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白銀の黒帝  作者: 八木恵
3章:魔王編
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ギルド生活:魔物襲撃①

それから数か月たち、魔王襲撃まであと7か月弱。

俺とリンは昼食を終えコーヒーをのんでいた。 俺はタバコをふかしながら、読書していると、ジルからの念話がはいる。


俺はタバコを消して「リン、始まった。 5,000だ。 イアン達もつれていく。 いくぞ」というと、リンが「そうか、われわれも最終準備していかないとな」いう。 「ああ、そうだな。」といい、イアン達と合流するために移動。


ここは、旧帝国と王国の国境地点。 未知の魔物5,000で、小型、中型系ばかり向かってきている。

「久々の未知だな。 白炎で、今日は数百殺す。 たかだか、5,000だ。 お前らがメインでいけ、イアン サル カイ」と指示するシュンに、イアンが驚いた顔で「いいんすか?」と聞くのだった。 いつも率先して自分から殺していく俺だったのに、初めての言葉だったからだ。


俺はタバコに火をつけ、「たまには、おめぇーらの連携みてーし、5,000なんて俺1人で十分だろ。 過剰戦力だからよ、さっさと殺すぞ」といって、タバコをふかしながら、白炎を放ち数百を殺す。 

それを見て、イアン達も動きだし、3人の惨殺がはじまる。20分程度で討伐は完了し、黒炎で死骸を処理するリンを横に、俺がタバコをふかしながら「5,000相手にあと5分くらい縮めろ。 帰るぞ」という。


イアン達はその言葉の真意がわからないが、俺が機嫌が悪いのだけわかる。イアン達も「わかりました」と返事をするのだった。 ギルドに戻るも、特に食事へ行く雰囲気でもないので、そのまま別れるのであった。


◇◇◇

それから隔週毎に元国境地点に、小型、中型系の魔物が3,000~5,000出現するようになる。

その度にシュンとイアン達5人は、討伐に向かうが、討伐はすべてイアン達にまかせていた。 2か月経過するかしないかで、3人は既に中型未満5,000であれば15分以内で討伐を完了していた。 

すると、イアンが「隊長、俺ら別に隊長とリンさんが何しようか構わないっす。 が、そろそろ俺らに教えてくれませんか? ほら、目標達成もしてるんすし」と真面目な顔で、ただ目は悲しそうだ。 サルとカイも同じ顔をしている。 


「なに、そんなシリアスな顔してんだ。 似合わねぇーぞ。 んじゃ、5人で食事いくぞ!」と笑いながらいう俺。 


討伐後5人で食事するのは数か月ぶりだった。

エールをのみながら食事しているが、イアン達は静かである。 

「おめーら大人しいな」って俺がタバコふかしながらいうと、リンが「イアン達、知りたい。 教えてあげたほうがいい」言われた。 まぁ、時期も時期だ。

「そーだな。 お前ら、当事者になんかもしんないしな。 ただ、信じられねぇーような内容だが、真実だ」と前置きし、俺はタバコをふかすのだった。 イアン達3人はそれを聞いて、頷くのだった。


それから、俺は話した。 魔王の事、魔界の存在、召喚魔法陣の事、そして魔王襲撃の時はシュンとリンは参加しないためイアン達をふくめて他隊員も鍛えていた事と語る。 語り終えると、イアンがエールをのみほし、「はぁーーーーーー なんすかそれ。 あと4か月だってのに、なんのお触れもなしって。 どんだけ、頭お花ばたけっすか。 俺らは、奴隷なんて嫌なんで、自分の身は自分で守るっす」といい、カイが「ああ、俺もイアンと同意だ」といい、サルも「ほんと、奴隷なんて勘弁すから、俺もイアンに同意っす」という。


俺の想定通りの反応だな。


すると、イアンが「1つだけいいっすか、てか気になるんすけど。 血ぃー浴びるの大好きな隊長が、なんでこんな大イベントに参加しないっすか?」というと、サイが「そうそこ気になすっす」といいカイも「ああ、何でっすか?」と聞いてくる。


