないですよ?」
「原因はアンタでしょうがぁ!!な、なんでわかったの!?というかわかっても普通あんなところで言わないでしょ!!!!?」
「だからボクはきちんと周りに聞こえないような声に抑えてたじゃないですか」
「そういう問題じゃないからぁぁあ!!」
お姉さんをイジるのは楽しいけれど、さすがに話が進まないなって思ったボクはちゃんと話を進めることにする。
「で、話を戻すんですけどお姉さんは本当にミコトさんなんですか?」
「……取り繕っても無駄みたいねっ。そう、アタシは赤城ミコトよっ!」
「おおお……」
「な、なに?」
「んー、なんて言うか……可愛いですねミコトさんってリアルの姿」
「なっ!!?何言ってんの!!!?」
「いやぁ、正直にぶっちゃけちゃうんですけど、Vtuberになる人って顔に自信がない人がビジュアルのいい皮被ってやってるってイメージが強かったんで、まさかこんなに可愛らしい人がやってるとはっていう感じで驚いてます」
「ものすごい色んな方向に敵作った発言だね今の…!……というか、アタシのことだけ知られたのなんか嫌なんだけど?アンタのことも教えなさいよ!!」
「えっ?ボクなんてただの一般人ですよ?」
「いーーや、アンタ絶対違う!そのボクっていう言い方とか絶対何かやってる人でしょ!」
「えぇぇ……ま、まぁやってはいますけど、ミコトさんに言うのはちょっと気まずいというか……」
「あ、というかさ?プライベートでミコトさんって呼ばれちゃうと周りにバレかねないから、本名の方で呼んでもらっていい?ってことで、アタシの名前は赤司 真琴。だから呼ぶなら真琴さんって呼んで?」
「わ、わかりました!真琴さん!」
「ん!……で、アタシ自身アンタのことアンタって呼ぶのなんかむずむずするし名前教えてよ」
「……雪人、です。ボクの名前は白河雪人です」
「白河雪人くんね?じゃあユキくん、かな?ん?ユキ……くん?」
「おーーっと」
「その反応……それにボクって言い方、もしかして?白銀ユキ…くん?」
「あっ……そ、そうです。よくわかりましたね。ちょっと気まずかったんであんまりバレたくなかったんですけどね……あはは」
「ユキくんなのね!!?か、かっこいいね!?」
「いやいや、真琴さんの可愛さの方がすごいですよ!!」
「て、照れるから!!やめて!?」
これがボク、白河雪人と、赤城ミコトこと、赤司真琴さんとの初めての直接の出会いだった。
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