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1人の人間がここまで引っ掻き回せるものなのか

 今回の衆議院議員総選挙で、希望の党が台風の目となった。


 結果は、ご存知の通り自民党の大勝利だったが、当初は希望の党の優勢が報じられていた。


 それに異変が生じたのは民進党との合流だった。これにより保守派の有権者を取り込もうとしていた希望に対し、保守派からも首を傾げる者が出始めた。しかし、それでもまだ希望への期待は大きかった。


 それが完全に逆風となったといわれるのが9月29日の小池知事の「排除」発言だ。


 話を前に戻すが、そもそも希望への合流は民進党当主前原氏の独断であった。小が大を飲み込むと騒がれ、その決断を疑問視する声も多かった。


 その結果、野党共闘が崩れ、野党同士で選挙区が重複し票を取り合って自民に漁夫の利を与えた。元民進の希望移籍組みも何人も落選し、前原氏の責任を追及する声もある。立憲民主が議席を3倍に増やしたというが、既存野党の議席を奪っただけで、自民党へのダメージは全くない。(公明は議席を減らしたが)野党共闘が出来ていれば、もう少しどころか、野党はかなりの議席を取れていた公算も高い。


 これだけでも前原氏が今回の選挙を引っ掻き回した当事者の1人といえ、野党側の人間の行動でこれだけ選挙結果に影響を与えたのも珍しいんじゃないかと思う。


 とはいえ、やはり希望の党の失速は小池知事の排除発言が、尤も大きな原因と言われている。


 俺は、希望の党の公約など支持してないし小池知事の政治家としての能力は認めていない。しかし、それでもあの排除発言については同情する部分もある。


 確かに排除という言葉は冷たく傲慢な印象を与える。今まで巨大な自民党都議会に対抗するという事で支持を受けていたのに、自分が強者となり、弱者を虐めているように見られてしまった。


 とはいえ思想、信条が違う者を党に受け入れるのが正しいかと言えば、それも違う。同じ意味の事を別の表現で言えなかったのか。とは誰もが思うだろう。反省の弁などを聞くと本人もそう思ったようだ。


 しかし、何故、小池知事が排除などという言葉を使ったかと言えば、記者に「排除しないんですか?」と聞かれたので、いわば反射的に「排除します」と答えてしまったというもので、記者から引き出されてしまったと言える。これで、排除なんて! と、非難されるのは可哀想と言えば可哀想だ。


 では、なぜその記者は「排除」などという言葉を使ったのか? 悪意があって小池知事に「排除」という言葉を使わせたくて罠を張ったのか? 実際、この記者は小池知事に批判的だったが、流石にそこまでの悪意、計算はなかったと思う。では、何故、この記者は「排除」という言葉を使ったのか?


 小池知事の排除発言の前に、民進党党首の前原氏はこう言っていた。民進党の皆で希望に行く。排除されない。と。この言葉があったからこそ、記者は小池知事に「排除しないのですか?」と聞いたのだ。つまり、小池知事の排除発言の根本的な出どこは前原氏なのだ。


 民進党の希望への合流。野党共闘壊滅。そして希望の失速。全て前原氏に原因、遠因がある。


 まあ、よく1人の人間が、ここまで選挙を引っ掻き回せたものだと思う。


 PS

 TVなどで、小池知事の排除発言は記者の質問に反射的に答えたからだ。という話は聞くが、更に前原氏の遠因にまで言及しているTVはなかったかと思う。


 ※選挙区重複は希望の党が政権選択選挙を掲げ、過半数の擁立を行った事から野党と選挙区が被り発生した。それは自民党から希望の党への「政権選択選挙というならば、過半数の立候補者を立てるのが筋じゃないか」という挑発もあり、希望の方がその挑発にまんまと乗ってしまったという感もある。そもそも希望が民進との合流を受けたのも、この過半数の擁立という立候補者の水増しが必要になったからともいえ、終始、自民党の掌の上で踊っていたとも言える。尤も、自民党からの知事を辞めて自身も立候補しろという挑発には乗らなかったが。知事を辞めていたら、更に議席を落としていたと思う。

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