0番隊発足式
13歳になったシュン。
今日は、新たに番隊が設立するという事で、ギルド内の一番広い訓練場には各番隊長、番隊、そして隊員達他、ギルド社員等が全員集まっている。 新たに新調された0番隊の副隊長コートを着たイアン、0番隊隊員コートを着たサルとカイもいる。 サルが、イアンに「隊長、いないっすけど、どうしたんすか?」と聞くと、イアンが爆笑しながら「隊長らしいったら、隊長らしいだけどよ。 今朝、マスターの所にきて、アークの所いくっていっていっちゃったらしいぞ」というと、サルが爆笑しながら、「隊長らしいってか、きっと今日の事わすれてるよな」といい、カイも爆笑しながら「ああ、興味ないこと聞いてねーからな」という。
そう、シュンは、アークの所に行ってしまったのだった。
ジルが特設された檀上に立ちあがる。
「うほん。 本日皆集まってくれてありがとう。 本日より正式に番隊を1つ増やし0番隊を発足した。 0番隊を紹介しよう」といって、イアン達がジルのほうへ行く。 たった、3名の部隊、いや隊長不在の部隊にすこしざわつく他隊員達。 イアン達はニヤニヤしている。 すると、そんな状況は無視してジル。
「イアン、サル、カイは皆知っていると思うが、元1番隊隊員だったが、この度0番隊隊長の意向で0番隊隊員となる。 なお、イアンが副隊長を務める」というと、皆イアンがいままで隊長・副隊長職を断っていたのを知っているため、少し驚きざわめくが、姿のない0番隊隊長に興味津々なものもいる。
ジルが少し呆れた顔になり、
「んで、肝心の0番隊隊長なんじゃが、あやつめ、勝手に休暇をとってでかけてしまった。 なので、今日は欠席じゃ。 なお、皆に伝えておくが、0番隊隊長の実力はイアンを大幅に上回っておる。 そうじゃな、イアン」
「ええ、うちの隊長は強いのなんのって、俺が本気でやっても俺が5分もちませんから」
イアンの実力を知るものは更に騒然となる。
「じゃが、やつは自由奔放で、人との関わりが苦手で、騒がしくされるのを嫌うのじゃ。 今回のような大勢集まる所などは、苦手でな。」と呆れ顔になるジル。 そして、真剣な顔になるジル。
「ギルドマスターからの、隊員そしてギルド員、全員への通達じゃ。 0番隊隊長を見かけたとしても、あまり騒がしくせずそっとしておいてくれ。 また、やつは外出時フードを被っておるが、フードを外す事を促すような事はしない事。 そして、各員、0番隊隊長に対して無用な詮索、干渉も一切禁ずる。0番隊隊員以外は、0番隊隊長への接触を当面禁じる」
なんとも質問したくなる0番隊隊員以外の者たちだが、ギルドマスターの命令である。
背く事はできず、皆一斉に「承知しました」と承諾するしかないのであった。
この日、シュンは正式に0番隊隊長に就任し、ランクSSSとなる。 同じく、イアンもランクSSSになるのであった。 ランクSSSの上は、帝のZか、世界最強の称号Xしかなく、ギルド内の最高ランクはSSSだ。 そのため、いくらシュンとイアンの実力差があったとしてもランクSSSしかない。 シュンは興味がないが、シュンの最初のランクSSも今回のSSSも、ギルドでは史上最少年齢でのランク取得で、以降シュンの年齢でこのランクになる者は現れないのである。




