少女との生活 前編
それからのシュンとリンの不思議な生活はこうだ。
朝起きると、シュンがどこかに連絡をする。 数分後に、扉がノックされ、その数分後、シュンが扉を開けると朝食が用意される。 この日から、2人分だ。 食べ終わると、1時間~2時間程度訓練場で運動をする。
シュンにとっては、流しているだけだが、リンにとってはきつい。 がリンは、文句もいわずもくもくとシュンの訓練と教えに耐えていく。 魔法の練習では、リンが演唱すると、シュンは笑いをこらえている。 無表情のシュンの表情が変わるのである。 シュンの魔術をみて、無演唱の魔術に驚くリン。
シュンは、リンのために、というよりも、演唱で笑いを堪えるのが嫌で、シュンはリンの属性に関する魔法について魔術を教える事にした。 といっても、勉強は1人でやるものだと思っているシュンは、教材を与えるのみである。
昼食も朝食と同じで、扉の前に用意される。
その後、シュンは時より、外出する。。 帰宅後は血塗れでかえってくる。 が、本人は無傷だ。 リンは、シュンが何をしているかまたく知らないが外出する時は必ず返り血で血塗れで帰ってくると認識した。
外出しない時は、シュンは一人掛けソファで読書をしている。 リンは、勉強をする。
夕食も朝食と同じで、扉の前に用意される。
夕食後、読書している時もあれば、訓練場にリンと行くときもあり、またシュンは外出し帰宅すると血塗れである。
お互いの会話は必要最低限しかしない時間が1か月続く。
特に今日は外出の予定がないのか、午後からいつもの指定席で、読書をするシュン。
すると、3人掛けのソファーに座るリン。
「シュン、今なんの本を読んでいるんだ?」 俺、シュンが本をめくりながら「魔術書。 リンも読む?」と聞いた。
「魔術書は、われには難しい。 それに、シュンの書庫の本は歴史以外難しくて読めん」
そうなのか?
「リンが読みたい本あったら教えて、ジルに頼むから」
「わかった。 リスト書く」といって、俺にリストを渡す。
リンはジルがだれだか知らないが、シュンがジルに頼むというと、後日には物が届く。 ほとんどが本であるが、たまに日用品もあるのであった。
それから、半月が過ぎ、シュンが「アークの所行く」とリン言ってていなくなってしまった。
その時リンは初めて気づくのだった。 部屋の外にでようとしても、扉が開かないのである。 窓も開かない。
よくよく考えてみると、シュンの部屋から訓練場までもシュンの転移で移動しており、リンは今自分がどこにいるか知らなかった。
食事を頼みたくても、シュンがやっていたのでわからない。 仕方なく、リンは非常食を食べ、なんとかコーヒーを淹れてしのぐ事にするのだった。