魔武器生成
魔武器生成のためグランドにいる、シュンとリン。
1学年の全生徒約150人近い人数がクラスごとに集まっている。
殆どの生徒が、初めての魔武器生成という事で、皆テンションが高く、興奮し煩い状態であった。
そんな状況に耐えられない、俺は、集団の塊からかなり離れた所にリンと一緒にいる。
クラスメイトらしい数名の男子が近づき、リンを誘っているが、リンは断ったりしている。
俺に話しかけたものもいるが、俺は完全に無視していた。
◇◇◇
授業開始前に、グランが離れたところにいた俺とリンを見つけたらしく、俺たちに2個の魔鉱石を渡してくれた。
「これ、お前らの分だ。 シュンはあの集団の中に居られないだろうし、お前ら特に説明無しでも魔武器は作れるだろ？」
「うん。作れるよー」
「はい、作れます」
グランはグランで、ちぐはぐのシュンなので、まさか、作った事がないとかあったら困るなと悩んだが、ここはギルド隊員候補生ってこと魔武器の造り方を知っている事に安堵していた。
「生成したら、武器の登録があるから、ノーマス、俺の所に報告に来てくれ。 魔武器の生成後、各クラス代表者を数名だして模擬戦するんだが、お前らどうする？」
「グラン、今日さぁー、この後ギルドに行かなくっちゃいけないんだー。 作ったら、帰っていい？」
グランが頭を掻きながら言うのだった。
「あぁ、なんだ、俺一応先生だぞ。 名前でよぶな。 っていても、お前は仕方ねぇーか。
それに、作ったら帰るって。。 あー、本来は駄目だ。 が、お節介焼きの生徒達がやけにノーマスを気にしてんだよな。 面倒な事になるの俺 勘弁だからよ、 お前らこっそり帰ろよ。 んで、俺は知らねぇー事にするから」
そう言って、その場を離れクラスの方へ向かうグランだった。
「グラン、いい奴だな」
「うん、いい奴だな」
俺たちはお互い見あって、苦笑した。
それから、俺とリンは、更にグランドからはなれば場所へ気配を消して進んだ。 丁度いい場所があったので、俺とリンのいる場所に結界を張った。
さすがのグランでも気づいてみたいだ。 ちょうど、興奮中の生徒たちに魔鉱石を配ってるようでこちらの魔力には反応していないっぽい。。
結界内で、学生レベルの制御の腕輪をはずし、俺たちはそれぞれ魔鉱石に魔力をそそぐ。 すると一瞬光ったかと思ったら、武器が生成がはじまるのだった。
リンの手元には、白銀の双銃が、俺の手元には漆黒の双剣が握られていた。
黒い武器に、俺はちょっと嬉しい。 リンも遠距離武器で嬉しそうである。
「試し切りしてぇーな。 リンは、銃か。 寮の訓練場に射撃場もつくんねぇーとな。」
俺はタバコに火をつけて一服し、悪い笑みを浮かべている。 折角、ちょっといい感じの魔武器だし、早く使ってみたい。
「ちゃっちゃとギルド行って、討伐でもいくか？」
「われ、グランところいってくる」
リンは、隠密で消えて、グランの所へむかい、ものの数分で戻ってきた。 リンも試し射ちがしたいようだ。 さーてと、ちゃっちゃとジルに会って、適当にどこかの森でも言って間引きでもすんかな。 なんて考えながら、俺はリンと共にギルドのマスター室前に転移するのだった。
ちなみに、気配を消したままグランの行ってしまったリン。 グランを一瞬驚かしてしまったようだが、グランは他生徒たちの相手で忙しかったようで特に気にしていなかったようだった。
午前中に来たのでジルは驚いたが、手続きはそれ程かからず終了。 ついでに、俺たちは偽造カードへ手持ちの現金を受付で入金しておく。 さすがに、所持金0は任務をしていないという事になるので、入金しておいた。。
俺とリンは、ギルドを出て、裏路地へ移動。
すると、見知った男3人組が待ち伏せしており、俺とリンに0番隊のコートをかぶせ、フードを被せるのだった。
「タイチョー確保！」
「いざ、うまいエールを昼間っから飲める場所へー」
半ば強引に、でもエールと聞いてされるがままのシュンとリン。 そう、待ち伏せしていたのは、イアン達がであった。
