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白銀の黒帝  作者: 八木恵
3章:魔王編
122/173

来訪者は?

渋々退室させたマリア、そしてマスター室外にあった数名の人の気配が消えるのを待つジル。

「おほん」と一回咳払いをした。


そして低い声でいう。

「教えてほしいのじゃ。 なぜ、不死鳥ブランドをもっているのじゃ?」


その問いに、答えたのは町人風の男ではなく中央に座った小柄でフードを被っている1人だった。

しかも、大爆笑しながらだ。。

「あははっはは、ほら見ろ。 カール、俺の言った通りだろ アーク産は有名だってよ。」


儂は、笑い声と、話し方を聞いて、自分の目の前にいるのが、いるのは。。。。 儂は難聴にでもなったんじゃろうか。。 儂は、口を開けたままポカーンとしてしまった。


...数分が経過。 でもジルにとっては、人生で一番長く感じる数分だった。。


「シュンさん、マスターさんが口開けたまま固まってます。」

「ジル、何そんなに驚いてんだ?」 俺は、口を開けているジルをみて爆笑しながら、フードを外してタバコに火を付けて一服した。

「あははは、ジルのあの登場にも、われは笑うの堪えた」といいながら、リンがフードを外して爆笑している。


我に返ったジルは、無言のまま俺とリンを何度も繰り返してみている。 目は徐々に見開いていきく。

「シュン」「リン」といい、「...本当に、シュンとリンののか?...」という。


「ジル、久しぶりだな。 シュンだぞ」と俺はジルの問いに答えた。 

リンも同じく、「ジル、久しぶり。 われリンだ」という。


ジルは今度はわなわな震えだし、勢いよく立ち上がり、大声で怒鳴るのだった。

「お前らー。 どこにいっとんたんじゃー!!」


この日、久しぶりにマスター室から怒鳴り声が響くのだった。。


◇◇◇

「たく、うっせーぞ。 落ち着けよ」と耳を抑えながら、タバコを加えていう。 

少し落ち着いたジルが、座り直したのを見て、俺は話を始める事にした。


「まず、こいつカールな。」と俺は町人風の男を指さして、ジルに紹介した。

「こいつがな、本当に面倒な厄介毎を持ってきやがって、それに巻き込まれてぇんだ。 んで、こいつが、こいつが人間達も知らなきゃいけねぇーとか言い出しやがってよ。 まぁ、ジルなら上手くやってくれんじゃねぇーかって、アークもいうから、会いにきた。」と、俺はやや脱力しながら言った。


「シュンさん、そうっちゃそうなんですが、半分以上はシュンさんの趣味にもつきあわされて。。」とブツブツと声の少し大きい独りごちるていた。


そんなカールを無視して、俺は話を続ける。

「ジルの事だから、きっともう気付いたかと思うだけどな、俺らがギルド辞める時には、実は俺ら魔王がこの世界に来るって事を知っていたんだ。」


それに応えるようにジルが、頷く。

「ああ、魔王が出現した時にうすうす感じておった」

「それなら話は早いかもな。 でだ、これから何が起きるのかもって事も、この4年で大方把握した。 それを今からはなす。」そして、ジルも頷きながら「ああ、頼む」と返事をする。


それから、俺は、俺らが失踪し旅に出た理由、そして分かった事や、これから何が起こる事を説明した。 そして、最後に俺がしようとする事を約1時間ぐらいかけて語った。 俺が話している間、ジルの表情は百面相のようにいろいろ変わっていったのは面白かったが、語っている間は相槌のみで特に突っ込みなどはなかった。


俺が、タバコに火を付けて一服した。

「まぁ、そんな感じだ。」と言って締めくくった。


ジルの表情は哀愁が溢れていた。 そして、珍しくジルが、下を俯いた。 優しい口調でいう。

「シュンが調べた事じゃ。 内容は突拍子すぎて信じられない内容ばかりじゃが、どう考えても辻妻が会う。 じゃが、お前がなぜその選択をするんじゃ! お主の性格からいってありえんのじゃ。 儂は儂は。。。」


(はは、やっぱジルはそう思っちまうか。。。 どうしようかな。。。)


そして、俺は、ジルに俺の本当の正体を告げた。 なぜ、俺が12歳の時に、アークに連れられて魔の森からでてきた事を。 ジルの表情は哀愁を込めた感じだが、わかってくれたようで「そうだったんじゃな。 お前らの事は、儂は誰にもいわんし、墓場まで持っていく。 でも、あれじゃ、一番驚いたわ」と最後は哀愁が残るも優しい笑みだった。


__少し時間を置いて、リンがコーヒーを入れてくれた。


「やっぱり、リンの淹れたコーヒーが一番うまい」と俺が言うと、リンは嬉しそうな笑顔になる。

ジルはジルで、そんな俺とリンのやり取りをみて、「お前らは変わらんな。 相変わらずで安心したわ」という。 もちろん、ジルとカールにもコーヒーがわたっている。 ジルとカールもリンの淹れたコーヒーを飲み一息いれるのだった。。





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