やっぱ、気づかれた。 とりあえず一服だな。


「やっぱ、お前らいい奴らだ。 グランを気づかなかったのによ。 折角カールから取り繕うっていうやつ学んだのにな」と爆笑した。

「うん、イアン達するどい」といってリンも笑う。


エールを飲んでタバコをすいながら、

「ほんと、おめぇーらが討伐してん間 うずうずしてしかたなかったわ。 おかげで、おめぇーらと別れた後、リンと適当に魔物まびぃーてたわ」って、この数ヶ月の鬱憤をいう俺。


「「「なに、我慢してんすか」」」といつもの用に笑うイアン達。


「ほんと、我慢って最悪だ。 まぁ、話それたな。 その大イベントの時、おれ、魔術師として動かなきゃいけねぇーの。 アークとも相談したんだけどよ、魔王が開ける次元ゲートってのが、開きっぱなしで一方通行なんだ。」といいって、エールを飲む俺。 


「んでよ、開きっぱなしってのが良くなくてよ、もし、この世界と魔界の時間軸がちげーと仮定っすとだな、時間の歪みとひずみがおきちまって、閉じねぇーとこの世界が消滅すんだ。 さすがに、それだけは阻止しねぇーといけねぇーし、それできんの俺だけだしな。」といってタバコををふかしながら、「つぅわけで、その大イベントでおめぇーらが楽しんでるって時に、俺は地味ーに、ゲート解析してゲート閉じているってわけよ。 んで、アークとリンは、その間邪魔する奴の相手だ」といって、エールを飲み「すんげー地味なのによ、たぶんゲート閉じんのに、おれの魔力半分以上かほとんど使うわけよ。 つうわけでよ、裏方に徹するんだよ」


殺しなしの裏方だよ!


「はぁー、残念っすねしか言えないっすけど、隊長って魔術師なんだって思いましたよ。 てか、それ公表すりゃ、興味ないと思いますが、英雄っすよ。英雄」と笑うイアンだ。


英雄とかって、とりあえずエールのみほす俺。

「そう、それ。 面倒くせぇーし、ほら馬鹿な宮廷魔法師とか、正義感あふれたやつとか一緒にきてみろ。 やつらの演唱で、笑い堪えるの必死で、ゲート閉じんの失敗したらたまったもんじゃねーだろ。 だから、秘密裡にジ地味ーにやんの。 おめーら秘密だぞ」と嫌そうに笑いながらいっておく。


「あー、欲の塊みたいのが出張ってきそーっすね。 納得っす 言いませんよ」というイアン達の表情は、誰にも言わないという顔だ。

すると、イアンが「隊長もうずうずしてねぇーで、俺らと一緒に大イベントまで、楽しみましょ」言われた。

「もー、我慢しねぇー。 どうせ、間隔も数も増えっからな」といって、エールをのみ、リンも「うん、われもだ」といってエールをのむのだった。


◇◇◇

それから、魔界の魔物の出現する間隔は狭くなる。 小型、中型だが、1万だ。 それも週毎になり、3日間隔となっていく。

毎回、0番隊ばかりではなく、戦力を底上げしていたおかげで他番隊も出る。


徐々に間隔が狭まるにつれ、元帝国と王国の国境付近の村や街が魔物に侵略され始めるのであった。 

これは、ギルドへの通達遅れにより、討伐部隊の派遣が遅れたのが大きい。 貴族や国のしがらみが原因だった。

もちろん、魔物は旧帝国のほうにもむかう。 そっちのほうが、しがらみが原因でなかなかギルド支部へ連絡がいかず被害は甚大だった。


間隔が狭まるにつれ、魔物の数も多くなり、四方八方に分散していくため、全てを討伐するのもギルド隊員だけでは追いつけなくなっていく。 シュン達も5人で討伐に行くときもあるし、それぞれペアで討伐に向かう日々となり、ほぼ毎日任務をうけていた。 といっても、数千、万単位など、シュンもイアン達も苦でなく、楽しんでいたというのが現状だった。 5人で行けば食事に行くし、別々の任務であってもギルドであったり、イアン達の誘えがあればシュン達も参加していた。 まぁ、シュンやイアン達にとっては楽しい時間を日々すごしているという状態であった。

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