合宿:1日目④
合宿所に到着すると、各々の部屋へ荷物を運び、この後の訓練のため急いで準備を始める生徒達。
それをよそに、2階建ての離れへとイアンは、シュンとリンを連れていく。 1階にいた他隊員たちと簡単な挨拶をすませて、シュンとリンは2階へ移動する。
イアンは、連携確認のためクラスメイト達が集合している場所へ移動するのだった。
俺は、念のためイアンから渡された隊員コートを着てフードを被り、タバコを加えながら、既に部屋で午後からの準備のため地図を広げて考えている。 それをみたリンは「われ、イアンの所いってくる」と告げて外にでていった。
◇◇◇
Side:リン
合宿所のグラウンド。 D組は、6名グループは4つで4名グループが1つとなっている。 4名の所に炎帝とロイがいる。 すでに、6名グループの2組がグランとイアンそれぞれと対峙していた。
すると、連携確認待ちの炎帝のグループが近づいてきて、その中の女生徒がリンに聞く。
「ノーマスさんと、フリークス君は、実践演習に参加しないって聞いたけど、なんで?」
「ギルドの任務で、ギルド隊員たちの補助をする事になったんです。 通常より人数が少ないので、雑務をする人がいないらしいんですよ。 それで、私達にっていう事になったんです。 シュンはもうすでに雑務しているのですが、私は午後からでいいって事で、こちらに来ました。」
(われの説明、なかなか矛盾してないな。 さすが、イアンが言っていた設定だ。。)
炎帝が今度は話す。
「今日の午後の演習は、ワーウルフの討伐だけど、演習の単位とれなくなっちゃうんじゃない? ノーマスさん、成績にひびくんじゃ。 ノーマスさんだけでも参加できるように、僕からグローリア先生にお願いしようか?」
(炎帝、なんで、この人は、いつもこういう面倒ごとをいってくる? しかもわれだけって。。 シュンはどうでもいいの? って言うより、ちゃんと言ったのに。 えっと、もしもの時の設定は。。。)
「成績は大丈夫ですよ。 皆さんが演習中、別の課題をグローリア先生が用意してくれるとおっしゃってました」
が、炎帝は、それでも食い下がる。
「実践ってなかなかできないし、僕たちのグループにせっかくだから入ってくれないか?」
「デリック、あんまりしつこいと、嫌われるわよ!」と炎帝のグループにいる女生徒が突っ込んでいる。
「次、早くこい!」とイアンに呼ばれ、「僕たちの番だ。 でも、ノーマスさん、グループの件、考えておいて♪」といってイアンの方へ走って行く炎帝達グループだ。
リンがここに来たのは、炎帝ではない。シュンが言ったロイを見るためだ。 イアンもロイが気になり、炎帝のグループを呼んだ。
彼らの戦闘スタイルは、基本炎帝が指示を出している。 ロイの得意属性は、土のようで壁を作っている。 他の属性は不明。
他の女子は、後方で水球を飛ばしていたり、矢を放ったりしているので後方タイプだ。
炎帝は、近・中戦のようだ。 剣をもってイアンにぶつかっている。 イアンにふさがれて後方にさがる炎帝に、すかさずロイが、槍を振っているのが見えた。
イアンの死角だ。 イアンは何事もなく防いでいるが、タイミングと場所は悪くない。
それを見て、リンは、炎帝は確かに学生レベルとしてはかなり強く他より頭2つ以上だが、馬鹿正直な攻撃が多く柔軟性にかける。 ロイは、学生レベルとして普通だが、周りをみて柔軟だ。 感性がいいな。 選ぶ魔法も今の状況をみて無理がないものを選んでいる。 シュンがいいかもという理由がわかる。 イアンの顔も同じだ。 連携確認後、みな午後の討伐前の昼食休憩に向かう。
「槍の君、ちょっときてくれ!」とイアンが呼び止めるのだった。
ロイが驚いた顔をしながらイアンの所に来る。 リンは気配を消して、イアンの後ろに隠れるのである。
「君の名前と、学園卒業後の進路を教えてくれ」
「は、はい。 僕の名前は、ロイ・ホジソンといいます! 属性は、土が得意であと水です。 商家の4男なのですが、どうしてもギルド隊員にあこがれて、学園に入学しました。 ですが、僕みたいに何も取り柄がなくて、デリックみたいに強くなです。 放課後よく、デリックと模擬戦するんですが勝った事がなくて」と緊張した様子で話すのだった。 デリックとしうのは炎帝の事らしい。
そんな炎帝の名前は無視して、話しを続けるイアン。
「そうかギルド隊員か。 まず、ロイ、お前はなんで強くなりたいんだ? 正直に答えろ!」
ロイに厳しい目線をむけて問う。 いかつい顔が問うのだから、臆する人が多い。 だが、ロイは臆する事なく、まっすぐイアンの目を見て話すのだった。
「誰かのためとか、守りたいなんて、僕には無理ですし、できないです。 ただ、自分の身ぐらい守りたいですし、それに強ければかっこいいじゃないですか。 だから、強くなりたいんです。」といいきり、そのあと恐縮しながら「すみません、こんな理由で。」というのであった。
ロイの回答に満足したイアンは笑いながら「かっこいいね。 最高の理由だよ。 よし決めた」といいながら、紙とペンを出して何かを書いて手紙をロイに渡すのだった。
「おめでとう。 まずは、候補の候補の候補だな。 これ持って、来週の土曜日の10時に1人でギルドにきて、受付に俺に会いにきたといえ。 誰にもいうなよ。」
「どういう意味ですか?」とロイは不思議な顔をしながら聞くのだった。
「0番隊の隊員候補の候補の候補として、隊長に会えるかもしれねぇーという切符だ。 当日楽しみにしとけ!」
「えーーーーーーーーーーー!! ゼ、ゼ、た、隊長って」と絶叫したロイ。
「少年よ落ち着け。 実習でたいしたことなかったら その手紙はなかった事になる。 精々気張らず、いつも通りの平常心で挑め。 おめぇーは、素質があるかもで、候補の候補の候補のほんとの下っ端だ。 わかったな!」
すると、ロイは落ち着いをはらって、「頑張ります。」といってお辞儀してその場を離れるのだった。
◇◇◇
その場に残るイアンはニヤリ笑みを浮かべながら、振り向いてリンに伝えるのだった。
「さっき、念話で隊長とも話しました。 なんか、土と水の魔術の本読ませるっていってましたわ。 学園在学中は、基本重視らしいですが、体術と槍の使い方は俺で、基本俺の弟子にするそうです。 楽しみっすねー」
「そうか、シュンが魔術まで教えるとは珍しいな。 ロイが、数学、物理、化学を理解できるかだな。 われもほとんど理解できなくて、ほんの少ししか魔術はつかえん」
シュンは、いままでリンにしか魔術を教えていない。 イアン達は得意属性の最上級まで演唱破棄で使える。 ただ、年齢の関係で魔術を教える事ができなくて断念したが、理論などは教えているのだった。
「あはは、あれ理解するには、学者以上の頭脳ないと無理っすよ。 しかも、隊長の頭いいレベル超えてますもんね。 そして、隊長自身が、なぜ俺らが理解できないのかわかってませんもんね。」というイアンに、首を縦にふって同意するリンであった。
その頃、シュンは時間があったので魔術書を読みながらくしゃみをしていた。 風邪か?とも思うが、風邪なんて引いた事がないので気のせいかとおもいまた読書を続けていた。




