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白銀の黒帝  作者: 八木恵
1章:白銀の黒帝の誕生
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ギルド生活:魔力枯渇①

帝国軍の侵略から転移でギルドの部屋に戻ってきたシュンは、無傷だが血塗れである。

血塗れはいつもの事だが、洗浄魔術で綺麗にするシュンが、魔術を発動しない。


その様子をリビングで立って見ているリン。


「リン、魔力ちょうだい」


シュンが突然リンを抱きしめるのだった。

自分のした事が正直わからない。 でも、自分の腕の中にリンがいる。

半年以上一緒に生活しているけど、自分からも、リンからもお互いに触れる事はない。

でも、リンを見たら、魔力をもらえるんじゃないかって思った。


「リン、魔力ちょうだい、だけどどうやったら魔力もらえる?」


自分の腕の中に居たリンを離して、もう一度聞いた。 リンは、動揺しているようだった。


「シュン、とりえあずシャワーあびたほうがいい」


リンに言われた俺は、はっと我に返った。 そうだ、洗浄魔術を発動していなかった。 よく見れば、リンの服にも血がついていた。 だけど、今の自分の状態では魔力が足りない。 リンに促されるまま、シャワー室に服を来たまま入る事にした。 シャワー室にはいって、リンが服を脱がそうとしてくれている。 でも、それよりも、魔力が欲しい自分は、もう一度リンを抱きしめた。 今度こそ、もらえるんじゃないかって。


「リンに触れれば、魔力もらえると思ったけど、違う」


リンに触れたけど、やっぱり魔力はもらえなかった。 

抱きしめられているリンは、女嫌いで一切触れようとしてこないシュンの行動にやはり同様しつつも、シュンに抱きしめられた事で不思議な気持ちになる。

やや、高揚したリンは、シュンの上に覆いかぶさりながら、お互いの唇に触れ、何度も触れながら、その後は舌を絡ませて行くのであった。


暫くして、お互い離れるのだった。

シュンはシュンで、リンの行動に動揺するのであった。


「リン、魔力がほんのちょっともらえた! もっと欲しい!」


リンの唇が自分の唇に重なった時は、正直何が起きているのかわからなかった。 でも、リンの柔らかい唇に、絡みあった舌に嫌な気持ちもなかった。 逆に、気持ちよかったし、魔力が少しもらえた。

だから、魔力欲しさに、今度は自分からからリンの唇に触れ、舌をからませていく。 うん、魔力が少しもらえる。


「リン、まだ足りない。 もっと欲しい」


「シュン、発情している。 後は、われに任せて」


リンはシュンを寝室につれ、服を脱がしながら、抱き合い絡み合うのであった。

こうして、シュンは、愛とか好きとかという感情もわからないまま、リンとの初めてのセックスは魔力供給という形であった。


◇◇◇


翌朝、目が覚めたら知らない天井ではなく、いつものギルドの自分の寝室だった。

違うのは、自分が全裸で、隣にリンがいた。 リンも全裸だった。 自分の寝室のベットで今までリンと一緒に寝た事はない。 リンはリビングのソファーで寝ていたはずだ。 なんで、リンが寝ているんだと思いとりあえず、魔力不足で怠い身体を起こして、部屋の周りを見渡した。


ベットの周りには、着衣が脱ぎ捨てられていた。 自分の戦闘服は、返り血がついたままだったみたい赤い染みがそこら中にてんてんとしていた。 自分で、昨夜の任務の内容や行動を思い出した。

あ、そう言えば、リンとセックスしたんだった。 だからだ。 ただ、自分のした行動がいまだに信じられないが、それでも、確かリンが以前性奴隷っだったっていうのを聞いたとき、辞書には、[性のはけ口]って書いてあった。 自分は、リンを性奴隷にしたのか? わからない。。


「リン、俺、リンを性奴隷にしたの?」


自分がした事は、どうだったかわからないから、寝ていたリンを揺り起こして聞いた。


「シュンは、われを性奴隷にしたいのか?」


リンは、いつもの変わらない淡々とした口調でいう。


「違うと思う。 俺は、魔力が欲してリンとセックスした。 だから、リンを性のはけ口にしたのかと

思った。 でも、わからない」


「シュンとのセックスは、われが性奴隷の時とは違かった。 それに、われからシュンに触ったし、われからセックスした。 逆にシュンは、われに触れられて平気だったのか?」


