碧ハルデビュー配信 2.5
飛鳥が碧ハルとしてのデビュー配信を開始した頃、V-nationのスタジオでは、瑠璃が目を輝かせながらモニターに向かっていた。
その姿を隣で相変わらず真琴が面白そうに見ている。
「始まるぞ、ミコ!」
「始まるねっ、ルカ」
「あぁ、アスカは大丈夫だろうか……」
「もー、ルカがそんなに緊張してどうするのっ?だいじょーぶっ!!ユキくんだっているし、よっぽどのことがない限り事故とか起きないってっ!!」
「それはそうだが……おっ、始まった!!」
始まった配信画面を見た2人は、それぞれ驚きの表情を浮かべていた。
「え、このイラストってルカのイラスト描いてる人と同じじゃ!?」
「な、ウチと同じだ…………だからあの時!?」
「ルカのイラストさんってものすごく忙しくて基本的に受け付けてないんじゃなかったっけっ!!?」
「そのはずなんだが……恐らくそこもアスカのストレートな想いをぶつけられて心動かされたんだろうな。ウチと似ているところがあるから」
「なるほど?」
瑠璃、紫月ルカと碧ハルのイラストを描いているのが瑠璃の実の父親だというのは事務所の社長、マネージャーしか知らない情報なので真琴も不思議そうな返事を返すだけだった。
そして、順調に進むデビュー配信。
『まあ、俺の場合は単純な話なんだけどさ?Vtuberに推しがいて、その人と同じステージにいつか立てるようにと思って今回デビューを決めたんだ!推しが誰なのかは勘のいい人ならわかるかもしれないけどな!!』
というハルの発言には、
「これってウチのことだよな?な!なっ!」
「ルカ落ち着いてっ?」
真琴ですら面白さを通り越して心配になる程普段と違いはしゃぐ瑠璃の姿があった。
「(ルカって飛鳥くんのこと本当に愛してるんだなぁ)」
真琴がしみじみ感じていると、次はユキがきっかけを答える。その姿を見ながら、ユキにも色々なことがあって、目指すきっかけがあったんだなぁ、なんてぼんやりと考えていたところ……
「なっ!?おいミコ、ハルのデビュー配信に天星ステラさんがコメント残してるんだが!?」
「えっ!?しかもコラボぜひ、だって!?ユキくんと最初にコラボするのはアタシなんですけどーーーーっ!?」
なんだかんだ、2人とも配信を楽しんでいるようだった。この後、出番があることも忘れて……
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