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子供な2人と大人な2人 1

 手を取って走ってからしばらくして、ボクは我に返った。いくら慌てていたからといっても女の人の手を掴んでそのまま走っていくのは良くなかった。というかそんな言い訳を考えるよりも先にすることがある。


 「真琴さんっ!!急に手握っちゃってほんとすみません!!!」


 ボクは勢いよく真琴さんに謝罪した。だけど、真琴さんからの反応はなかった。そんなにボクが手を繋いだことが嫌だったのかな、なんて落ち込みそうになったけれど、ようやく少し反応してくれた真琴さんを見てその心配が杞憂だったことに気づいた。


 「べ、別に怒ってないよっ……。ちょっとびっくりしちゃっただけだからっ」


 「ほんとですか…?」


 「うんっ。むしろ嬉しかった……なんてねっ」


 「?真琴さんはボクと手繋いで嬉しかったんですか?」


 「ねーっ!!!!そこは聞き取れてないところでしょーっ!!なんで聞こえてるんだよぅ!!」


 「え?ボクはそんな鈍感難聴主人公みたいなキャラじゃないですからね?ただの一般Vtuberですから」


 「一般Vtuberって何そのパワーワード!?」


 ボクと真琴さんは、それぞれの相方の存在を忘れたままわちゃわちゃしていた。


 「あ、そうだ!真琴さん!」


 「なにーっ?」


 「せっかく海に来たんですし泳ぎましょ!!」


 「おーっ!!いいよーっ、競争だねっ!!」


 ボクの誘いに乗った真琴さんはノリノリで海へと走り出した。


 「なっ!ずるいですよ真琴さん!!」


 「へへーんっ!勝負は既に始まっているのだよユキくんっ!!」


 「負けないですからねーーー!!」


 ザバっ


 ボクは先に飛び出した真琴さんを追って走り出した。



 「……」 「……」


 ((き、気まずい))


 気持ちを切り替えて楽しもうと言ったはいいものの、ウチと彼の間には気まずい雰囲気が流れていた。だがせっかく海に来たというのにそんなままでいるのはもったいないので、ここは年上であるウチから声をかけようとした。


 「なぁ」 「あの」


 「あっ、ルカさん?瑠璃さん?からどうぞ」


 「ん?あ、あぁありがとう。まずは呼び方から変えないか?成り行きとはいえ2人になったのにいつまでも他人行儀だとウチも中々に気まずいものがある。から、ウチのことは気軽に瑠璃と呼んでくれ、その代わりウチも君のことはアスカって呼ぶから」


 ウチは特に気にせずにした提案だったんだが、アスカはなんだかそっぽを向いてしまった。


 「どうしたんだ、アスカ」


 「あ、あの……急に名前呼びされると照れるっていうかなんていうか……」


 そう言って少し赤くなりながら俯いているアスカの見た目とのギャップにウチの心は高鳴っているのを自覚するのだった。

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