リンは若干心配そうに聞くのだった。

自分は、いままで女に触れられると、寒気がし、終いには吐く。 リンは、無臭だったから連れてきてみたが、触ろうとも考えた事もなかった。


「うん、平気だった。 寒気も吐き気もない。 それに、リンの魔力は甘かった」


アーク曰く、俺の特殊能力で、魔力の質がわかり、個々の魔力を匂いで判別する事もできる。 ただ、女、メスは皆臭くて、気分が悪くなる。 リンだけ、無臭だ。


リンは俺は回答に不思議そうな顔をしながら、それでも安心したような顔をしていた。


「シュン、昨日はいったい何があった?」


結局、俺は昨日の出来事について、時系列でリンに話す事にした。


◇◇◇


昨日の帝国軍の侵略規模は約30万人だった。

魔力が増えれば、身長が伸びるのではないかと思った俺は、検証に丁度いい規模だったため、白炎を使った。 魔力量が約1割程度残せばいいかと思って、白炎を使っていたら、想定以上の威力になってしまって、結局帝国軍30万をほぼ殲滅してしまった。

任務完了で、転移して戻ってきたら、魔力枯渇になってしまった俺は、リンを見て魔力がもらえるような気がしたと説明した。


「そっか。 そういう事だったんだな。 シュンの身長伸びるといいな」

「うん、俺の身長伸びるかな」


自分さえよければよいシュンなので、他は興味がない。 今回は、自分の身長のために、帝国軍を結果的に殲滅してしまっっただけだった。

一方、リンも似た感じで、いつの間にかシュンが良ければそれでよいという考え方になっているので、お互い罪悪感のかけらもないのであった。


「シュン、魔力はどのくらい回復したんだ?」

「うーん、まだ1割弱かな」


「そうか。 ならシュン、今度はセックスで魔力がどのくらい回復するか検証してみるか?」

「うん、リンの魔力甘いから、ちょうだい」


こうして、今度はシュンからリンを求めるのであった。 検証という名で、何度かセックスするとシュンの魔力は2割弱ぐらい回復し、逆にリンは半分以下となるのであった。

シュンの中で、リンとセックスすると魔力が回復(奪える)事がわかる。

それと同時に、シュンはリンとのセックスに目覚めるのであった。 


「リンとセックスすると、魔力回復するし、気持ちいいんだけど。 魔力回復以外でもセックスしていい?」


「うん。われもシュンとのセックスはいい」

リンは、嬉しそうにいうのだった。


◇◇◇

俺は、リンの言葉を聞いてから、ベットから出て起き上がり私服に着替えた。

すると、お腹がすいた。 あれ? これってまずいパターンじゃ!!


「あ、お腹すいた。 あれ、これまずいかも。」


リンは首を傾げたままだ。 それは、そうだ。

「俺、魔力枯渇近くなって、魔力が回復する時にたまに異常に魔力が増えて暴走するんだ。 とりあえず、大量にご飯たべて、結界はって爆発させて、2日間寝れば元に戻るんだけど」


といいながら、部屋の周りを見渡す俺。

「たいていアークの所だから、森の中で爆発させるんだけど、ここだと結界はってもリビングはふっとぶかも」


俺は、うーんと考えながらいう。

リンのほうを見ると、目を開きながら驚いている。

早速リンも服を着替えていた。


「ジルに連絡しよう」


俺は、お腹が空き始めて段々とイライラしてしまい、リンの言葉を聞いてなかった。


--

Side:リン


シュンの魔力爆発の事を聞いたわれは、急いでジルに念話しようとすると、シュンの部屋のチャイムが丁度なった。 部屋の扉を開けると、ジルがいた。


「昨日の報告を聞くのにシュンに念話したんじゃが遮断されておって来てみたんじゃが。 リン、シュンに何が起きている」


われは、慌ててジルに、シュンの状態を説明した。


「報告については後じゃな。 儂が食堂に連絡しておく」


---


ジルは、すぐさまどこかに連絡し、ものの数分で、シュンの部屋の前に大量の食事が運ばれてくるのだった。

ジルが部屋に運びいれて、ダイニングテーブルに置くと、前のお皿は空になっているのだった。

シュンはもくもくと食べている。 すると、ようやくジルの存在に気付くシュン。


「あ、ジル、おはよ。 んで、リンとジル、部屋から出て行って。 暴走始まるから」


結界を張り出して、ジルとリンは近づけなくなった。


シュンに言われたまま、部屋の外にでるリンとジル。 

すると、数分後、爆発音が聞こえるのである。


暫くしてから、そぉーっと部屋の扉を開けるジルとリン。

そこには、もともとあったリビングの姿はなく、リビングは綺麗に破壊されており、その中心で無傷のシュンが気持ちよさそうに寝ているのであった。



「よく寝れるもんじゃな」


ジルは溜息をつきながら、シュンを寝室へ運ぶのであった。


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