お誘いと迷いと
ボクの初めてのゲーム配信が大盛況というか、今までで1番バズった翌日のこと。ボクのMinstagramのアカウントに一件のメッセージが届いていた。見覚えのないアカウントだな、なんて呑気に思いながらメッセージを開くと……
白銀ユキ様
初めてご連絡させていただきます。
私、Vtuber事務所として活動しております『V-nation』にてスカウト担当をしております高坂と申します。
今回、白銀様に当事務所に所属していただけないかと思いご連絡をさせていただいた次第です
〜〜〜
それは、あのトップVtuber事務所であるV-nationさんからのスカウトのオファーメールだった。
これまでも、自分で言うのも気が引けるけど個人勢の中では割と人気がある方のボクにはそういったオファーはたまにきてはいたけれど、突然のトップからのオファーにはさすがにびっくりが止まらなかった。
でも1つ疑問があった。実は、V-nationに所属しているVtuberさんは全員女性アバター(中身が全員女性なのかは不明だけど……)で、界隈の中では男子禁制であるというのが有力な説として出ていた。しかもボクよりももっと知名度の高い個人勢も、それこそV-nationの活動に合った人達もたくさんいるのに、なんでボクが選ばれたんだろう……
「でも、とりあえずすぐには決められないや。事務所所属になるなら色々と契約とかもあるしボクだけで決めるのもなぁ」
嬉しい気持ちとそれ以上の不安な気持ちを抱えたボクは、ごちゃごちゃな感情を落ち着かせるべく家を出た。
「あれ?雪人?」
家を出てすぐに声をかけられて振り向くと、そこにはボクの事情を家族以外では唯一知っている幼馴染の蒼井 飛鳥がいた。生まれた時から知り合いで仲のいい彼ならボクの思いもわかってくれるかもしれないと思い、思い切って相談することにした。
「飛鳥!あのさ、ボク今悩んでることがあって……話聞いてくれる?」
「おう!もちろん!!ここじゃなんだしうちこいよ!」
「わかった!」
彼の家でボクは正直に打ち明ける……
「なるほど?いきなりそんな大手のところからオファーが来たけど自分でいいのかって迷ってるってわけか」
「そうなんだよね。ボクよりも人気だったり活動の方向性が近い人たちなんてたくさんいるのになんでだろうと思って」
ここまでの流れを飛鳥に伝えると、飛鳥は少し考えた表情をしてから答えてくれた。
「んー、白銀ユキの活動を見てきたファン目線で見るなら是非受けて欲しいと思うんだよな」
「なるほど……?ん?ファン目線としては?」
「そうだ。ここからは俺個人としての意見を言わせてもらう」
「うん」
「俺は……今回は受けるべきじゃないと思う」
飛鳥は、ボクのファン目線としての意見とボク、白河 雪人の幼馴染としての意見を両方とも伝えてくれた。
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