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白銀の黒帝  作者: 八木恵
2章:学園編
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学園襲撃⑤

Side:グラン


グランは、教室棟の屋上で、他隊員メンバーと結界をはったあと、0番隊の戦いをみていた。



「グラン隊長、あれが0番隊の本気の戦いですかね。 凄すぎで言葉がでません。 我々は見ているだけなんて、本当悔しいっす」というメンバー達にグランは、「ああ、そうだな。 見ているしかできないな。 だがな、あれ本気じゃないぞ。 なんせ、あいつらあの後、王都100万の討伐にも行くそうだ。 ウォーミングアップだったりしてな。 しかも、黒帝が半分担当しているっぽいな。 はは、黒帝も大分抑えているが、他メンバーを抑えてるよ。」と呆れ半分と悔しさ半分だ。

そんなグランの言葉に、驚きを隠せない隊員。 「あれが本気じゃないって、黒帝って化け物か」と戦況をみながら口々にいう隊員たちだった。


「我々は今出来る事をしよう。 0番隊が、うちもらしはしないと思うが、念のためだ。 俺はここにいるが、もう一人残れ。 戦況をみて念話する。 うちもらしの討伐隊は、3人一組で3KM地点で待機。 それを超えたら、俺がでる。 指示は念話でしていく。 以上だ」と0番隊の戦いをみながら指示をするグラン。


他隊員も「はっ、グラン隊長」といって指示通りに各々の持ち場へ移動する。


グランの心の中で、教師として教室でガキの相手をしなければいけないが、うぜぇー奴らを相手すんのは面倒と考えてしばし3番隊隊長としての役目を全うする事にした。


それから、数十分経過。 ドーンと今日一番の音がして、白炎があがった。 シュン達がむかって、1時間半ぐらいだ。 そこからは、シーンと静寂が流れる。 シュンの用語でいうと、殲滅完了だ。 1匹たりとも、こちらに来ていない。 流石だよ、シュン。 元教え子か。 約束通り、俺を守ってくれてありがとう。 と心でお礼をし、最後に一礼をして屋上から教室へ向かう。


他教師たちに、学園への魔物襲撃は、黒帝と0番隊で退けた。 いまだ、王都の進行が残っている。 黒帝と0番隊が向かうが、とりあえず学園のほうは王都の状況がわかるまで現状維持と伝えおく。


グランが教室に入ると、生徒全員が窓側にいた。 こいつら、大人しくできるんだなと思うが、まぁ、普通はこうなるかと思いつつ。「お前ら、席につけ」という言葉に、みなグランが教室に戻ってきた事に気付き、各自席につく。


「状況っていっても、見た通りだ。 0番隊が30万の魔物の討伐を完了した。 あとは、王都に進行している100万の魔物だ。 王都が陥落した場合、魔物はまたこっちに来るだろう。 つまり、まだ危機は去っていない。 引き続き、お前らはこの教室で待機だ。 結界はこの校舎しかはっていない。 そのため、この校舎から外へ出る事は許さん。 といっても、神級レベルの結界だから抜け出せないがな。 夕食の時間になったら、学年ごと食堂で食べる事になる。 それまで、ここで大人しくしていてくれ。


俺は、いろいろ指揮しなきゃいけないので、何かある場合は隣のクラスの先生にいってくれ。 俺はいく」といって、教室をでようとすると炎帝が立ち上がる。


「あの、先生。フリークス君が黒帝って本当なんですか? それと、王都は100万の魔物が迫っています。 先生は援軍として行かなくて大丈夫なんですか?」と聞く。


グランは、うぜぇーなこいつと思いながらため息をつく。

「学園は退学するんだし。 簡単に教える。 シュンが黒帝であり、0番隊隊長だというのはお前らもみた通り真実だ。 この学園にはギルドの任務で在学していた。 それと、黒帝の命令で、俺は学園の守護だ。 王都にはいかん。 援軍にギルドが投入したのは、最強の0番隊だ。 0番隊がやられたら、遅かれ早かれ俺らは終わりだ。 俺はいくぞ」といって、教室を足早にでる。


すると、炎帝が追いかけていう。

「先生、いや、風帝。 僕は炎帝です。 王国を守るために帝になったんです。 僕は、王都に向かいます」とつげて、去ろうとする。 面倒クセェー。 腕を捕まえて、殺気をこめていう。「黒帝と0番隊がすでにむかった。 奴らがやるのは生半可な殺しではない。 現場は地獄絵図になる。 おこちゃまなお前では耐えられん。 あの合宿で、白狼の威圧に耐えられないようじゃ、黒帝の威圧と殺気に耐えられずお前はすぐ気絶だ。 100万を相手にするんだぞ。 あいつが本気になったら、0番隊メンバーでさえ退く。 それでも行くのか?」すると、炎帝はグランの殺気で震えている。


「俺のしょぼい殺気でこんなんじゃ、お前には無理だよ。 大人しくここにいろ。 炎帝ちゃん」と押し倒してその場をさった。


◇◇◇

一方、教室。 ロイは青ざめていた。 うそ、フリークス君があの時あった隊長と同一人物なんて。 今も勉強を通信でみてくれている。 例のバックに回答した問題集のノートをいれると、翌日には採点してあり、コメントが書いてある。まだ、本や問題集は消えていない。 もう、なんだかわからないが、ある意味納得だ。 口調は違うが、あの破天荒というか自由度は一緒だ。 もう、クラスメイトではないが、絶対0番隊にはいってやると心の中で再度心に誓い、皆さん頑張ってください。 僕は今できることをしますといって、シュンの作った本を広げ、勉強を始める。 まじ、難しいっすとへこたれそうになりながらも。。


女性達は、「まさか、黒帝だなんて。 もう会えないのー。 残念」とつぶやく。 シュンに、名前も顔も覚えてもらっていない事もしらないまま。。

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