学園襲撃③
午前中の授業がおわり、午後の任務はいまのところない。
昼食を寮の部屋で食べ、コーヒーを飲みながらタバコをふかすシュン。
リンもコーヒーをのんでいた。
シュンは、読書でもするかなと考えている。 巡回に出る生徒達は、準備をしている時間である。
ーーカンカンカンーー
これは、学園の緊急をしらせる警報。 それが今、響き渡る。
「リン、これ鳴ったら教室にいくんだよな?」俺がタバコをふかしながら聞くと、「ああ、確か制服きていくんだ」という言葉で、魔術で制服に着替えてタバコを消す。 「めんどくせぇー」といって、「リン、行くか」というと、リンも制服に着替えている。
教室に入ると、他のクラスメイト達は既に集まっており、シュンとリンは遅めの到着のようだった。
周りは何事かと話しているし、みな慎重な面持ちだ。 学生レベルの魔力では、広範囲の索敵もできないので、とりあえず窓の外をみる。
イアン達がいるからだ。 なにやら、3番隊メンバーで西と王都がある東を指さして何やら話している。
念話をしてみるが、イアンは他と念話しているようだった。
グランが珍しく慌てて、教室に入ってくる。 表情は暗く、そして神妙な面持ちだ。
「まず、冷静に聞いてくれ。 ここより、40KM地点に未知の魔物30万が出現し、この学園に向かっている。 最初の群れがここに到着するまで、あと45分だ。 議論している余地はない。 そして、東150KM地点に100万の未知の魔物の群れが王都にむかってきている。 到着予定は約4時間後だ。 王都のほうは、学園長とギルドマスターが指揮しているが、学園は俺たちだけだ。 援軍はなし。 イアンさんたち0番隊が我々の希望だ。 だが、30万となると、彼らだって危ない。 最後まで希望は捨てないでくれ」といって頭を下げ、こぶしを強く握った。。。
グランが、シュンをちらっとみるが、窓の外を眺めてどこか他人事だ。
すると、炎帝が立ち上がり「先生! 僕たちだって戦えます。 そうだよねみんな!」といっているが、既に絶望して泣いているもの、震えているものもおり、賛同するものはほんの少し。
俺はグランの話を聞きながら、へぇー、結構魔物来てるんだなぁ~と、まだ外にいるイアン達を眺めていた。 まぁ、ジルからなんかあれば連絡くるしなぁなんて、考えていたら、電話が鳴った。
グランはグランで、なった電話の音に少しの希望の光がみえるかもしれないほっとしていた。
すると、生徒の何名かが「こんな時に電話って。。 非常識」と震えながいう奴らもいる。
その声を無視して、電話をとる俺。
シュン:「何?」
ジル:「その口調は、教室にいるのか?」
シュン:「そうだよー。」
ジル:「相変わらずじゃなお前は。 学園に30万はわかっているか?」
シュン:「みたいだねー。」
ジル:「イアン達と、30万の討伐にあたってくれ」
シュン:「そんな事したら、ばれちゃうよー。 いいのー。」
ジル:「イアン達だけで、30万は無理じゃろ」
シュン:「うん、難しいね。」
ジル:「もう、緊急じゃ。 正体ばれてもいい。 学園も今日でやめていい。 それでどうじゃ」
シュン:「本当にー。」
ジル:「ああ、約束じゃ」
(まじ、やっと解放だよ!)って心の中で、小躍りしてる俺だ。