長期任務①
夜の任務、通常任務と任務漬けの日々を過ごしている、シュンとリンやイアン達。 0番隊メンバー全員でとある遠征任務後、ジルにマスター室に来るように呼ばれた。 珍しくリンも一緒に来いというのである。 嫌な予感かしないが、マスター室にむかうのだった。
ノックもせず、扉を開けるシュンとリン。
「ジル、何のようだ」
「シュンとリンも、17歳になるよな」
俺とリンは、素直にうなずくのだった。
ジルが、頭を掻きながら、言う。
「シュンとリン、長期任務だ。 来週から王立魔法騎士学園の高等部に通ってくれ」
シュンはタバコに火をつけ、吸いながら、やや怒りながいうのだった。
「あぁ！ って、学園ってなんだ？」
俺は『学園』というのを知らなけど、どう考えてもいい内容ではないから、怪訝な顔をしていった。
そもそも、ジルが頭をかく態度に嫌な予感しかしなかった。
ジルは、ジルで、そこか！と思いつつ、リンを見るがリンもシュンの態度に驚いていたのだった。
ジルは咳払いをして、説明をする。
「学園とは、13歳以上である程度の魔力量があって、将来の有望の若い者を王国中から集めてな、魔法師や騎士を育成する場所があるんだ。 イアンも確かその学園の出身だったはずじゃ。 ギルド隊員の6割が、その学園の出身じゃ。 6割が貴族だが、イアンのような有望な平民たちもおる。 そういう学ぶ場所があるんじゃ。」
ジルの説明を聞いて、俺は、そういう場所があると、理解するがあまり乗り気ではなかった。
「んで、なんで俺とリンがいかなきゃいけねぇーんだ？ 俺たちに学ぶ事はねぇーだろ。」
ジルは、特にシュンは学業という点で学ぶ事は何もないというのを理解していた。
「シュン、長期任務だといっただろ。 帝国軍のいざこざが収まった後から、最近魔物の数が増えてきておる。 学園は、課外授業などもあったり、将来のある若い有望な生徒が危険にさらされては困るのじゃ。
そこで、緊急時の守護として、同年代の生徒を送りこんでほしいという学園からの依頼じゃ。
それ以外は、学園で学ぶもよし、なんなら同年代の友人を作るのはどうじゃ。 もちろん、リンも一緒に生徒として行ってもらう。 ギルドでちょうど良い年齢がお前たちだけなんじゃよ。」
「俺、人間多い所きれぇーなんだよ。 それに、緊急時の時にいけばよくねぇ？ それに、友達ってなんだ？ 俺はリンがいればいい」
ジルはジルで、確かにシュンの指摘はもっともである。
「友達ってのは置いておいてじゃ。 その、いつ緊急時になるか、わからんから学生として待機しとくんじゃ」
「うーん。 めんどくせぇー。 でも、任務なんだよな。 リン、どうする？」
「われ、シュンが行くならいく」
ジルに対して、念を押すように俺はもう一度聞く。
「任務なんだよな？ んで、俺らぐらいしかいないってのが本当なんだよな？」
「そうじゃ」
「任務ならしょうがない。 わかった。 学園ってとこにいきゃいいんだろ！！」
