表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白銀の黒帝  作者: 八木恵
1章:白銀の黒帝の誕生
13/173

帝会議

帝会議の日。。。


帝会議は不定期であるが、ときより王都のとある会議館で開催される。

今回は、黒帝となったシュンの顔合わせと、帝国軍の動向についての意見交換が目的だった。


◇◇◇


総帝ローブにフードを被ったジルに連れられて会議場の手前まできている、シュン。 新たに新調された黒帝のローブでフードを深く被っている。 ただ、0番隊隊長コートのフードより大きく、被り心地が悪いし、ローブは動きづらい。 それだけで、既に機嫌が悪いシュン、その上に出席したくない会議にきているので、この時点で既に機嫌が悪いのであった。



3階建ての会議場の3階の会議室の扉の少し前で、急に立ち止まるシュン。


「急に立ち止まってどうしたんじゃ?」


「この中から、殺気放つ奴がいる。 殺していいの?」


「討伐や暗殺任務以外で、殺しはダメじゃと何度言ったらわかるんじゃ」

呆れた声でいうジルだった。


「殺気放つ奴がいたら殺していいって、アークが言っていた。 ここではダメなの?」


「ああ、ここではダメじゃ。」

再度念を押していうジルだった。


「アークは、一般常識を教えないで、何を教えとるんじゃ」

聞こえるか聞こえないかわからない声でボソッというジルだった。

ますます早急に一般常識を教えないといけないと強く決心するジルであった。


そんなことを考えながら、扉を開けて中に入ろうとすると、シュンが速攻帰ろうと振り向くのだった。

シュンの首根っこを捕まえたジルであった。


「我慢するのじゃ。 お主は儂の隣じゃ。 離してある」


そう言って、無理やり中へシュンを引きずりながら部屋へ入室するのだった。

既に到着している他の帝達は、わがままな子供を無理やりつれてくる親という図式の登場に苦笑いを浮かべていた。


シュンが速攻帰ろうとした理由は、ただ一つ。 女がいたからだ。 水帝が女なのである。 そのため、女嫌いのシュンは匂いを感知して帰ろうとしたのであった。



ジルとシュンが席に座ると、ジルが黒帝の紹介をしようとする。


が、「儂はこんなチビが帝など認めないぞ」

土帝が罵し上げるのであった。

それを起点に、氷帝、水帝も騒ぎだすのだった。


あれ、俺ってチビなのか?と思いつつも、俺はただでさえ出たくない会議だった。

直ぐにでも転移して帰るつもりが、ジルが帰さないぞという形で、ずっとローブのすそを足で踏んでいた。 ジルも考えていたようだった。

仕方なく、俺は、誰にも気づかれないうちに防音結界を自分の周りにはった。 うん、静かになった。


一方、シュンがそんな事をしていると知らないジル、他帝達は、話かけても、罵っても全く答えないシュン。 そんなシュンに、周りはあきらめたのか会議はいろいろと進行しているようだった。


◇◇◇

俺がボーっとしていると、変な気配を感知した。 

先ほど、ジルにここで殺しはダメと言われたので、防音結界を解除して隣のジルに聞いた。


「この建物の周りに3人間者がいる。 殺していいか?」


他の帝にも聞こえたのか皆驚いた表情をした。


「殺してはダメじゃ。 捕まえてきてくれ。」

それと当時にジルが足で踏んでいたシュンのローブを開放したのだった。

早速俺は、近くの窓から外へ出でた。


数分後には、俺は3人を捕まえ拘束して戻ってきた。

「これ、どうする?」


「所属と目的を聞け」

ジルも機嫌が悪いようだった。


「3人もいらないね。 女いるから、2人は消すか」

俺は、さっさと暗器のナイフを出して2名の首を切って絶命させた。


「所属と目的は?」

俺は、ナイフを突きつけながら殺気を放つ。


間者の男は、本来黙秘を貫かねばいけない立場だがシュンの殺気により、ふるえた声でいうのだった。「おお、王宮から来た。 こここ、黒帝の情報を集めるためだった。。 おおお俺も殺すのか?」


俺はとりあえずジルに言われた事をしただけだったので、この男は用済だ。

俺はジルのほうを向いて指示を仰ぐのだった。


「外に出しておけ」

ジルがそういったので、俺は窓の外に拘束したままほうりだした。


ジルはジルで、王の行動にイラっとしており、簡潔にシュンに『外に出しておけ』と告げてしまった。

そのため、シュンは、そのまま男を窓の外へほうり出したのであった。


常人であれば、ドアの外へと思うが相手はシュン。 

外いわれてたので素直に3階の会議室の窓から、縛ったままの男をそのまま捨てたのであった。 

その行動を見て、ジルは自分の指示の仕方に誤りがあったと考え、シュンの行動について何も言わなかった。


が、他帝達は、身長から推測しても少年、もしくは、まだ若い背の低い青年である事は声から察していた。 そんな子供が、感情もなく淡々と人を殺していく姿を目の当たりにして、畏怖や嫌悪といった感情をだしてしまったのであった。 

もちろん、帝なので人を殺した事がないわけではない。 ただ、あまりの無慈悲であった事に驚きが隠せないというのもあった。


俺は、俺で、ジルから解放されているため、今がチャンスと思い、会議室から退出するのだった。


ジルも、止める雰囲気ではなかったため、何も言えずにというか、これから来る他帝たちの対応に頭を切り替えていたのだった。










黒帝が退出後、後を追うように炎帝も退出するのであった。。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