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白銀の黒帝  作者: 八木恵
2章:学園編
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学園警備強化、巡回するらしい。

その後、グランが教室にはいってきて、学園周辺の討伐についての説明となった。


授業は、当面午前中のみ。 

午後から、学園周辺約20KM範囲を巡回し、魔物に遭遇した場合は討伐となる。 3グループが日替わりとなり、土日も含めてだ。 

担当でない日は、休息または訓練にあてるかどうかは各グループで決める。

土日は教師も巡回に参加するため、訓練場の利用する場合は監視の人のみで、平日は実技担当が学年かかわらず教える事になっているとの事。


すると生徒の1人が手をあげて質問する。

「巡回といっても多すぎないでしょうか? 学園周辺の魔物は、グレイウフルがまれで、だいたいランクDです」


その質問に、グランは神妙な面持ちでいうのだった。

「最近討伐していないから、少し王都周辺の状況がかわっている。 以前、未知の魔物は帝国側の国境付近のみだったが、最近は王国内全土で頻発している。 ギルドの部隊メンバーが討伐しているので、被害はギルドの部隊隊員メンバー限定だ。 しかし、王国内で頻繁するようになってから、通常の魔物も10-20という群れでいる事が多くて、好戦的になっている。 そのため、危険度が高くクラス代表グループ以外は複数グループに纏まって巡回してほしい。」


そのグランの説明に、顔をこわばらせる生徒達だ。


「そして、未知の魔物に遭遇した場合は、緑の合図をあげて、即撤退する事。 また、遭遇しなくても緑の合図をみたら、全員撤退する事。 未知の魔物については、ギルド隊員が討伐する。 遭遇者はできるだけ、見た目と数を報告すること。 今から、いままでギルドで討伐してきた、未知の魔物のリストをわたす。」といって、リストを配るのだった。


リストが配り終えるのを確認すると、グランは説明を再開する。

「もし、このリストにない魔物で未知の場合は青色の合図だ。 これも緑と同じく即撤退で、ギルド隊員が討伐対応する。

尚、撤退時は、各リーダに出発時にギルド隊員から、この複数転移魔法陣を渡す。 これを使うのは信号がでた時のみだ。 貴重な物なので、万が一紛失した場合は、グループ全員が処罰対象で謹慎3日となる」


という言葉に、徐々に青ざめ危機感を感じ不安になるの生徒が多い。


「先生、未知の魔物は危険なんですか?」という質問に対して、「俺はみた事がないが、ランクでいうとD、Cが多いが基本的に200~300の群れらしい。 ランクBもいて、10~50の群れだ。 ただ、問題が突如出現するらしい。 王都内や学園内は侵入不可の結界がはってあるので、学園内は比較的安全だ。」


すると、生徒が数の多さに驚きいう。

「ギルド隊員でも、200って厳しいんじゃないでしょうか?」というと、グランがいう。「大丈夫らしいよ。 そりゃ、0番隊みたいに単騎は無理だが、複数人で連携しての討伐なら500までは大丈夫だそうだ。 1,000でも援軍到着まで時間かせぎはできる。 なんせ、最低でのギルドランクSの集団だ」と安心させるのであった。


そして、その説明をしながら遠い目をするグラン。

あの、0番隊との地獄の合同訓練のおかげで、3番隊メンバーの底上げになり、ギルドランクS以上ばかりになった。 あれを機会に、訓練にはげんだ結果だ。 ちなみに、0番隊はシュン以外は全員SSSである。 帝は断っており、ギルド最高ランクであった。 そんな事は興味がないのでシュンは知らない。


それから、質疑応答が続く。 午前中はこれで終わりそうだなっと窓の外をみているシュン。 

運用開始は、明日からで、今日の午後は実技ではなく「魔物学」をやる事になった。


グランが時計をみていう。

「午前も終わりだが。 念のため言っておくが、シュンとノーマスは巡回に含まれない。 ギルド任務が別にあるそうだ。シュン、悪いがこの後ランチおごるから俺の部屋きてくれ」といわれ、「奢ってくれるのー。 行くにきまってるじゃーん」と俺はいつもの調子で答えると、緊張モードの周りの雰囲気を一変させるのだった。


◇◇◇

そしてグランの部屋。

ランチを食べ終わり、シュンはエールを飲み、タバコをふかしている。 もちろん、グランもエールを飲んでいる。


「未知の魔物なんだが、例のリスト以外にお前の部隊が遭遇したのってどのくらいだ?」と神妙な面持ちの表情のグランだ。


「リストにねぇーのは、3Mぐらいの一目の2足歩行の巨人、頭3つあって胴体が一つの全長3Mのデッケー犬、あと足は馬であたまが猛牛、黒い羊、2足歩行の武器もったワイバーンもどき、あと黒いワイバーンだ。」と俺は思い出しながら淡々と伝えた。


グランの表情が一気にかわり、驚いている。

「おいおい、巨大なものもいんのかよ!」とエールを飲み干した。

「まぁ、皮膚はかてぇーが、のろまで遅い。 黒羊は1,000だったからよ、結構殺すのたのしぃーぜ。」と唖然としているグランをよそに俺は、過去の討伐時の感触を思い出しながらいった。


「強さはどうだ?」ときかれ、「うーん、わかんねぇーけど、まぁ、どれもこれも対した事ないぞ」と答えておいた。


だが、俺の答えに満足しないのか、グランは、溜息をついて「お前らなら、問題ねぇーだろうが、俺の部隊の実力考えると大型は無理だ」とやや苦悩しはじめている。 


「そん時は、0番隊が遊撃にでてるから、大丈夫だろ。 それに、いざて時は、呼ばれんし」といって、俺はグランを宥めるために黒い電話を見せた。


その言葉で安心するグランではあるが、こいつは、この若さで世界最強の黒帝なんだよな。 殺しに関してまったく躊躇もしない事には、気になっているが、結局最後はシュン頼りになる今の現状に自分が恥ずかしくなるのであった。


「どうした? グランは、守ってやんよ」と悪い笑みでエールを飲み干しておいた。 そして、その言葉に苦笑いするしかないグランであった。


その後、シュンのいった魔物のリストは非公開という事でギルド隊員のみに送られるのであった。


◇◇◇


そして、巡回が始まり1週間が経過したころ、生徒達はみな疲弊していた。 

1日の休みでは、心労がたまるようだ。 ちなみに、シュンとリンは、午後が空いたので毎日かなりの数の討伐任務を請け負っているし、戦争反対の貴族がクーデーターを企んでいたようで、その暗殺任務もあった。 特に、学園前と同じ量の任務数なので、疲労もない。 逆に午後が空いたおかげで、煩わしい授業にでる必要もなく、学生生活のストレスが少し減り、のんびるする時間もあったりした。


すると、その日始業ベルと同時に教室にはいってきたグランが開口一番にいう。

「週明けだっていうのに、疲れてんな? たく、若いくせにだらしねぇーな。 ギルド隊員になると、連続任務、長期任務なんて多いぞ。 この1週間、学園周辺での魔物の異常が見つかってないという事と、お前らがだらしないから、曜日で担当をきめた。土曜日は学年選抜グループのみとなるが、その変わり、金曜の授業が免除となる。 日曜は教師陣のみだ。 今日からこの順番だからな。 各自確認しとけよ。 本当、あめぇーよな」という言葉に喜ぶ生徒達だ。 


巡回は、緊張感いっぱいのため思った以上に体力を削り、疲弊していた。 それが、多くて週2になるので素直に喜こぶ生徒達だ。

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