表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/11

07.社畜と奴隷5

 姫様からの、ありがたくも端的すぎる説明に、唖然とした表情で不服なことを顔全体で抗議した。


「なによ? その顔、凄く気持ち悪いわ。何? 今の説明じゃ不服なの?」


 お返しと言わんばかりに、嫌そうな顔で問われてしまった。

 喋るとまた暴言になりそうなので、首肯で返す。


「めんどくさいわねえ、ハンス! 代わりに説明して」

「かしこまりました」


 あ、ゴリさんの名前はハンスっていうのか。


「それでは、姫様に代わり、このハンス・クロードが説明させてもらいます。あ、それと、もう喋ってもいいですよ。黙って聞くだけなのはやりにくいでしょう」

 

 何やらまだ穏やかではないが、一応発言の許可がでたから喋っていいのだろう。


「話しが分かるな、ゴリさん!(ご理解いただきありがとうございます。ハンスさん)」


 ……やっぱり思うように話せない。これって結構なストレスだな。

 昔、突然の海外赴任の記憶が頭をかすめた。あの頃も言葉の壁に苦労したなあ。懐かしの記憶に浸っていたら射るような視線と言葉で現実に引き戻された。


「あなたのその口調、もしかしてわざとなの? 凄く不愉快ね」

「ち、違うんだよ! 何か俺の考えてる事と発してる言葉が違うんだよ! (も、申し訳ありません。私の意思に反して乱暴な言葉遣いになってしまっています……)」

「信じられないわね!!!」


 もの凄く力強く否定されてしまった。


「いい? 愚かなあなたに説明してあげる。私の隷属魔法はね、相手の使う言語に関係なく私と、私の奴隷達と会話ができるようになるの。あなたがどこの出身でどんな国の言葉を使ってるか知らないけど、発言した言葉はきちんと私につたわってるの。分かる?」


 つまり、翻訳コンニャクか。魔法って便利だな。

 いや、全然便利じゃない。俺の言葉、ちゃんと翻訳されてないんだけど? 俺は日本語で話している。だけれども、一応は通じてはいる。言葉使いは全く違うけど。


「なあ、聞いてもいいか?」

 

 今度は意識して言葉使いを変えてみた。……なんでこっちにはきちんと翻訳されるんだよ。それなら敬語もきちんと翻訳してほしい。


「なによ?」


 ぶっきらぼうだが、きちんと応答してくれるようだ。

 よかった。意外と寛容なのかもしれない。

 見た目はきつそうなのに。


「日本語って知ってる?」


もし少しでも興味を持っていただければブックマークと評価のほどをよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