ギルド試験の結果 前編
しばらく、アークとシュンが談笑していると、ジルがマスター室に戻ってきた。
何か、いろいろ手にもっている。
ソファーに座ったジルが、シュンのほうも向いていう。
「シュン君、いや、シュンだな。 イアンとの模擬戦と魔法実技の結果から、ギルド隊員として試験合格じゃ。 シュンの能力を見て、12歳だが、異例のギルドランクはSSにする。 本来、SSSでもよいが、SSSは隊長クラスでな、任務をこなして経験をつんでからじゃ。」と言われるが、興味なさげで無表情のシュンである。
ジルが説明を続ける。
「で、住む部屋なんじゃが。。 シュン、ギルドにはシュンと同年代の子供達が戦闘を学びながら初等教育レベルの勉強を学ぶ寮があるんだ。 シュンは12歳だし、戦闘能力が高いのはわかったが、彼らと一緒に勉強するという意味でそこに住むのはどうじゃ?」と聞かれ、「嫌。人間いっぱいいるの嫌」と即答のシュン。
「そこには女がいるか?」とアークが聞く。
「寮は分かれているが、勉強の時間の時と食事は同じだ」
「シュンには無理だな?」というアークに、シュンも「うん、嫌。女いるの、嫌」といい嫌がる。
その様子に困るジル。
「勉強する必要があると思うんじゃが。。 同じぐらいの年代であれば人間になれるのにはいいと思ったんじゃが」と悩む。
「勉強っていうのは、どのレベルを教えている?」とアークが聞き、ジルが立ち上がり本棚から何冊か教材を渡す。 アークが確認し、シュンにも渡す。
シュンはぱらぱらめくりながら、「アーク、これ全部5歳の時にやったよ」というのであった。
「だな。 ジル、悪いがシュンは既にこれ以上の事は勉強している。 シュン、今読んでる本を見せてあげろ」といわれ、一冊の本をジルにわたす。
ジルが開くと少し驚きながら「これは、たしか魔術書だな」というと、アークが「ああ、俺もそうだが、シュンの愛読書だ。」というのであった。
魔術書は、儂が読んでも理解不能の高難度の書物じゃ。 それを愛読書と言われてしまうと、納得するしかないジルは受け取った本をシュン返すのだった。
「シュンには勉強も不要ってことじゃな。 魔術師じゃからな、基礎学力以上はみについているってことじゃな。」「ああ、そうみたいだな。 しかも、シュンは読書がすきだ」と伝えるのアークだった。
勉強も不要のシュンの住む所をどうしようかの悩むジル。 すると、マスタ室のドアがノックされる。