ギルド訓練②
ギルドにある一番広い訓練場。
1番隊隊長が、各部隊の隊長と副隊長の出欠席を確認していた。
「だいたい集まったみたいですね。 欠席の連絡が来ているのが、3番隊隊長と6番隊隊長っすか。 お2人さんは、任務だそうです。 って、0番隊の副隊長はまだ来てないっすか。 遅刻ですかね」
集まっている隊長、副隊長達は、口々に言う。
「イアンさん来るんっすかね。 今日こそ勝ちたい」
「あー、勝ちたいな。 副隊長なのに隊長の俺より強いって。。」
「いや、模擬戦が近接戦だからですって」
などなどの会話をする、それぞれ部隊の隊長と副隊長。 そう、他番隊長達は、過去イアンに勝つことができていなかった。。
訓練場のドアが開き、みなイアンかと思いドアの方を注目する。
だが、入ってきたのは、ギルドマスターであるジルだった。
「お、だいたい集まってるみたいじゃな」
「「マスター、今日は見学ですか?」」
「ああ、ちっと今日は見学じゃ。 あと、これから2名が追加じゃ」
ジルの言葉を聞いて、各々イアンと誰だろうと考え、やはり欠席届がでている3番隊隊長と6番隊隊長のどっちかが来れるようになったのかなど考えていた。
すると、ドアが開くのだった。
加えタバコにフードを被った小柄な男が入ってくる。
「おい、ジルきてやったぞ!」
そして、その後ろには、0番隊メンバーを引き連れている。
「遅いぞ! 来てやったじゃないわ。 おぬしは今日は強制だっていったじゃろ。 早く来い」
ジルが小柄な男に向けて大声を出しつつも最後は溜息交じりでいうのだった。
他隊長・副隊長は、小柄な男、つまりシュンの登場に驚いていた。
隊長と副隊長の模擬戦を観戦するために、来ていた隊員達も騒がしくなる。
「おい、0番隊隊長なのか? 本物?」
「0番隊隊長コートきてんぞ。 しかも黒帝マーク付き」
「小柄だったんだな。 俺初めてみたー。 ラッキー」
「イアンさんでさえ強いのに、それ以上に強いってことか? 他隊長達とどれだけ実力が違うんだ?」
と見学していた隊員達のうち数名は、訓練場を出てギルド内へ。。
0番隊隊長の参加を知らせるために、ギルドいる隊員に声をかけにいったのだった。
そんな周りの反応に対して、気にせずシュンとイアンはジルの居るほうへ行くのだった。
正直、さっさと初めて終わりにしたいのである。
「はいはい、んで、いつはじめぇーんだ」
「はぁ、お前は。 自己紹介ぐらいせぇ、あとこれ引け」
ジルが渡したのはクジで、シュンはクジを引いてジルに渡すのだった。
「自己紹介ってなんていぇばいいんだよ」とタバコをふかし「ああ、0番隊隊長だ」というシュンだった。
ジルは、ただただ呆れているが、まぁよしとした。
他隊長と副隊長達は、どう反応すればいいか困っている状況だった。
◇◇◇
総当たりの模擬戦は、訓練場には3つ舞台が用意されており、1戦やって休憩だ。
合計6試合する事になる。
制限時間は20分で、初回ローテーションはシュンはお休みだった。
舞台袖では、他隊長も副隊長もシュンに話しかける事なく遠目で見ているのみだ。
シュンが模擬戦に参加しているという噂は広がり、続々とギルド内にいた隊員達が見学にやってきていた。
その状態に、シュンは見られてる事は気付いていたが、特に気にする事なくタバコをふかしながら、先ほど購入したばかりの本を読んでいる。
初回ローテーションの試合が始まって5分後、イアンが終わったらしくてシュンに近づく。
「隊長、どうでした?」
観戦していた周りはみな、本読んでたし見てないって心の中で突っ込むのだった。
「やっぱり、左足は右足より、ちぃーっと遅くなる。 前にくらべりゃいいがな。 じゃねぇーとまた顔面着地すんぞ」
そう言ってアドバイスするシュンに、適当にいってんじゃねーかと心の中で突っ込む周り。
「あー、3ターン目の時が一番わりぃー」
「やっぱっしか。 まだまだっすわ。 修行しまっす」
そんなシュンとイアンの会話を聞いて、
何、黒帝って本よみながら戦闘みてたってこと? まじっぱねー。 どんどん尊敬のまなざしがシュンに向く。 うぜぇーと思うシュンであった。
シュンの番だった。
刃おれといっても面倒だったため、シュンは木刀を2本持つことにした。
シュン的には、双剣の気分。。
だが、周りからすれば、黒帝といえば大剣が代名詞だが、シュンとしては魔武器がそうなっただけで、武器は何でも使えるようにアークから指導されていた。
シュンの対戦相手は、大柄で筋肉がしっかりついた男。 4番隊の副隊長で兄貴気質でもある。
体格差をみればシュンのほうが弱そうに見える
対戦と同時に、
「黒帝様は、今日は大剣じゃないですか? 武器、変えてもいいすよ。 では、参ります」
そう言って、シュンに向かう。 ”ドン”という音と共に男は飛ばされ「かはぁ」と膝をつき前に倒れて気絶してしまった。
シュンの対戦に注目していた事もあり、会場はシーンと静まりかえった。 まさか、副隊長が1撃で気絶。 そして、見学していた者は、シュンの動きの速さが見えず、何が起きたか分からなかったのであった。。
シュンは、シュンで、舞台袖に戻り、本を読みだした。 なんか、この模擬戦空き時間おおくねぇー。 暇じゃねぇーと思っているのだった。。。。




