伝説の始まり 4
「なんだか反応おかしくないですか!?集中してやればみんなこのくらいでできますって!それに、あくまでも作るのは入口とエントランス部分の外装ですから!」
ボクはなぜかは?っていうコメントで埋め尽くされるコメント欄に対して必死に弁明する必要もない弁明をしたけれど、焼け石に水でしかなかったようだった。
「と、とにかく!配信があんまり長くなるのもあれなので始めていきます!!」
と、ボクは気持ちを新たに作業を始めた。
……
すごすぎ
ヤバい
エグい
【赤城ミコト】…………
建築に取り掛かってからかれこれ2時間ちょっとが過ぎたくらい、コメント欄は静かに流れていく。それを横目に見つつも、ボクはあえて読むことはせずただひたすらに建築に没頭していた。
今の進捗状況は、外装の半分弱が終わったくらい。いつもよりは確実に早いペースで進んでいる。ただまぁ人間の集中力というのはそう長くは保たないもので、ちょっと気が抜けてきたので、ある程度キリのいいところまで完成した段階で一度雑談を挟むことにした。
「っふぁぁあ。ずーっと集中して作るのにはさすがに限界が来るよね!ってことで一度みんなとお話してクールダウンしたいんだけど……ってあれ?みんなー?もしかして飽きちゃってみんないなくなっ……てないどころかさっきよりも増えてる!?ひぇぇぇ」
言葉失ってた
もうなんか、すごいね
ユキくんすごい
【赤城ミコト】すごすぎる
「そんなに褒められても何も出ないよ?それにボクからしたらいつもやってたことをやってるようなものだし!あ、でも普段のボクのプライベートワールドは和をメインにしてるからこことは全然違うけどね!」
すごいなぁ
あ、気になったことがある
すごすぎて絶句
「?気になったことがある人がいるみたい!何かな?」
ここまですごいプレイ見せられたらチートじゃないのはもう理解したけど、建物の配置とか図面とかって事前に何かに書いてる?
確かに
それ気になる
「図面?そんなの書くの?頭の中にどこに何を作るかは浮かんでるからそれをこの空間に具現化するだけだよ?」
うわ
感覚派の天才か
それでこの精密なのヤバすぎ
【赤城ミコト】天才め
「え?そんなに言われることかなぁ!?ボクの中だと普通なんだけど!?」
いやいや
人外の普通と常人の普通は全然違うよ
【赤城ミコト】それな
いや、ミコちゃまは人外側じゃ?
ミコちゃまですらユキきゅんの前では常人ってことじゃない?
「いやいやいや!!ミコトさんなんてボクからしたら雲の上の存在ですから!」
俺らからしたらユキくんのプレイも雲の上どころじゃない存在
ほんとそれ
ヤバすぎ
みんなのコメントに押されつつ、これまでの配信で一番長時間となった今回の配信は、この約2時間後に幕を閉じる。
最終的に同接は8500人を超え、チャンネル登録者数は今日だけで爆増して10万人を突破したのだった。でもこれは、ボクのこれからの数々の履歴の始まりに過ぎなかった。
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