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白銀の黒帝  作者: 八木恵
3章:魔王編
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ギルド隊員入試試験①

ギルド隊員入隊試験日。 


ギルドランクA以上の応募希望者や、ランクが低くても各支部長の推薦者が共和国内から集められていた。 総勢約1500名だ。

いままで、年1回だが、合格者は10名もみたない狭き門だった。 魔王襲撃にそなえて、有望なものがいれば隊員候補枠を作る予定でもあった。 今回の試験は、その初の採用もあり基準もいままでより低くしようとしていた。 つまり、人員確保である。


シュンが失踪した時のメモを信じ、ジルは部隊を増やし今は15部隊まである。 11~15部隊は主に副都を拠点としている。


会場は、ギルド内の訓練場では入りきれないため、王都にある競技場だ。

ギルド関係者以外立ち入り禁止だが、人員確保したいのは国も同じでスカウトのため騎士団や魔法師団関係も来賓できていている。 試験場には見学者はいない。


見学できるのは、各部隊の隊長と副隊長、ギルドマスターのジルの副都マスターのみである。 ただ、彼らが試験を見学するのは、午前の体力測定合格者のみで行う模擬線からである。 午前の体力測定の合格者は、約260名が合格し、午後はまずバトルロイヤルで残った2名が選出され、勝利した者同士でくじで決め、模擬戦をする。 今までは、模擬戦の内容をみて各部隊が隊員選出をしていき採用がきまっていたが、今回は、候補枠の選出もあるため、バトルロイヤルから各部隊隊長・副隊長とギルドマスターたちがの採用見学が決まっていた。


◇◇◇

ここは、競技場の控え室。


控え室には既に各部隊の隊長・副隊長、そしてギルドマスターのジル、副都のマスターが集まっていた。 ただし、0番隊だけがいない。 


「マスター、イアン隊長代理はまた遅刻ですか?」というの隊長の1人だ。

「ああ、今、念話でせかした。 昼食、食べていたらしいぞ。 たくあいつは」というジル。 


その言葉に、”また遅刻か”とあきれる周り。

イアンは過去、この試験に参加こそすれ採用はしてこなかった。 また、やる気がないので、いつも遅刻だ。 ギルド本部から競技場は離れていて、徒歩で30分かかる。 皆、今回は30分は遅刻するなと思っているのである。


「ったく、場所がギルドじゃねぇーなら早くいえよ!」

「紙に書いてありましたよ」「

「みてねぇーよ」というやり取りする声が、控室の外から聞こえ、そして、控室のドアが開く。


「遅いぞ!」というのはジル。

イアンと一緒にいる隊長コートでフードを被った小柄な男がタバコをくわえながら入出してくるのだった。

「あん、昼飯くってたんだよ」というのは、フードを被った男だ。

ジルはいつもの事なので気にせずで呆れている。

「まぁ、ええわ。こっちこい。 部隊増えたから紹介する」と言われ、タバコの煙をふかし、ちっと聞こえるように舌打ちしながら、ジルの所にいく男。


「知っている者も知らん者もいるが、こいつが0番隊隊長だ。 つい先日ふらっと戻ってきてな、復帰させた。 ほれ、挨拶」と、俺の頭をこづくジル。

 

「あー、辞めたつもりが辞めてねぇとか、ようわからん。 俺が0番隊隊長だ。」って言ってやった。

「お前、どこいってたんだー!」と大声を出したのは、勢いよく立ち上がったグランだった。 周りはグランの驚きにびっくりしている。

「お、グランじゃん。 戻ってたんだな。 どこって、色々だ。」

「すまん、大声だした。 おかえり」といて座ろうとするグラン。

グラン、久しぶりで、ちょびっと老けたか。

「グラン、そういや俺らも今度の合同訓練参加すんだ。 ランチおごれ」と俺は悪い笑みをしていう。

「ああ、いいぞ。 そんとき詳しく聞くからな!」といって座るグランだった。

久しぶりにグランにおごってもらえる。 ちょっと嬉しい。


そんなやり取りをしている間、既知の者は、失踪しいた黒帝の帰還に安堵し、喜びもありつつ、何かやらかすんじゃないかと期待する。

知らない者は、小柄で態度のデカイ男が、本当に黒帝なのか信じられないでいた。 彼らの想像は、接近戦に特化している黒帝の体格を勝手に筋肉隆々の大柄の男と想像していたが、文句が言えない。 なんせ、ギルドマスターも、イアンもそしてグランといった既知の者が受け入れているからだった。


シュンはジルの隣の席に無理やり座らされ、シュンの隣にイアンが座る。

「ジル、なんか討伐任務ねぇーの。暇でよ。 てか、一般の依頼っつーの受けれんのか?」

そんな俺の質問に、周りの反応は”はい?”って不思議な顔をしているが、俺何か変な事いったのか? って、イアンはイアンで、そんな奴らの反応みて爆笑してるし。


隊員でも、一般の依頼で期限の近いものなど受付に聞いてリストから選ぶのだが当たり前なのである。 しかし、シュンは今までジルから依頼をもらっていたので知らない。


「ああ、お前専用の受付に聞けばリストくれるんで、受けられるんじゃがな。 ほれ」といって、50枚ほどの束をジルが渡してきた。「そろそろ言い出すとおもって、持ってきた。 全部、討伐じゃ。 イアン達と分担しろ。 週末までに片付けとけ」と言われ、俺はもらった束のリストをぺらぺらとめくっていた。

「あんじゃねぇーかよ。 んじゃ、片付けぇるわ」といって、リストをしまうのだった。


知らない者たちは、文句もいわずにあの数を2日でやるのかという驚きと、既知のものは、やっぱり0番隊隊長。 さっそくいいとわと思うのであった。

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