学園警備強化するみたいだが
いつも通り始業ベル ギリギリに教室に入る、シュンとリン。
しかし、始業ベルがなっても、グランがなかなか来ない。 なんか、あるのか?
そんな事考えてたら、学園の放送で、生徒全員講堂に集まるように指示があった。 人が集まる所に行きたくないので、モタモタしながら、講堂の一番後ろで大勢の人から離れて立つことにした。
講堂内の生徒達のは、高等部のみでは人数的にも多く、高等部の制服と違う制服をきている生徒もいた。 中等部の生徒もおり、講堂には約1,000名の中・高等部生徒がいる事になる。 俺にとって最悪の環境だ。 早くこの場から出たいと心から思っていた。
すると、学園長が、檀上にあがる。
「既に、我が偉大なる国王様より通達があった通り、今まで防戦でしか戦ったことのない王国が、帝国にむけて進軍する事になりました。」というと拍手喝采だ。 俺はうるせぇーと思いながら、耳をふさぐ。
ある程度静まると、学園長が続けるのだった。
「帝国への布告もおわり、いまから2週間後に王国と帝国との国境で開戦がきまりました。 今回、王国軍はほぼ総戦力で挑む! そして、いままでの屈辱を晴らすのだ! 帝国の滅亡と併合だ!」とやや興奮して大声になる学園長に、感銘したのか、ほとんどの生徒が「おお!!」と盛り上がる。
また、あまりの煩さと騒がしさに、今度はリンも耳をふさいでる。
「静粛に! 今回の戦は、短期決戦となる事が予想されます。 1~2か月で決着がつくでしょう。 なぜなら、既に土帝様、水帝様も参戦していただけるそうです。 それに、今や、軍事力が低下している帝国です。 我々の勝利は確実です。 我々は王国の完全勝利を信じ、この学園でまちましょう」
すると、高等部の3年生たちが、檀上のほうへ一歩でてくる。そして高らかにいうのであった。
「学生期間中の従軍は禁止されていますが、僕たちは成人しています。 そして王国を守る義務がある。 僕たちはここで待っている事なんてできません。 何か、やらせてください。」
そんな発言に感極まり賛同する生徒達だ。 いやいや勘弁だろ。
すると、学園長が言う。
「ありがとう、皆さん。 でも、落ち着いて聞いてください。 今日は皆さんに集まってもらったのは開戦に伴う連絡です。」
そんな学園長の発言に、皆素直に静寂する。
「まず、残念なお知らせですが、学園対抗戦につきましては延期となります。 これは、開戦にともない王都、いえ王国内の警備が薄くなるためで、大会に警備をまわせなくなったからです。」
この発表に、残念がる大勢の生徒だ。 まぁ、俺関係ないし。。
「王国内の警備が薄くなる関係から、重点拠点のみ警備を強化いたします。 本校の場合は、ギルド隊員の皆様にご協力をお願いし、3番隊の皆様が本学園の警備にあたります。」というと、檀上の袖にいた3番隊の隊員たちが紹介される。
自然と拍手がわく。
「また、ほとんどのギルドの部隊隊員の皆様が、王国の重要拠点の警備につくため、魔物討伐に手がまわりません。 そこで、高学年の2年生以上で、特に学年選抜の皆さんには学園周辺の魔物討伐に参加していただきます。 皆さん、協力してこの学園をまもりましょう」というと、「はい」という言葉とともに、1人の高等部の生徒が檀上にあがり、たからかに宣言する。「みんな、僕たちの学園は、僕たちの力で守ろう。 いや、守るんだ!」と宣言すると、拍手喝さいで「おお!!」ってかなりの盛り上がりだ。
俺とリンは、もう煩いと耳をふさぎながら、早く終われと願っていた。
「お願いします!」と学園長がいう。
「最後ですが、学園長である私が本来緊急時など総指揮をするのですが、国王命令で来週より終戦まで、学園をはなれなければいけません。 そのため、私の不在中、緊急時の対応は、中等部はサマンサ先生が、高等部はグローリア先生になります。 なお、グローリア先生が総指揮も兼任します。 また、緊急時の避難場所は、結界維持の関係から、各自教室棟になります。 詳細な内容や質問については、各自担任に確認してください。 では、以上解散です。」
やっと解放された、俺とリンは、その場を急いで離れて教室に戻る。
煩い、なんで、いちいち騒ぐのかが分からないし、わかりたくもない。 俺は、偽善、忠誠、愛国という精神、そして考えが嫌いだ。 だらか、1秒たりとも同じ空気をこれ以上すうのは我慢ならなかった。
しばらくすると、続々とクラスメイトが戻ってくる。 仲のよいもの同士集まって会話をしている。。