海と水着と恋愛と 5
ざわざわ……ざわざわ……
「ん?なんか更衣室の方が騒がしくね?」
「そうだね……なーんとなく嫌な予感がするんだけど」
2つのタイプの美女である真琴さんと瑠璃さんが出てきたのなら、普通に考えて男は反応するだろうなぁと思いつつ飛鳥と更衣室の方を向くと、案の定2人が出てきているところだったんだけど……
「うっわ……これはさすがに騒がしくもなるよな」
「うん、なんかボク達じゃ役不足じゃないかなぁ、これ」
「同感」
真琴さんは赤の、瑠璃さんは黒のビキニに身を包んでいたんだけど、映えすぎるし2人とも肌が綺麗すぎる。こんな人並みな変態コメントしか残せないくらいには見惚れてしまっていた。そして、みんなの注目を浴びたまま2人はボク達の方へと向かう。そうなると、必然的にボク達2人も視線を浴びるわけで……でも不思議と嫉妬みたいな負の感情はなくて、羨望とか温かい感じの視線だった。
「おまたせーーーっ!!」
「待たせてしまったみたいだな」
「大丈夫です!」
「気にしないで大丈夫」
「……なんか2人ともぎこちなくないっ?」
「そりゃ、2人とも可愛いからな、緊張もする」
「可愛い、か。あまり言われ慣れていないから照れてしまうな」
「おおおおっ!!なんかラブがビビッとな予感っっ!!!」
騒ぎ始める真琴さんを見て、似たような意図を持ってるんだろうなとは思いつつもあまりにも強引なやり方に焦ったボクも慌ててしまって、
「ま、真琴さん!!ボク達も向こうで遊びませんか?」
「えっ?ユキくん!!?」
真琴さんの手を握ってその勢いのまま海岸沿いを走って行ってしまった。
「2人きりになってしまったな」
「そうっすね……すいません、こんな誰かもわかんないやつと2人きりなんて気まずいですよね」
別に彼が悪いわけでもないのに申し訳なさそうにしている目の前の男に、ウチはなんだかおかしくなってつい笑ってしまった。
「あははっ、そんなに気にするな。こんなことになるとは思ってもいなかったが、これも何かの縁だ。ウチ達はウチ達で楽しもうじゃないか」
「それもそうっすね!気を取り直して俺達も海のほう行きましょう!!」
そう言ってウチの手を取る彼の手は大きくて温かった。本当はあまり気乗りしていなかったんだが、意外と悪くないかもしれないな……
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