突然の訪問者 後編
状況に追いついていないジル。
そんなジルにアークがジルのほうを向いていうのだった。
「急に女が入ってきて、びっくりしたぞ。 まぁ、なんだ。 シュンは、年齢問わず女が嫌いでな。 だが、女のほうはあーやってシュンに抱き着くんだ」といい、「俺がシュンを止めなければ、シュンがさっきの女を殺すからな、とりあえずまずいかなって思って、気絶させて部屋の外にだして、この部屋は、今、侵入禁止にしてある」と告げる。
あの一瞬で、結界まで。 そして、あの秘書の態度にも驚きが隠せないジル。
「ああ、驚いた。 飲み物でも思って、秘書のマリアを呼んだんじゃが、仇となるとは。 そちらこそ、すまんかったな。」と謝り、ジルは一息つきながら、「それでじゃ、今回の訪問の目的について教えてほしいんじゃが」と話を元に戻すジルである。
「シュンを育ててもう7年になる。 こいつが、5歳の時だったから、今12歳だ。 すでに、ある程度戦闘も魔術も教え込んであるんだが、俺らの住んでいる所は魔の森で、人間との関わりがない。 シュンも、もう自分の身は守れるようになったから、人間と少しでも関わりを持たせたくってな、悪いがこいつを暫くここで預かってくれないか？」とニタリ笑いながらいう。
そんなアークの言葉に、ジルが少し悩みむ。
「12歳か。 ギルドの一般は年齢問わず誰でもなれるし、戦闘能力がランクD以上であれば討伐依頼を受ける事もできる。 一応隊員も年齢問わず戦闘能力ランクA以上であればなれる。 して、アーク殿、魔力量がその年齢にしては多すぎじゃが、戦闘能力はどのくらいじゃ？」
そんなジルの質問にニタリと苦笑するアークだ。
「俺に人間のレベル聞かれてもしらねーが、こいつは血みるのが好きでな、魔の森の魔物だったら1人で適当に間引けるくらいまでは育てた」
「はぁあああ、12歳で、あの人間が一度踏み込んだら出てこれないといわれている魔の森の魔物を相手ができるのか！」と驚き、そしてジルは「儂としても戦力が増えるのはありがたいことじゃ。 シュン君を預かるは承諾しよう。 とりあえず、ランクSの奴と模擬戦してもらって、あとは魔法の実技試験もして、とりあえずシュン君の能力をみたいのじゃがいいか？」
そのジルの申し出にまたニタリ笑うアーク。
「構わないが、シュンの模擬戦の相手は、ここのギルドで一番強いやつにしてくれ」
「いいのか。 負けるかもしれんが、まぁ、アーク殿がいうんのだから、うちのギルドで近接戦に一番強い男を相手させそう。」と承諾するジル。
「さっそく、準備をするので、少しまっていてほしい」
ジルはシュンのほうを向いて「シュン君、君の髪と瞳の色なんじゃが、この国ではかなり珍しいというか、いないといったほうがいいんじゃ。 試験を受ける時は、フードを被って、容姿があらわにならないようにしてほしいんじゃが、よいか？」と聞くと、シュンは「わかった」といって、さっそくフードを被るのだった。
そして、ジルは、さっそく準備にはいる。
