学園の授業
翌日の授業。
シュンは、教科書もノートも開かずにまた窓の外をみていた。
グランがシュンの席まで来る。
「シュン、初日はなにも言わなかったが、お前教科書忘れたのか?」
「あるよー。 なんで?」
「ったくよ、本当に一般常識に疎いんだな。 学科の授業の時は、教科書とノートを机の上にだすんだ。 ノートには、黒板の内容を写したり、注意点など自分なりに纏めておいて、テスト勉強や復習に活用する。」
そう呆れながらいうグランいわれて、俺は仕方なく教科書とノートを机の引き出しからだした。 その光景に満足したグランは、授業を再開している。 教科書とノートを出したはいいが、もう覚えているので書く事もない。 やっぱり、する事がないから、窓の外を見始める事にした。
すると、リンからの念話:
リン:「シュン、暇なんだろ。」
シュン:「ああー、授業つまんねー。 ノートも書く必要もないしな。」
リン:「だったら、教科書の背表紙だけ変えて、別の本をよむといい」
シュン:「お、それいいな。 リン、ありがとう」
リンの提案で、俺は教科書の背表紙を変えて、魔術書を読み始む事にした。
シュンは、授業は一応聞いているが、多重思考のため平行して本を読む事も可能だった。
そして、午前の授業が終わると、リンが学園に図書館があるという。
シュンは初めて図書館にいき、棚をみながら”あんま専門的なもんねーな”といいながらも、適当に魔法学、魔方陣学、歴史、植物、魔物など20冊ほど借りるのだった。
こうして、当面の間、午前の授業は図書館で借りた本を読むという生活をするのであった。
ちなみに、シュンは気付いていないが、図書館で借りているのは、殆ど学生に読まれる事のない難しい分類ばかりであった。




